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【モデル実践報告】「身につけたコミュニケーションスキルを外出先で発揮する」

おがるでは、モデル実践の取り組みをいくつか行なっています。

モデル実践は、発達障がいの先進的なプログラムや支援方法などを地域や関連機関の皆様と一緒に取り組み、実践例として報告することを目的としております。

その中の一つ「コミュニケーション支援のモデル実践」についてご紹介いたします。

この取り組みは、協力児Aさん(小学生)が幼児さんの時から行ってきており、開始当初はコミュニケーションスキルを身につけることが目的でした(詳しくはおがるホームページ「モデル実践」のページにてご紹介しておりますので、よろしければそちらもご覧ください)→https://www.harunire.or.jp/ogaru/pdf/2019communication.pdf

現在は、過去のモデル実践同様に、PECSを活用したコミュニケーションの練習も継続しながら、身につけたコミュニケーションを「地域で発揮すること」つまり【地域への般化】を目的とした取り組みをしています。

今回は、「身につけたコミュニケーションスキルを外出先で発揮する実践」についてご紹介します。

きっかけは、お出かけでAさんとケーキ屋さんに行った時のことです。
ケーキが好きなAさんに、“好きなものを選んでもらって買って帰ろう”と思っていたのですが、ショーウィンドウをまじまじと見てニコニコしながらも選べず、お店の人にもわたしたちスタッフにも欲しいものを伝えられず・・・ということがありました。お母さんにそのことを報告すると、家庭でもお出かけの時に欲しいものを伝えられずにいる場面がたびたびあるとのことでした。
それまでの家で行ってきていたスキル習得の取り組みの中で、「要求する」というコミュニケーションはできるようになっていたので、外出先でも同様にコミュニケーションできるように練習を開始しました。

練習は大きく3つのSTEPに分けて行いました。
〈取り組んだSTEP〉
STEP1 家で2種類から好きなケーキを選んで要求する
STEP2 ケーキ屋さんで2種類から好きなケーキを選んでスタッフに要求する
STEP3 ケーキ屋さんで2種類から好きなケーキを選んで店員に要求する

練習は順調に進み、お店の人にも自分でコミュニケーション(要求)することができ、大好きなチョコケーキを買うことができるようになりました。

ちなみに、ケーキ屋さんには事前にこちらで主旨を説明した上で、協力してもらえるかを相談して快諾いただき伺っています。地域の温かいご理解にも感謝です。

その後、Aさんが好きなものをリサーチし、アイス、ポテト、ジュースなど他のお店で要求できる場面や種類を増やして現在も練習中です。

左:ポテトを注文            右:好きなジュースを選んで注文

今回の取り組みで、家でできていた「要求する」というコミュニケーションを外出先でもできるようになったことで、Aさん自身が外出する楽しみが増えました。

取り組みのポイントとしては、Aさんの好きな「ケーキ」や「買い物」といった本人のモチベーションを活かしたこと、また、スモールステップで練習を重ねたことで、本人が積極的に取り組むことができ、家→外出先の般化も行うことができました。

このモデル実践は、現在も取り組みを継続していて、コミュニケーションのその後や「見通し」の支援、ご家族への般化などなどこの他にも実践しています。
それについても、またご報告できればと思っています。それでは!

※この記事は、ご本人・ご家族、お店には許可を得て掲載しております。

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