アウトプットすることの大切さと、効率的な方法について【声の履歴書 Vol.89】
こんにちは。Voicy代表の緒方です。
この「声の履歴書」という連載は、Voicyがこれまで歩んできた道のりについて創業者の私があれこれ語っていこうというシリーズです。よかったらマガジンをフォローしてくれると嬉しいです。
今日は「アウトプットすることの大切さ」について書いていきます。もちろん、その方法についても。
あなたは先月バズった話題を覚えていますか?
すでに世の中、あらゆる人が「アウトプットは大事だよ」と散々話しています。自分が何かを教えてもらったときに、「わかりました」と言っているだけでそれが身につくということは、ほとんどない。何かを実践しないと血肉となりません。
けれど、いまの日本の社会では、インプットに時間を使うだけで満足してしまっている人がすごく多いと思います。情報を摂取をするだけでいいと思っている人が、すごく多い。
実際、「先月の1か月であなたが得た情報、あるいはバズった話題でもいいです。その中でいまも覚えているものはありますか? 活用できているものは何ですか?」と聞くと、ほぼ何も答えられないと思います。ほとんど残っていないものをインプットしているだけ。
じゃあ何が必要かというと、そのインプットを自分の中に蓄えること。つまりは自分で自由にアウトプットできるレベルにまで持っていくことが必要です。それができてはじめて、インプットが体に染み込んだと言えると思うわけです。
情報は呼吸と同じ。ちゃんと出さないと入れられない
最初は簡単なことからはじめましょう。「この問題はこういうふうに考えたらいいよ」と言われて、「そうか」と答えるのではなく、同じようにそれを人に対して説明してみる。または文字に書いてみるのもいいです。そんなふうにさまざまな形でアウトプットしてみることで、たとえば「あれ?上手く説明できないぞ、書けないぞ」ということに気づきます。
その思考錯誤が体に記憶となって残り、一旦は“自分の体に入った”という状態になるわけです。そして、それを何度か繰り返すことで“体に染みついた”と言えるのだろう、と思うんです。
なので、「より豊かな生活をしよう」とか、「得た情報で自分をアップデートしていこう」とか思ったときに、それらの学びをきちんと残留させるためにはアウトプットをしなければ、絶対に次の段階に進まないんです。
それを「呼吸と同じだ」と言う人もいます。繰り返し息を吸ったり吐いたりするようにアウトプットをしっかりとすると、また次のインプットができるわけです。僕らは吐かないと、吸えません。
ちゃんと吐き出せるからこそ、よりいいインプットの余地ができる。できることなら、インプット以上にアウトプットをするくらいの生活になってもいいはずのに、「情報のインプットが9.9で、アウトプットが0.1」みたいな人がほとんどだと思います。
「声」はアウトプット効率が良い
さて、成長速度をはやめたり、よりいろいろな感性を持ったり、自分の血肉になるためには、「どういうアウトプットをするのがいいのか?」と考えることもすごく大事です。
「アウトプット効率の良さ」というものは当然のように考えるべきでしょう。おおよそ世の中のアウトプットの方法としては、文字に書くとか、絵で描くとか、声で喋るとか、動画で出す、などの手段があります。その中でも最もコストが低く、効果を上げられるものは何か。
それがあなたの「声」なんです。
情報のアウトプットって、声とすごく相性がいいです。「話すこと」を上手く使ってアウトプットしている人はたくさんいます。たとえばVoicyのパーソナリティさんに対して「Voicyをやってよかったことは何ですか?」と聞くと、もちろん、「多くの人に聞いてもらえた」とか、「喜んでもらえた」という言葉が一番に出てきますが、「自分で日々のアウトプットをすることによって、インプットの質も上がったし、生活がすごく変わった」と語る人が、実はすごく多いんです。
つまり、アウトプットをする方法としての声というものは、実はインプットを活かして人生を豊かにする方法なんだよ、と言いたいわけです。
正直、まとまった文章を書くって、それなりに難しいですよね。たとえば「自分はこう思う」という内容を、2000文字できちんと書くのって思っている以上に難しいです。よく考えると普通の人には荷が重い。僕だってこのnoteを必死になって書いています。
だれでも国語や文法を習ってきたわけですから、「きちんとしたルールに則らなければ文章じゃない」みたいな空気もあるじゃないですか、ネットには。誤字脱字なんてあると鬼の首を取ったようにツッコまれます。
でも、こと「話す」ことに関しては、普段から皆さん、けっこういい加減に話しています。「文法通りに話さないといけない」なんて誰も思っていないし、人の話した言葉の文法なんて気にしないですよね。
ですから、文体とか用字用語とかに気をつかわず、気楽にアウトプットできる点では「話す」ことはすごく効率がいいんです。
では一方で、動画はどうか。これは実は大変です。撮影する場所を用意して、わかりやすく編集して、変なものが映りこんでいないかどうかを確認して、女性だったら化粧もして、何ならテロップも入れたりして…。一気に重くなってきます。
なので、アウトプットとしての音声というものはすごくコストが低いし、軽く発信できるので、いろいろな話題を投げかけられる。
Voicyの人気パーソナリティも、一番のリスナーは自分
PodcastでもVoicyでも、目の前の誰かに話すのでもいいですから、毎日何かひとことずつ発信するような癖をつけると、それが貯まり貯まって、自分のアウトプット総量になっていきます。
音声メモだっていいですよね。スマホで文字を打つよりも全然楽だから、どんどん残せるはずです。
Voicyで人気のパーソナリティさんも、一番のリスナーは自分だったりします。つまり、皆さん、自分の過去の発信をすごく聞いているんです。自分の発信を聞いて、「わたしはこんなことを考えていたんだ」と感じて、またそこでインプットしてもう1回咀嚼をする。そうして血肉になっているから、「Voicyをやってよかった」とすごく言われます。
とはいえ、普通の人がいきなりVoicyのパーソナリティになれるわけではありません。「しゃべってアウトプットをしよう」と言われたとき、どうすればいいのか。
はっきりいいます。Podcastだったり、stand.fmだったり、いろいろなサービスがあるので、そういうもので、できるだけいろいろとアウトプットをやってみることです。
それである程度自分のインプットとアウトプットによる成長サイクルが実感できるようになったら、ぜひVoicyにもチャレンジしてもらいたいと思います。
1人でアウトプットする練習のレベルを超えたら、ぜひともVoicyでいろいろな方にそれを聞いてもらってほしい、という話は前もしましたよね。
まとめに入ります。
インプットすることはもちろん大事です。でもそれを活かすのはあなたのアウトプットです。何かを発信する時間がないというのなら、「声」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
実際にどんな人たちが、どんなふうに発信しているのか。まずはVoicyを聴いてみてください。きっと参考になると思います。
ーー最後まで読んでいただきありがとうございました。
声の編集後記
記事の執筆後に、これまでのことを振り返って音声でも話しています。よかったらこちらもお聞きください。
話すアウトプットについては、11月30日に本も出しました。『新時代の話す力』というタイトルです。ここでは、「聞き手」を意識したアウトプットまで踏み込んで書いているので、よかったら読んでみてください。これ一冊で仕事のパフォーマンスも人間関係もかなり向上します。