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詩作

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#今日の詩

詩07 まぶしい

詩07 まぶしい

まぶしい
世界がまぶしい
幼子の喃語がまぶしい
公園の嬌声がまぶしい
走り去る後ろ姿の
ほっぺたの稜線がまぶしい
まぶしい
帰りたくないと
泣きじゃくる声がまぶしい
まぶしい
世界はまぶしい

どうかすべてが
すこやかでありますように

詩06 くしゃくしゃ

詩06 くしゃくしゃ

晴れた日に
掛け違えたボタンを

ひとつふたつ
掛け直して君は行く

雨の日に
外れかけたボタンを

ひとつふたつ
数え直すぼくがいる

ぼくはまだ
くしゃくしゃのパジャマ
ぼくはまだ
見送ったまま
ぼくはまだ
毛布をたぐる
ぼくはまだ
くしゃくしゃのままだよ

詩05 つなわたり

詩05 つなわたり

境界線に乗っかって
どこに行けるか歩いて見ていた
右の方に落っこって
その先はまたくらやみのなか

ぐーるぐーるぐーるぐーる
ぐーるぐーるぐーるぐーる

境界線に乗っかって
どこに行けるか歩いて見ていた
左の方に落っこって
その先はまたくらやみのなか

ぐーるぐーるぐーるぐーる
ぐーるぐーるぐーるぐーる

見えるのは青空 だけ
見遣るのは もう飽きた
見えるのは青空だけ
見遣るのは もう飽きた

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詩作 街の日

詩作 街の日

街の日

東京は
誰もいない道を探すほうが
むずかしい

よつかど よつかど
どこの角にも人がいて
自転車を漕いだり
連れ立って歩いていたり する

誰もいない
誰もいない手触り
誰もいない道を
思い出す

草いきれ
燃す田畑
堆肥 羽虫
空回りする車輪
止められない歌声

全部
思い出す
誰もいない手触り
忘れたくない思い出
忘れられない思い出

誰もがいるこの場所で
誰もいないあの道を
撫でさ

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