見出し画像

ブランコがなくてどうするっ!!

【療育の中で、室内遊具の王道】
それは、
「ブランコ!」
どこの公園にもあって、子どもたちの大好きな遊び。

でも、最近は
「危ないから」という理由で、ブランコを設置されなかったり、
撤去されたりしているらしい。
超悲しい…
今日行った私立の園でも、そうだった…。

今日の午後、療育で
ず――――っと、ブランコに乗っていて、
「ブランコについての魅力を伝えたい!」と思ったので
ちょっとお話します。

八:療育:スイング

赤ちゃんは「重力の方向」を知っている

子どもは、お腹の中の赤ちゃんの時、
お母さんが動くたびに、一緒に揺れています。
羊水の中なので、直接ダイレクトに振動は受けないものの、
重力の方向」は感知していて。

お腹の中では、頭が重いから、
ちゃんと頭を下にして、日常生活を送っています。
8ヶ月くらいまでは、
子宮の中にも余裕があるから、グルグル回ったり逆さになったり。
お腹の中から、その方向を知っている事になるわね。

この重力の方向、身体の傾き、揺れている状況を知る装置が
耳の奥の「前庭」という場所にあります。
(感覚統合療法では、ここをもうちょっと詳しく観ています)

前庭

生まれてから、
ぐずった時に
『ユラユラ~』
眠たい時に
『ユラユラ~』とされると、
気持ちが穏やかになったり、スムーズに寝られたり。

ミャンマー子どものベッド

(↑ミャンマーの家の中の子どもベッド)(↓その中)

ミャンマー子どものベッド2

逆に、
激しく揺さぶられたり、
勢いのあるゴーカートゲームのようなスピードだと、
「ぱっちり目覚める」事になっちゃう。

「揺れ」と情緒、覚醒状態は関係がある

大人に揺らしてもらったり、
ブランコでユラユラすることは、
「情緒の安定や、覚醒(目覚めと寝る)のコントロール」
には欠かせないものなのです。

厳密に言うと、
この前庭神経と脳の情緒をコントロールする部分とつながって、
情緒を安定させています。

その感じ方や満足の仕方は
子どもによって色々
です。

小さいころから
「車酔いしやすいんだよね~」とか、
「ジェットコースター大好き!」とか、
「高い所が苦手💦」とか、
人によって感じ方が違いますよね。

でも、殆どの子どもにとって、
6~7歳くらいにそのピークを迎え、
そこからのそれぞれ変化が出てきます。

子どもは、
ガンガンに自分で漕いで、
「楽しくてたまらない!」
”酔わない”子どもが多いのは、年齢も関係しています。

(私にとっては、そのピークからかなり離れているため、
気がゆるんで、終わったらフラフラだったけど、、、💦)

その「揺れ遊具」を使う事によって、
子どもの「脳」の中では
精神を安定させるような、物質が
ドバドバ出ていて
無意識に情緒をコントロール」してくれています
(↑ここpoint)
だから、子どもは
身体でそれを満たすように動くわけです。

今日も、スーパーで
兄弟で追いかけっこしている子どもたちがいて
「走っちゃダメ!」と何度も言われ、
最後には、ママから怒りのカミナリ⚡を落とされていました。
『分かるわ~、分かるよ!』
思わず、子どもたちに向かって言いそうでしたw
そうやって、抑えきれないエネルギーを身体から発しているのです。

だからだから、
公共の遊び場や保育園に
揺れ遊具がなくて、どうする!!
って、私は思うのよね。

動き回る理由は一つではないの。


発達凸凹さんのお母さんや
保育所の先生から出る『子どもの問題点』として、
「走り回る」
「ブランコをいつまでもやめられない」
「高い所から、飛び降りるのがやめられない」
というのがあります。

そんな子どもは、
他の子どもよりも少し満足するレベルが高い

つまり、
ちょっとやそっとでは、満足できない状況にいる事が多い

でも、
上に書いた子どもたちは、
理由は一つでない事も多々あります。

「見える刺激が多すぎる」
「触られるのがイヤ」
「何を促されているのか、分かりにくい」
他にも理由はあるかもしれない。
だから、ノウハウ、
1+1=2のような、原因はコレ、答えはコレ、という
1対1ではないのです。

ただ、
『前庭感覚(揺れや重力に対する満足度)が
皆と同じレベルでは、足りない』
というのも、落ち着かない理由の一つかも!と知っておいてくださいね。


注意点はいくつかあるけど、
子どもが好きなら、好きなだけ、
ガンガンやらせて、その時の気持ちを聞いてみるといいですね。

そして、その後、日常生活で変わった事はないか、
観てみるのもとても大切だと思います~!!

(子どもによって、さまざまですけど、
より専門的に知りたい!という方は、
お近くの作業療法士にお聞きくださいね。
遊んでいる場面や日常生活の様子を聞くと
アドバイスできる部分もあるかもしれません。)

体力作りや、バランスをとるためにも


画像3

(↑写真は、私の大好きなネパールのブランコ)

子どもは頭で考えるより、情緒や感覚で動きます。
「楽しそう!」「やってみたい!」「面白かった!」
そこには、「無理💦」はありません。

やってみた結果
胴体の部分の筋力や、しがみついている手の筋力、
伸ばす足の力の入れ具合、
漕ぐ時のバランス能力などが
付いています。
とっても大きな効果ですよね!!

でも、覚えておいてください。
子どもは、
その効果を目的にブランコに乗っているわけではありません。
大人が頑張らせて乗せるものではありません。

大事にしておいて欲しいのは、
子どもの「楽しい!」「好き!」という気持ち。
最大の強みであり、武器なのです。
それが、ブランコでなくても、です。
…大人でも一緒ですね(笑)



【多足のわらじを履いてお外に出よう】  ~複業から見える事~ ●Instagram 【お絵描き作業療法士 石本まゆか】  グラレコやお気に入りの本、心に響くコメント描いてます。 ●あなたの想いを綴るナビ〜電子書籍Kindle出版をお手伝い♡