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僕の読書遍歴①<幼年期~高校生>~自己紹介~

ベトナムで生活していると、どうしても紙媒体の日本語に触れたくなる。

先日、久しぶりに東野圭吾氏の文庫本を読んだ。ベトナムに来てくれた彼女が飛行機で退屈しのぎに買ったものだったようだが、それをもらうことができた。

久しぶりに手に取った文庫本は東野圭吾氏とはいえ、うれしいものだった。

趣味は読書とはいえないけれども、僕は本を読むことが好きだ。

「本棚を見ればその人の人となりがわかる」という。

僕もそう思う。自己紹介がてら僕の読書遍歴を振り返ってみたくなった。

僕の母親は「字を見ると頭が痛くなる」といって本を読まない人だった。字を見ると言ったらせいぜい新聞と旅行会社から送られてくる旅行の案内のパンフレットくらいだと記憶している。

それにもかかわらず、僕は小さいころから本に囲まれていた。

母親は教育に熱心だったのか、無関心だったのかは知れないが、本だけは買い与えてくれたし、実家や親せきから多くの本をもらってきてくれた。

母親は幼稚園の僕に(というより3歳年上の兄に)少年少女用の世界の名作シリーズをひと月に1冊ずつ買い与えてくれた。

ちなみに父親はひと月に1冊漫画を買ってくれた。「キン肉マン」やら「キャプテン翼」など自分が読みたいものを子供にかこつけて買ってくるような感じだった。

小学生の低学年から世界の名作シリーズを読み始めた。

好きだったのは、思い出せるだけで「ロビンソン・クルーソー」や「15少年漂流記」「恐竜の世界」「家なき子」「ペリーヌ物語」など。(冒険ものがすきそうで、しかし、印象に残っているのは全部食事のシーンだ。十五少年漂流記の「ウミガメのスープ」とかロビンソン・クルーソーの「干しブドウ」とか家なき子の「せっかく母親がパンケーキためにバターを買ってきてたのに、突然帰ってきた父親にバターを全部取られて作らされたスープ」とか)

そうこうしているうちに、親せきから世界の偉人伝のようなものと、世界の名作シリーズでも小学校高学年から中学生くらいまでが対象のようなもう少し歯ごたえのある名作シリーズをもらってきてくれた。偉人の伝記もかずかず読み漁った。

学校の図書室では江戸川乱歩シリーズやシャーロックホームズシリーズを借りあさった。将来は探偵になりたいものだと思っていたものである。

しかし収入的に現実的ではないと感じた小学生の僕は国家権力をもって捜査をし、真犯人を暴き出す方向を目指すことにした。

小学生で家の本を読み漁り、揚句に父親の蔵書にも手を出し始めていた。父親が家で本を読んでいるところは全く見たことなかったが様々な小説を買っていた。どうやら、通勤や出張のお供に購入していたらしい。

「スローカーブを、もう一球」などのスポーツものや「幻魔大戦」などのSFを好んで読んでいた。

兄は僕とは違って本を読むことはほとんどなかった。兄が本を読んでいた記憶は読書感想文用の星真一氏の「ボッコちゃん」くらいだ。

小学生5年~6年生くらいにはクラスで宗田理氏の「ぼくらシリーズ」が爆発的に流行し、借りて全巻読破した。新刊が出たら買ってすぐに貸してくれる親切な女子がいたので助かった。

しかし、中学になると僕は活字に急に離れた。読書よりも部活と勉強に一生懸命だった。どちらも楽しかったからだ。映画や音楽にも時間を費やした。ゲームもよくやった。少ない小遣いは漫画に費やした。

しかし、たまに父親が自分が読んで面白かったものをまわしてくれて読んでいた。「ジュラシック・パーク」など映画で見るよりもはるかに面白かった。

今ふと思ったが、その当時は自分で本を買ったことがなかった。本は買い与えてもらうものや借りるもので、自分の少ない小遣いを本にまわずことができなかったということと、興味のある本がなかったのだろう。

最初に自分の小遣いで購入した本は中学3年生のときだ。買った本は「中国古典百言百話8 十八史略」だった。ハードカバーで1500円くらいした記憶がある。当時の僕のひと月の小遣いは500円。3ヶ月ためてやっとかえた。

なぜか、孔子や孟子、荀子、老子や荘子、韓非子など中国の古典に興味がふれていた。

小遣い3ヶ月分は非常におもい。僕は毎日大切にページを繰った。一文一文大切に読んだ。我ながら少し変わっている。

中学3年生から高校1年生のお金のない僕は、近所の大型書店に休みのたびに行き、ハードカバーで並ぶ中国古典や兵法書などうっとりとして見つめ、店員の目を盗んで立ち読みをするという生活をしていた。誰の訳だったかおぼえていないが、宮本武蔵の「五輪の書」を店員がいない間におそるおそるカバーをとって中身を読んでいた時など最高にスリリングだった。

そんな高校1年生になった僕は、小遣いも1000円と少し増えた。

僕が次に買った本は守屋洋氏の「諸葛孔明の兵法」だった。これも2000円から3000円くらいしたような気がする。カバーに入っていて重みが違う。

十八史略と同じシリーズの「中国古典百言百話(1)菜根譚」と迷ったが「諸葛孔明の兵法」を選んだ。

(なお、「中国古典百言百話(1)菜根譚」は大人になり文庫版を手に入れた。本当ならハードカバーで全巻そろえたい)

「諸葛孔明の兵法」も毎日喜んで読んでいた。

こんなことを書いているとどんな変わった文学野郎だったのかと思われかもしれないので念のため書き添えておくが、僕は中学時代はサッカー部、高校時代はラグビー部というバチバチの体育会系だ。

少しそこから変化したのは高校2年生の夏休みくらいからだろうか。

高校2年生でクラスに転校してきた二人の女子になぜか「図書室に案内して」と言われて案内したことがある。夏休み前のことだ。

僕も高校で図書室に行ったことがないので、どんな蔵書があるのか興味があったのでその2人の転校生ともう一人のクラスメートの計3人の女子をひきつれ図書室へと案内した。

案内すると早々に「ここだよ」といい、3人をほっぽって中国古典の棚にまっしぐらにいった。

数々の中国古典思想の本に感嘆し、にやにやする高校2年生(ラグビー部)。誰も読んでいないであろうかび臭い本を2,3冊手に取り、やはりにやにやしていた。

「いいじゃん」とつい口に出た。ただ、それから図書室に言った記憶はない・・・・

そんな風に棚を眺めてにやにやし、本を手に取ってにやにやしていたところに転校生の一人があらわれて「こんなのがすきなの?」と言われた。

「うん」と簡単に応えたが好きなものは仕方ない。

少し恥ずかしかったが、それと趣向が変わったのは別の話。

夏休み前に課題の読書感想文の参考のためか、新潮社か講談社かどこかの出版社のだしている高校生向けの様々な小説の案内の冊子が配られた。

それを斜め読みしていたらどうしても読んでみたい本が見つかったのだ。小説の案内文というかコピーというか、それが抜群に僕の琴線に触れたのだった。

予想以上に長くなったので、ここで一度区切ります。

次回もかけたらいいな。








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