世界経済後退の中で資産形成をする方法
1.世界経済後退とは何か?
1-1.世界経済後退の現状と影響
世界経済後退の現状と影響
新型コロナウイルスの感染拡大やウクライナへのロシアの侵攻などにより、世界経済は大きな打撃を受けています。世界銀行によると、2023年には多くの国が景気後退に陥る可能性が高く、世界の成長率は3.2%に低下すると予測されています。
また、原油や食料などの商品価格の高騰や供給不足により、インフレーションが急上昇しています。国際通貨基金(IMF)によると、2022年の世界のインフレ率は8.8%に達し、40年ぶりの高水準となると見込まれています。
このような状況下では、所得や購買力が低下し、生活費や教育費などの支出が増えるため、資産を守ることが難しくなります。また、将来の不確実性やリスクも高まります。
1-2.資産形成の重要性と目的
資産形成とは、単にお金を貯めることではなく、お金を有効に活用して増やすことです。資産形成をすることで、インフレーションや景気変動に対する耐性を高めることができます。また、老後や子供の教育などの目標を達成するためにも必要です。
資産形成をする目的は人それぞれですが、一般的には以下のようなものが挙げられます。
生活水準の向上
安定した収入源の確保
財政的な自由と自立
社会的な貢献や遺産
資産形成をするためには、自分の現状や目標を明確にし、適切な計画と実行が必要です。また、自分に合った金融商品を選ぶことも重要です。
2.資産形成におすすめの金融商品3選
2-1.インデックスファンド
インデックスファンドとは、特定の株式指数や債券指数などをそのまま追従する投資信託のことです。インデックスファンドのメリットは以下の通りです。
分散投資ができる:インデックスファンドは多数の銘柄を含むため、個別の銘柄に依存しない安定したリターンが期待できます。
手数料が安い:インデックスファンドはアクティブファンド(運用者が積極的に売買する投資信託)よりも手数料が安いため、長期的にコストパフォーマンスが高くなります。
パッシブ投資ができる:インデックスファンドは市場全体に連動するため、個別の銘柄や時期を選ぶ必要がありません。定期的に積み立てるだけで良いため、手間がかかりません。
インデックスファンドは世界各国で人気があります。例えば、米国ではS&P 500(米国株式市場全体を代表する指数)やナスダック100(米国最大規模の電子取引所であるナスダック市場上場企業中上位100社から構成される指数)などが有名です。香港ではハンセン指数(香港株式市場全体を代表する指数)やハンセン中国企業指数(香港株式市場上場中国企業中上位50社から構成される指数)などがあります。
2-2.仮想通貨
仮想通貨とは、インターネット上で発行される電子的な通貨のことです。仮想通貨のメリットは以下の通りです。
高い成長性がある:仮想通貨は新しい技術やイノベーションによって発展しており、将来的に価値が高まる可能性があります。例えば、ビットコイン(仮想通貨の代表格)は2009年に誕生して以来、約1000万倍以上も値上がりしています。
国境や政府に制約されない:仮想通貨は中央機関や政府に管理されていないため、国際的な送金や決済が容易です。また、政治的・経済的な混乱やインフレーションからも影響を受けにくいです。
透明性と匿名性がある:仮想通貨はブロックチェーン(分散型台帳技術)というシステムで記録されており、取引履歴や残高などが公開されています。しかし、個人情報や実名は明かされていないため、プライバシーを保護できます。
仮想通貨は世界中で注目されており、多種多様なものが存在します。例えば、ビットコイン以外にもイーサリアム(分散型アプリケーションプラットフォーム)、リップル(国際送金ネットワーク)、テザー(米ドルと連動する安定化コイン)などがあります
2-3.不動産投資信託(REIT)
不動産投資信託(REIT)とは、不動産関連事業に投資する投資信託のことです。REITのメリットは以下の通りです。
安定した収入が得られる:REITは不動産から得られる家賃収入や売買益を原資として投資者に配当するため、比較的安定した収入が期待できます。
流動性が高い:REITは取引所に上場されており、株式と同様に売買できるため、流動性が高く、換金性に優れています。
専門知識を活用した分散投資が可能:REITの運用は不動産のプロが行うため、運用の手間がかかりません。また、様々な用途や地域の不動産に分散投資できます。
REITは世界中で人気があります。例えば、シンガポールではS-REIT(シンガポール・リート)と呼ばれるREITがあり、オフィスやホテル、商業施設などに投資しています。ドバイではD-REIT(ドバイ・リート)と呼ばれるREITがあり、イスラム法に基づいたシャリア準拠の運用を行っています。
3.資産形成のシミュレーション
3-1.各金融商品の投資額と期間
ここでは、仮に1000万円を各金融商品に均等に分配し、10年間運用する場合を想定します。また、各金融商品の年間平均リターンは以下のように仮定します。
インデックスファンド:10%
仮想通貨:20%
REIT:8%
※なお、手数料や税金などは考慮しません。
3-2.年別の資産推移と収益率
上記の仮定に基づいて、各金融商品の年別の資産推移と収益率を表にまとめました。
収益率 = (最終資産額 / 初期投資額)^(1 / 運用期間) -1
4.まとめ
世界経済後退の中で資産形成をすることは、インフレーションや景気変動に対抗し、生活水準を向上させるために重要です。 -資産形成をするためには、自分の現状や目標を明確にし、適切な計画と実行が必要です。また、自分に合った金融商品を選ぶことも重要です。
本記事では、インデックスファンド、仮想通貨、REITの3つの金融商品を紹介しました。これらの金融商品はそれぞれ特徴やメリットがありますが、リスクも伴います。したがって、自分のリスク許容度や期間などを考慮してバランスよく分散投資することが望ましいです。
シミュレーションでは、各金融商品に均等に分配した場合、10年間で約3.6倍の資産増加が見込まれました。しかし、これはあくまで仮定であり、実際の運用結果は異なる可能性があります。また、手数料や税金なども考慮する必要があります。
今後も世界経済や金融市場は変化し続けるでしょう。その中で賢く資産形成をするためには、常に情報収集や勉強を怠らず、柔軟な対応が求められます。
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