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『実践と創造を導くコミュニケーションツール「パターン・ランゲージ」』を読んで考えたこと

こんにちは
イデアレコードの左川です。

どんな組織でもコミュニケーションに関する課題や悩みは尽きないと思いますが、リクルートワークス研究所の出す『実践と創造を導くコミュニケーションツール「パターン・ランゲージ」(井庭崇氏)』が興味深く、気づきが多かった。詳細は記事を読んでいただきたいが、一部についてかいつまんで紹介できればと思う。

前提としてお伝えしたいのが、「コミュニケーションは不確実なものである」ということです。
人は言語で自分の考えを表現し、相手に受け取ってもらうことでコミュニケーションを図ろうとします。ところが言葉という媒介物には制約があり、考えたことを直接表現することは難しいのです。また相手の側も、自分の言葉を意図通りに理解してくれるとは限りません。つまり、言葉によって自分の意図を正確に伝えられるという考えはほとんど幻想に近いといってもいいでしょう。そのため、まずは、「意図通りにコミュニケーションできる」という思い込みを捨てて、「コミュニケーションは不確実なものである」と考えた上で、でも、うまくコミュニケーションをとることを心掛けることは諦めない、ということが大切です。

『実践と創造を導くコミュニケーションツール「パターン・ランゲージ」(井庭崇氏)』より抜粋

「コミュニケーションは不確実なものである」というのは当たり前のように見えて、実感としては染みわたっていないケースが多いと思う。よく研修でも伝達ゲームを通して人を介すごとに情報が湾曲していくのを体感するようなものも多々あり、課題感としてはあるけれど、いざ自分が当事者として考えられているかというと「自分は大丈夫」と根拠なく考えがちである。

特に管理職と一般社員では土壌も視座も違ったりするので一層の考慮が必要だったりするが、忘れがちなので、管理職研修などでも伝えるぐらい繰り返しリピートしていかなければいけない事項である。

ここで大事なのは、パターン・ランゲージはマニュアルではないということです。たとえばおもてなしについて、「お客さまから○○と言われたら××と答える」とマニュアル化して教えると、そんなの、もうおもてなしとは呼べないですし、少しでも状況が変わると応用もできません。また、「あなたなりのおもてなしをしてください」のように抽象的に理念を言われても、ほとんどの人はどうやって行動すればいいのか迷ってしまうでしょう。
そうではなく、この具体的指示と抽象的理念の間のレベルが重要なのです。そのレベルを私たちは「中空の言葉」と呼んでいるのですが、パターン・ランゲージでは、ほどよい中間レベルの抽象度で、実践のコツを書くようにしています。

『実践と創造を導くコミュニケーションツール「パターン・ランゲージ」(井庭崇氏)』より抜粋

人手不足が深刻になる中、アルバイトやクラウドワーカーに業務を依存する割合は増えていくだろう。そうなったとき、最初に実施されるのがマニュアル化だ。誰がやっても同じ判断/結果となるようにするためにマニュアルは重要なものであることは間違い。だが、今後はその業務範囲も拡大せざるを得ないことが予想されるが、そうなってくるとケースごとに考えないといけない事項も自ずと増えてくる。

そうなったときに問われるのが「パターン・ランゲージ」となるに違いない。もちろん誰もがすぐに実践できるものではないため、レクチャーやフローが必要となるだろうし、場合によっては業務自体を調整して落とし込めるようにしていくこともあり得るだろう。

結局のところ、コミュニケーションが上滑りするのは、実践を伴わない、コストがほぼゼロな状態で情報だけをやりとりするからです。実践を伴うコミュニケーションは、実際に実践をするという重みの分、軽率なコミュニケーションが生まれにくいのです。実際に実践すれば、元の投稿者の実践へのリスペクトと、それを共有してくれた感謝の気持ちも生まれますしね。

『実践と創造を導くコミュニケーションツール「パターン・ランゲージ」(井庭崇氏)』より抜粋

むしろ机上の空論とならないようにすると同時にリスペクトを生み出すため、「実践をするという重み」を課すような形にすることが重要であろう。これは社内でのコミュニケーションはもちろんのこと、BtoB、BtoCにおいても言える。

そんなわけで、採用や人事だけでなく、社内コミュニケーションやサービス、サポート等にも大きなエッセンスとなるので、興味のある方は是非!


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