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#note酒場 のUI/UXデザインの裏側

大いに盛り上がったnote酒場、僕はスタートラインから運営側で走って来たのですが、いつもの空間デザイン的な部分ではなく主に裏方と企画+前日搬入とフード&ドリンク準備で動いていました。

その中で、割と褒めていただいたnote初心者マークと1杯おごります券、そしてnote酒場名刺のシステムについて、今日はUI/UX視点からのお話をします。


このプロジェクトのゴールはどこか?

今回のnote酒場の話、元をたどると「note初心者さんへの旅立ちの場所を用意したい」という思いがありました。

そしてnote公式=ゲームメイカーではなく、プレイヤーである数人の有志で立ち上げたことに意味があります。

運営ではなくプレイヤーが主体であるという点が理想的なのは、そこに嘘がないからです。

運営がどれだけ居心地の良さを宣伝しても、そこにはどうしても運営側の利益が見え隠れしてしまいます。協賛や出資を受けるとどうしても宣伝色が出てしまうのとも似ています。

だからこそ今回はプレイヤーのプレイヤーによるプレイヤーの為の居場所を作る事を目指しました。


参加の敷居をどう下げるのか?

さて、ではどうやったらnote初心者さんが集まるのか?

これはもう、ひたすら初心者目線で不安点を潰す方法を議論。

で、一番の懸念点はnote内のヘヴィユーザーが内輪で集まって盛り上がっているように見えてしまう事。いわゆるタコツボ化。

初めて勇気を出して入店して、常連ばかりで盛り上がっていたら.....ツラいですよね。帰りたくなっちゃう。

多くのコミュニティは醸成に伴い多少タコツボ化してしまうのは避けられませんが、コアなプレイヤーが集まると初心者はいきなりハンデのある状態で始まるので参加意識って下がっちゃいますよね?

そこで「初心者歓迎」を通り越して、ひたすら初心者向きのツール類を充実させてフォローアップする作戦をとることにしました。



「寛容さ」をシステム化する

では、どうすれば初心者にも優しい世界観をリアルでも作れるのか?

しかも企画キックオフが開催3ヶ月前。

デザインと製作時間も含めると、システム決めは実質1-2週間しかない。

リサーチに取れる時間がほぼないので、ここはテレホーダイ時代からネットコミュニケーションに慣れ親しんだ自分の知見をフル活用!

というわけで、すでにある初心者救済のシステムを移植する+アレンジする方法を取ることに。そう、初心者マークです。

運転免許証の取得後1年間の掲示が義務付けられる初心者マーク=若葉マークは、実はすでに一部のMMO RPG(ネット上の多人数参加型RPG)でも新規プレイヤーに表示されたりと取り入れられています。

一般的な認知が広く、誰でも初心者が一目でわかりやすい。認知を促すコスト不要で使えるツール、時間もお金もない僕らがコレを使わない手はない!


まず、人は共通点のある人と親近感を感じやすいので、初心者マーク同士であれば仲良くなりやすいですし、会話のきっかけにもしやすい。

もしも会場内でつけている人が一人ぼっちだったら、運営スタッフが優先的に話しかけるための目印にもなる。(実際、ボッチの方には優先的に声がけしつつ、われらがNo.1ホストうすい氏を派遣していました)

また、初心者マークを義務ではなく選択制にすることで、初心者という自己開示をするかどうかを選べるようにしました。

当日は服に貼ってもらいましたが、持ち帰ってPCやタブレットに貼りました!の報告もちらほら。もみじマークver作ってもらおうかな。。。


「コミュニケーションの触媒」を用意する
(note酒場名刺、一杯おごります券)

さて、初心者さん同士の認知アプローチまでは設計できた。

そうなると次は、認知→交流のためのツールが必要になります。

社会人の交流ツールというと名刺が定番!ですが、ここは仕事の場ではなくてnoteユーザーの場。

であれば、名刺に必要なのは何だろうか?
いっそnoteアカウント名だけでよくない?

そんなシンプルな発想で「note酒場名刺」というnoteアカウント名だけの名刺を作ることに。

当初はチケット前売り→アカウント名を確認してこっちで入力して印刷...と思ったのですが、それだと前売り券の締め切りがかなり前倒ししないとキツイので、当日手書きするフォーマットになりました。

他にも交流のネタを仕込みたかったので、参加者全員に「1杯おごります券」を配布することに。

いわゆるバーで美女が「あちらの方からです。」とか言われながらスッと1杯もらうアレですね。アレがやりたかった!

実際は会話が盛り上がったらお互いおごったり、もう1杯飲みません?的な使い方ができたらな、と考えていました。


でもこれ、自分で自分におごってワンドリンク無料で飲む作戦もとれるんです。

そこはnoteユーザーさんはホスピタリティ高いからきっと大丈夫!という性善説で押し通しました。

結果的にはイベント前からこれらの初心者向けツール類の話題が出たことで、参加してみたいけど迷っていた方の背中を押せたんじゃないかと思っています。


次回やるならどうするか?

ちなみに、上記の三種の神器(初心者マーク、奢ります券、ユーザーネームだけの名刺)については僕が1人で考えたわけではなく、うすいさん、竹鼻さんと3人で渋谷のカフェで相談して決めました。

そして、ブレストではそこそこ案出しをしたので実現しなかったボツ案も色々あるんです。

中には今回イベントを見ていて次回に使えそうなネタもあるので、次回ではぜひ試してみたいと思います。


たとえばガチャガチャの筐体を置いてワンコインガチャ(運試し)で頼めるメニューをやりたかったし、スタンプラリーよろしくnote酒場名刺を他の参加者さんと交換して10枚集めると「冒険の書」的なメモ帳プレゼントとかやりたかった。(中野さんデザインのメモ帳、ちょっと...いや、かなり欲しい。)

逆フォロワー割引という、noteアカウントのフォロワー数の少なさに応じて割引が受けられるとかも考えました。が、コレは注文する=お得だから飲んでてガメつく見られたくない!というのも起こりそうで却下に。

狂気バーを始めとしたバーコンテンツをもう少し充実させて、これも本当はテラスに巨大テントを貼って人数限定×時間制でアトラクション的にしたかった。巨大テント借りるの結構コスト高くてあきらめました。

あとは顔出しNGの人をどうするか問題!これは結局、最後まで明快な解決策が出せず。。。仮面配るとかも考えましたが余計目立ちそうだし、撮影禁止&シェア禁止もイベントの性質上難しいし。ここら辺は改善策を練っていかねばです。


総じて予算と箱の都合もあったのだけれど、もう少しゲーミフィケーション的な要素を取り入れたかったですね。

会話の自然発生度を高めつつ、特定の人とだけのコミュニケーションに偏らない工夫は入れていきたい。

ここら辺は次回やるなら改善したいところだし、外が寒かったのもあるけれど喧騒+BGM+立ちっぱなしというのは日頃PCとスマホで生活している勢には少々ガテンすぎたと反省しております。

テラスにレンタルストーブっていう手もあったんだけどね、コストをかけるほどにチケット代も上がっちゃうので泣く泣く我慢。。。


ほんと次回開催するならもっと試したいネタ豊富なので、運営側にご興味ある方で特にUI/UXデザインやりたいって人はぜひお声がけください。

また、良い施策を通すにはお金もやっぱり必要なので、次回は「渉外」と「会計」の担当部門もちゃんと作ろうと思います。

というわけで、 note酒場 2018冬 の振り返りでした!明日から通常更新に戻りまーす。

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