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売った後が大切なのに…顧客放置戦略をとってませんか?

売った後こそ、大切なのに…。
そう思うことがあります。売り込むためには色々手を尽くすのですが、一度売れてしまうとその後は別の売り込みに気持ちが移ってしまっているようなのです。家電でも自動車でもそうなのですが、購入前には消費者はいろいろ調べて比較検討して商品を決定していると思うのです。

しかし、当該商品のカタログを一番真剣に読み込んでいるのは、実は商品を購入した後だ、と聞いたことがあります。消費者は高額品であればあるほど、自分の判断(商品の決定)が正しかったのか不安になるようで、「判断は間違っていなかった!」との確認をするためにカタログを精査しているのではないか…とのこと。さらに、実際に使ってみて、「想定していたのとは違う」「使っていてちょっと違和感がある」などの感想を持つこともあります。但し、使い方が間違っている場合もあるかも知れません。

こういった点を考えると、売った後の対応の重要性が分かります。百貨店個人営業でマネジャーをしていた時には、メンバーがお客様に商品を販売した場合、その翌日に必ず電話して次のようにお話しするように指導していました。

「昨日は、お買い上げありがとうございました。とても良いお買いものをされましたね。何か不具合などがありましたら、お気軽にご連絡ください。」

大半のお客様はこの一言で安心して、お買い物に満足頂けるようです。しかし、たまに「この商品は…」とご不満を述べられる方もいらっしゃるのです。その場合には、当該売場の担当者とも連絡し、その不満の要因を取り除きます。本当に商品に不具合がある場合もない訳ではありませんが、ほとんどの場合には誤解とか不理解が多かったです。でも、いずれにしても、我々の対応によってお客様の満足度は高まるのです。

売った後にお客様に何ら対応しないで、お客様が不満を抱えたままの場合でも、多くの方は担当者にその不満を漏らすことは実は少ないようです。不満を抱えたままで結局疎遠になってしまう。こうした顧客は離反していくのです。

介護福祉機器メーカーの販売促進のお手伝いをしている時にも、こんなことがありました。それなりに高価な商品だったのですが、代理店経由での販売だったので、直接顧客接点を持つことにためらいがあったため、販売後のフォローをしていませんでした。しかし、よくよく聞いてみると代理店もフォローしていない。メーカー側の担当者も「販売してから何年も経っているので、既に故障してしまっていたり、使われなくなっていたりするかも知れない。」とのこと。こうした懸念があったため、一度代理店経由で販売した商品の利用状況をサンプリングしてヒアリングしたことがあったようなのですが、やはり故障していたり、既に使われなくなっていたり…という状況だったそうです。不満を持ったままでは、次のお買い上げには絶対につながらないのです。

売った後こそ、大切なのです。
売った後のフォローをちゃんと行動基準とすること。こうした細やかな活動をちゃんと評価する仕組みを整備すること。これがロイヤルカスタマーの獲得・育成には不可欠なのです。

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