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障害福祉事業のリスク管理・防災・BCP

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障害福祉サービス事業・介護事業におけるBCPの策定と運用について、色々なトピックで解説します。
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2022年3月の記事一覧

守る対象の守り方を考えてみる

守る対象の守り方を考えてみる

令和6年度から策定と運用が義務化された介護事業と障害福祉事業のBCPは、業界・業種が似ているから同じ方向であるとは限りません

ネット上に多くのBCPのひな形や参考資料などが公開されていますが、それらひな形などのとおりにBCPを策定し、運用していませんか

そのようなBCPでも決して悪いことはありませんが、方向性を間違えると、災害などの事態が発生した時に使えないBCPになってしまいます

今回は、

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BCPは使えない?約4割が役に立たなかった

BCPは使えない?約4割が役に立たなかった

令和2年に厚生労働省から社会福祉施設等におけるBCPの有用性に関する調査研究結果の記事が出ています
その結果記事には、全国の社会福祉施設等7,986施設のうち、災害等の被災時にBCPが ”ほとんど役に立たなかった” 、”まったく役に立たなかった” と回答した施設等が約42%もあったそうです
 参考資料:社会福祉施設等におけるBCPの有用性に関する調査研究事業(PDF)

もちろん、約58%の施設等

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BCPの策定と運用に組織(チーム)が必要か

BCPの策定と運用に組織(チーム)が必要か

BCPの策定はネットなどで公開されているひな形を活用すれば、必要最低限のBCPであれば事業主一人で策定可能かと思います
 参考サイト:中小企業庁BCP策定運用指針(入門コース)

しかし、介護事業や障害福祉事業、医療事業などは社会ニーズが極めて高く、利用者の生命や生活に大きく影響する事業であるため、BCPの必要最低限の範囲は広く・多くなります
また、策定だけでなく、その後の運用(教育研修、訓練、資

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想定事態と想定被害を考えるためのポイント

想定事態と想定被害を考えるためのポイント

BCPを策定する作業においては、 ”想定される災害等の事態” と ”事業に影響を及ぼす被害” を考察して整理する必要が出てきます
ネットなどで公開されているBCPのひな形の多くには、想定される事態と被害の項目が最初の方で明記するような様式になっています

”それでは、想定される事態を考えよう!” と始めてみると、大地震や洪水などの主だった災害が挙げられることでしょう
ですが、あなたの事業に被害を及

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BCPの目的を明確にするポイント

BCPの目的を明確にするポイント

BCPの策定を始めるとき、最初に考えるのが「目的」となります
すでに目的を定めて策定作業を進めている場合でも、この目的の設定に問題があると策定作業が迷走する可能性があります

今回は、BCPの目的を明確にするためのポイントを解説します
その前に、言葉の整理をしておきます

「目的」とは、最終的に目指す到着点

「目標」とは、目的に向けてなすべきことを具体的に定めたもの

目的が「点」であるのに対し

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BCPの運用は平時の経営ツール

BCPの運用は平時の経営ツール

自然災害等を想定したBCPや新型コロナウィルス感染症発生時のBCPなどの解説に出てくる言葉に「運用」というものがあります

今回は、「BCPの運用」について解説してみます

■ BCPは非常事態時だけのものではない結論としては、BCPの運用の根本は、日ごろからの事業運営・経営と異なりません

BCPを策定際は、災害等の発生や新型コロナウィルス感染症の発生など、想定した非常事態が発生した時に、どのよ

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効率よくBCPを策定する3ステップ+2ステップ

効率よくBCPを策定する3ステップ+2ステップ

「これからBCPを策定するぞっ!」と、やる気がでたものの、どこから始めたらいいのか迷ってしまうことがあります

とりあえず分かりやすい部分や簡単にできそうな部分から始めたくなりますが、策定が進むにつれて何がなんだか分からなくなるというスランプ状態になることもあります

この記事では、効率よく策定を進めるための方法について説明します

■ 大・中・小の3ステップで考えるその方法ですが、まずは、大 →

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