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職場で毒霧を吐くひとたちへの対応

職場でグチや文句、他人に対する誹謗中傷といった攻撃(口撃)をくりかえして止まらないひとが、まれにいる。

願わくば距離をおいてお近づきになりたくないところだ。ただ、不運にも同じ部署になってしまい、グチや文句に付き合わないといけない状況のひともいると思う。

グチや文句が厄介なのは、自分に向けたもののように感じてしまう人間の防衛本能が作動するところだ。第三者に向けたグチや文句でも、わがことのように感じてつらくなる。つまり、自分が攻撃されているのと変わらない。そこにストレスを感じる人はわりと多い。

一方、グチや文句をいう人は、そういう相手の気持ちに思い至らない。ひとりで言うに飽き足らず、むしろ同調を求めてくることさえある。

では、職場にこういう同僚がいる場合にどう対処すべきか。できれば上司を経由して言動を慎んでもらうように促したいけれども、それで治る人なら周囲も困っていないので、おそらく効果は薄いだろう。自分が攻撃対象にランクアップしてしまうリスクもある。

くりかえしくりかえしグチと文句を言わないと気がすまない人は、自分の中にわきあがる毒沼のようなドロドロに淀む源泉の存在に気づいておらず、とめどなく噴出してあふれ出ている。毒を吐き出さないと苦しい。

終わりなきひとり相撲、ひとりプロレス。つまりは、じぶんでも毒をコントロールできないでいる。この点が始末に負えないところなのだ。

中長期的に見て、どうにか自分のそばから消えてもらうことを待つしかないのだけれども、「憎まれっ子世のはばかる」ということばもあるので、叶わぬ願いかもしれない。かなしいかな、世の中はそんなに公正ではない。

よって、一次的にやり過ごすためのコーピング(ストレスに対処するために自分ができる行動のこと)がたいせつになる。

ぼくの場合、こうした人種はプロレスでいうヒールレスラーみたいなものだと空想して過ごしていた。「グレート・ムタ」「グレート・カブキ」など、毒霧を駆使するレスラーに、相手を想像の世界で仕立て上げる。

職場でそのひとが遠くにいるときも近くにいるときでも、グチや文句を言ってきたら、内心でこうひとりごちる。

(ああ、今日も毒霧がお盛んですねぇ)

(お、今日はいつにもましてみごとな毒霧ですなぁ)

ひそかにそのひとの名前に「グレート」を冠してもよろしいと思う。

そう見ていると、いつのころからか、その人の顔にヒールレスラーのメイク(極彩色のこうもりみたいな模様)が浮かびあがってくる。ここに至ればただの愉快なキャラクターと化して、憎めなくなってくる。

職場で毒を吐くひとたちを想像で悪役レスラーに変身させる。これが労力がかからずリスクも少なく、かつ愉快に思える唯一の方法だと考えている。

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