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幸運の鍵 第1137話

《令和6年7月14日(日)》

今私達は、いかに最低限のコストで最大限の効果を出すか、効率を重んじる社会で暮らしています。特に民間企業で働く人にとっては、労働生産性は企業存続の柱であり、一人が稼ぎ出す利潤の最大化を日々追求しています。その風潮は、結果さえ出れば良いとする考えに繋がり、過程での愚直さや真面目さ、真摯な取組み方などを軽視する風潮に陥っていないでしょうか。江戸城無血開城を成し遂げた幕末の幕臣、勝海舟は次のように言っています。

「事を成し遂げる者は愚直でなければならぬ。
才走ってはうまくいかない」

いかに結果を出すのか、結果重視の考え方でいると、人はつい才走ってしまうものです。そして、それが評価され企業の中で出世していくと、結果のためには手段を選ばず…という、危ない道に迷い込んでしまう危険性をはらんでいます。

例えば受験の時に確実に合格するためには、1から100までコツコツと勉強することが大切ですね。しかしなるべく楽をして合格しようと考えると、出題されるであろう所に山を張って、10分の1の努力によって合格という成果を手に入れようと画策するものです。それで成果を上げることも可能ですが、怖いのはそういう成功体験を得ることによって、人生のいかなることも効率よく、いかに楽に成すべきかを考えてしまう心の隙を作ってしまうことなのです。勝海舟のこの言葉は、過度に結果を追求しがちな現代人に、物事に取組む際の忘れてはいけない基本的な姿勢について考えさせてくれます。

今日も読んでくれてありがとう!今日も皆さんに、たくさんの幸運が訪れますように!

数多の若き英霊が海の藻屑となりました。感謝と鎮魂の誠を捧げます!合掌!