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生きること(復職日記5)
台風のせいだったのか、奇跡的に休みだった昨日は、また何度も昼寝した。
昼寝するたびに壮大な冒険物語の夢を見て、続きが気になるっ、というところで目が覚めて、もう一度続きを見させてください…と願うもむなしく、また別の冒険をさせられる、という具合だった。
昨日は同居人氏1、2も休みだったから、3人で朝ごはんを食べて、そのあとそれぞれダラダラして、また3人で夕飯を食べて(休日は昼ごはんなしのことが多い、朝ごはんが遅いので)、ダラダラした。
2人はだいたい動画を見ており、わたしはだいたい眠っている。
夕ごはんのあと、またわたしがうとうとしていたら、同居人氏2が突然、
コンビニに行ってくる!
と宣言した。どうやら同居人氏2は、台風とか雪とか、特別な天気に興奮するたちのようで、何年か前の雪が降った冬のある日も、ベランダで積もった雪を踏み締めて小躍りしていた。
コンビニ行ってくる宣言が飛び出した時も、雨がびゅうびゅう、風がびゅうびゅう吹いており、いかにも台風きています、の天気だった。
ほんとうに行くの?大丈夫?
というわたしと、
ピザポテト買ってきて〜
という同居人氏1。
同居人氏1は基本おおらかなのである。心配性のわたしとは、心構えが違う。
結局、同居人氏2は、雨風びゅうびゅうのなかコンビニへ行って帰ってきた。
その顔には謎の達成感があったように思う。
同居人氏2がたくさん買ってきてくれたお菓子と甘いもので、台風のさなかお菓子パーティーが開催された。
3人とも夕ごはんを食べたあとだというのに、同居人氏1、2はスナック菓子を、わたしはプリンをぱくぱく食べた。
通り過ぎてゆく台風の雨風の音を聞きながら、たわいもない時間を過ごすのは、なんだか、良かった。
お菓子パーティーを終えて、また各々のダラダラタイムへ。同居人氏たちは、本当によく動画をみている。アニメみたり、映画みたり、TikTokみたり、なんか若者〜と思う(3人とも同世代です)。
わたしは相変わらずトゥーンブラストで爆弾やらミサイルやらをぶっ放してブロックを壊して、クリアできなくて飽きて、課金しそうになりながらそれを我慢していたり、していた。
こういう、なんてことのない日が、積み重なっていく。
これでいいのかな、と思うときもある。
でも、これでいいのかな、と思うとき、その「これでいいのかな」は、自分の言葉じゃない場合があったりするから、注意だ。
それは、誰かの言葉を自分の言葉にすり替えてしまっているというか、見えない誰かの、見えない誰かの集合体の「社会」の、ささやきかもしれないから。
でも「社会」は、ほんとうは、有象無象が集まって、別々の方向を向いている人が集まって、ひとつに見えるけれどほんとうはてんでバラバラで、だから我が家の日常だって、「これでいいのかな」なんて、思う必要は、ないんだと思う。
「これでいいのかな」は、強力だから、たまに負けそうになるし、結構負けてる。
「これでいいのかな」は、簡単に「これじゃだめだ」になる。
でも、そういうときこそ、目を瞑って、聞いてみる。
「これじゃだめだって、誰が言ったの?」
すると大抵、誰も言ってないのだ。
誰も、わたしたちの日常を、だめだなんて、言ってない。
それなら、自分で自分に鞭打つ必要もなかろうよ。
生きるってたぶん、こういう、ちいさな積み重ねの、ちいさな連なりの、集合体なんじゃないかなあと、最近思っている。
地味で上等。
また台風の日にお菓子パーティーしよう。
そんな日々を送れたらいい。
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