魅力的な人材は魅力的な人材に集まる
今朝の日経を読んでいたら、今年の企業の内々定が早まっているとあった。
いつもは他人事だったが、今年は息子が就職活動中だったので
内々定が早かったというのは肌で感じていた。
93%の企業が売り手市場だと回答し、8月時点で採用予定者を確保できていない企業は6割にのぼったという。
「売り手市場」
そう言えば私の就職活動中はバブル真っ最中で、まさに「売り手市場」。
今の大学生には申し訳ないくらい就職活動は楽だった。
同じ「売り手市場」とはいっても、バブル期のそれとは違うと思う。
もちろん
優秀な学生を大勢確保したいという企業の思惑は変わらないだろうが
あの頃は大学のネームバリューが重要だったし、何より採用人数は大量だったと思う。少なくとも金融会社はそうだった。
学生はといえば、同じく企業のネームバリューで就職先を決めていた部分が多かったのではないか。
終身雇用はあたりまえ、ヘッドハンティングなんていう言葉も出てはいたけど、大きな企業に勤めて、そこで定年を迎えて・・・なんていう事を考えていたんだと思う。
今の「売り手市場」はどうだろう?
大企業に勤めても右肩上がりの成長なんて望めることもなく。というよりも、今、問題を起こして世間を賑わしている多くは日本を代表する大企業だったりする。
今の「売り手市場」は、学生がちゃんと企業を見て選んでいる部分が多いと思う。仕事の内容だったり、やりがいであったり、待遇面であったり。ネームバリューだけで就職先を選ぶ時代ではない。
それどころか
本当に優秀な人材は、企業に勤めることなく起業してしまう場合もあるわけだ。
大学時代にブラジルに留学していた方の話だが、ブラジルでは優秀な大学生は就職するのではなく、起業するという風潮だったそうだ。もう30年以上も前の事なので、今のブラジルがどうなのかはわからないけれど、なんともブラジルは進んでいたわけだ。ようやく、日本もそうなりつつある。
いつの時代も企業は魅力的な人材が入社してくれることを望んでいる。
だから
魅力的な人材が面接に来てくれることを期待し、その中から選ぶ。
でも
自分達が選ぶ側だとずっと思って胡坐をかいていたら、そのうちその企業には魅力的な人材は集まってこないだろうな。
今の学生はちゃんと見ている。
この企業は魅力的かどうか。
そして、どこに魅力を感じるかといえば、やっぱりそこで働いている人たちだと思う。もちろん、仕事内容は重要だ。でも考えてみれば、魅力的な仕事は魅力的な人達から生まれる訳だし、そういう人たちが集まった企業は外から見ても魅力的だと思う。
言い換えれば、
どんなに大企業でも、そこで働いている人たちが魅力的でなければ、その中に入って仕事をしたいとは思わない。どんな仕事でも動かしているのは人。コミュニケーションを取りながら何かを生み出していく。毎日コミュニケーションを取る人たちが、輝きを失って社畜のように働いているだけだったら、どう考えても自分が幸せになるとは思えない。
まぁ、大学生がインターシップや面接でそれを見抜けるかどうかは別として。
結局、
魅力的な人材が欲しければ、まず自分たちが魅力的な人間なのかどうか?を考えるのは案外有効なやり方だと思う。
「俺たちが学生を選ぶ」というのはそのうち幻想になるかもしれない。
実は
「俺たちが学生から選ばれてる」という時代になっているのかも。
多くの新しい職業が誕生してきている。
「仕事に就く」もありだけど
「仕事を作る」というのも当たり前になってきている。
そんな中で、魅力的な学生を確保するって
結構大変だなぁと今日の新聞を読んだ感想。
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