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はすおか船長とえほんの海

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「はすおか船長とえほんの海」では京都で子どもの本専門店「きんだあらんど」を営む蓮岡 修さんによる、まるで絵本の画面が目の前に広がるような、わかりやすく丁寧な言葉での絵本の紹介をし… もっと読む
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記事一覧

【はすおか船長とえほんの海】第8回 父性性の役割

こどもの本専門店「きんだあらんど」店主の蓮岡船長とともに送る、子どもにも大人にも読んでほしい心ゆたかになる絵本のお話。 第8回目は父性とは何か。お父さんとお子さんとの読み聞かせ絵本にこちらの絵本はいかがでしょうか? ・・・・・・・・・・・・ 父性性の役割 父性母性という言葉は一般的に使われていますが、具体的にどんなものと言われると少し戸惑ってしまいます。 母性はお母さん、父性はお父さんというように役割が決まっているものかしら?そんな風に考えてしまいます。 母性は一般的に

【はすおか船長とえほんの海】第7回 5歳からの絵本

こどもの本専門店「きんだあらんど」店主の蓮岡船長とともに送る、子どもにも大人にも読んでほしい心ゆたかになる絵本のお話。 第7回目は5歳頃のお子さんに読んであげてほしい絵本のご紹介です。 ・・・・・・・・・・・・ 秋になりましたね。 この時期は草木も色付き、やがて枯れていくイメージがありますが、本当は冬に向けてたくさんの力を蓄える時期です。 食べ物もより栄養価を高めて種を守り、外の環境に備えて乗り切った後にすぐに成長できる用意を整えます。 まさに希望に満ち溢れた頃。 5

【はすおか船長とえほんの海】第6回 4歳からの絵本

こどもの本専門店「きんだあらんど」店主の蓮岡船長とともに送る、子どもにも大人にも読んでほしい心ゆたかになる絵本のお話。 第6回目は4歳頃のお子さんに読んであげてほしい絵本のご紹介です。 ・・・・・・・・・・・・ 4歳は人生における大転換期を迎える時期です。幼児にとっては、それぞれの年齢、いくつもの一瞬自体がいつも大転換期ではあるのですが、4歳はそれまでの世界が全く違って見えるような転機が訪れます。 それは、「自分以外の人間は他人である」という事実。 他人と言えば少しぶ

【はすおか船長とえほんの海】第5回 3歳からの絵本 守られている存在から、一歩ふみだす時期

こどもの本専門店「きんだあらんど」店主の蓮岡船長とともに送る、子どもにも大人にも読んでほしい心ゆたかになる絵本のお話。 第5回目は3歳頃のお子さんに読んであげてほしい絵本のご紹介です。 自分の足でどんどん新しい世界へ飛び込んでいってしまう3歳頃。 そんな子どもたちの旅のお供になるような絵本たちです。 三つ子の魂百まで「三つ子の魂百まで」という言葉があります。三歳までに受けた愛情や習慣は、一生涯心に宿り続ける。 昔から言われている言葉ですが、これは発達の観点から見ても正しい

【はすおか船長とえほんの海】第4回 2歳からの絵本

こどもの本専門店「きんだあらんど」店主の蓮岡船長とともに送る、子どもにも大人にも読んでほしい心ゆたかになる絵本のお話。 第4回目は2歳頃のお子さんに読んであげてほしい絵本のご紹介です。 2歳頃になるとイヤイヤ期が始まったり自分の意志がはっきりしてくる時期ですね。 お母さん、お父さんとしては大変な時期でもありますが、子ども自身の人生の船出のために進んでいくためには必要なことなのかもしれません。 人生が広がる時期 2歳の時の記憶は?と聞かれて覚えている人は少ないと思います。

【はすおか船長とえほんの海】第3回 1歳からの絵本

こどもの本専門店「きんだあらんど」店主の蓮岡船長とともに送る、子どもにも大人にも読んでほしい、心ゆたかになる絵本のお話。 前回は赤ちゃんの絵本について、少し想像を広げてみました。第3回目は少し進んで1歳からの絵本を想像し考えてみましょう。この時期の絵本との出会いが2歳頃から高まる言語の吸収や情緒の形成を誘導します。 まず、お母さんやお父さんが、その明るい未来を思い描いて、一緒に楽しめるような絵本を考えてみましょう。 初めての芸術との出会いお母さんやお父さんが、わが子の明る

【はすおか船長とえほんの海】第2回 あかちゃんの物語

こどもの本専門店「きんだあらんど」店主の蓮岡船長とともに送る、子どもにも大人にも読んでほしい、心ゆたかになる絵本のお話。 第2回目は最も小さな読者である、赤ちゃんがよろこぶ絵本について 赤ちゃんは、生きるために全神経を集中させ、自分を守ってくれる人を探し、世界を理解しようとします。脆弱な存在であるからこそ、本能で微笑みを浮かべ、欲求を分かりやすく泣いて知らせ、心が落ち着くととにかく体を休めて成長をする。そんな赤ちゃんや幼児が楽しいと思うものは何でしょうか? 赤ちゃんが好

【はすおか船長とえほんの海】第1回 絵本屋が語る「絵本とは何か?」

こどもの本専門店「きんだあらんど」店主の蓮岡船長とともに送る、子どももおとなにも読んでほしい心ゆたかになる絵本の選び方のお話。 今月から一年間にわたり、月一でお話ししていただきます。 皆さんよくご存じの絵本。 それぞれに大好きな絵本もありますよね。 「昔読んでもらった」「読んであげたら喜んでもらえた」「心が穏やかになった」など、さまざまな絵本の思い出を楽しい体験と共に記憶しておられると思います。 お子さんと一緒に絵本を読むことを日課とされているお母さんは、すでに絵本が持