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自信を持つってどんなこと?

保育所訪問でのこと。

A君は、この半年間で、
「他の子を見て、少し動けている」状態で
自主的に行動は難しい子どもさんでした。

でも、
帰り際に
「お!!大きく変わったね!」と思った事がありました。

1.実は、昆虫が好きだった!

5歳児さんのA君は、
”促されたら行動に移せる” 
穏やかな男の子。

皆と一緒のお部屋にはいるけど、
どことなく夢見心地で、ボーっとしていて
(覚醒が低め、姿勢筋緊張も低め)
指示されても、オドオド((+_+))

皆の動きを見て行動するけど、ワンテンポ遅れ、
一つずつの動作に時間がかかっていました。

言葉の理解も難しく、1語文ずつの理解。
(ワーキングメモリが弱い様子)

先生がいつも目を光らせ(笑)
注意している、という感じ"(-""-)"(←かなりの違和感)


そんな彼が、
今日は、
自分で椅子を持ってきて(以前は出来ずにあった椅子に座ったり)、
紙とペンを用意して、写し紙の昆虫に色を塗りだした!!

「お!写し絵したんだね、へー!2つも描けたの!」
と伝えると、得意げに
「くわがたの、おすとめすだよ。こっちがおすで、こっちがめす」

先生は
「好きな事だけ、すごく喋ってくれるんです」(「それ、当然」)
「そればっかりやってちゃ、ダメですよね!?」(「え?いいんちゃう?」)
という発言が…

これじゃ、彼の得意分野が浮かばれない!!(爆)

2.写し絵は失敗がない!

画用紙に筆で塗っていた時、
どこを塗っていいのか分からない感じで、
ボーっとしていた彼。

先生には、
「そこじゃない、こっち!」
「筆はここで、(余分な絵の具を落とすのに)トントンってして!」
と、何度も言われ、
指示に従っている感じ。

彼の判断で、
質問してきたり、
塗る場所を決めたりすることもなく終わっていました。

でも、
写し絵の時は、

見ている上をなぞる事も、
平仮名を書く事もとても丁寧に出来ています。


彼は、
とても生き生きと昆虫を書いている。
私にまで、「昨日描いたやつ!」と別の紙も見せてくれました。
その瞬間、すごく感動✨✨した~~

彼から『自主的』に動いたことは、この時が初めて。
写し絵を描く事は彼にとっての、「成功体験」なのでしょう。

私は、絵を描く事が好きなので、
        めちゃくちゃ理解が出来る!!!

だって、「見本と同じ絵が、自分に描けた!」という自信になるから!

3.フィードバックしてあげる事で自信の基盤になる


大人から見て、
「そんなこと出来て当たり前!」とみるか
「自信をもって取り組んでいる!」とみるかでは
雲泥の差があると思います。
………
「無理」な事を、可能に変えるよりも、
「可能」を増やす事の方が
自信にもなり、僕はこれでいいんだ、と思えるのです。


先生は、
彼の昆虫好きは1ヶ月前に発見したとの事。

………

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数日前、
彼がカマキリの写し絵を描いた時、
それを見て、皆に伝えたそうです。
「A君がねーー、触角まで、ちゃんと描いてるよ~」


「その時の彼の表情と目の輝きが違ったんです!!」と話され
そう!!そこ!!!もっと伸ばしてあげて!
と、思わず叫んでしまいました 笑

4.成功体験は地味に増やしてほしい


彼は、好きな事だけは、
生き生きと自分から話をするかもしれません。

でも、それでいいんです。
一回ずつが成功体験になります。
絶対何かに繋がります。

自分から話しかける事が
出来なかった彼にとって、
昆虫の絵はひとつの「ツール」でしかありません。

コミュニケーションの一つの道具であり
自分を表現できる一つです。

それを真ん中にして、
他の子どもたちと、つなげる。
先生や親と繋がる。
成功体験と繋がる体験が一緒になって
「人と一緒が楽しい」という経験になるのです。
そして、それが
社会との入口の扉になるかもしれません。

おまけ:
今日は運動会の練習と、歯科検診がありました。
同席した保育士は、「それなら日を変えたのに💦」と
ハラハラした様子でした。

一方、私は、
他の子どもは
どんな遊び方をするのか
どんな子どもらしいアイデアを出すのか
どんな表現をするのか
接していて、楽しくて仕方なかったのです( *´艸`)
目からウロコな出来事満載でした。

【多足のわらじを履いてお外に出よう】  ~複業から見える事~ ●Instagram 【お絵描き作業療法士 石本まゆか】  グラレコやお気に入りの本、心に響くコメント描いてます。 ●あなたの想いを綴るナビ〜電子書籍Kindle出版をお手伝い♡