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オッカケバイブル Vol.1〜「オッカケ」と「オタク」の違い 《前編》〜

これからオッカケのマニュアル的なものを連載として書いていこうと思います。需要あるのかな?(笑)わからないけど、きっと気になるであろうテーマを個人的見解でピックアップしてまいります。気になることがあれば是非コメントを残していただければと思います。

第一弾なので序章的なものから。
ついこの間「若者から『オッカケ』という死語を聞いた」みたいな投稿をSNSで見かけ、「『オッカケ』って死語なの!?」という衝撃を受けました。
私の中ではオッカケと呼ばれる行為が減少した結果、聞かなくなったワードだと思っていたのですが、もしかして今はオッカケというワードに値する別のワードが存在するのか…?はたまた絶滅したのか…?

ここ数年で「オッカケ」というワードはもはや死語のように扱われており、口語・SNSにおいても滅多に聞くことがなくなりました。(私がオッカケの最前線から離脱したのもあるが)

そもそも「オッカケ」という言葉の語源と定義。

「オッカケ」とは、日本の伝統的な芸能ファンの応援行動であり、「オッカケ、追っ掛け、追っかけ、追駆」と表記は様々。「オッカケ」という言葉は、明治の中頃のポピュラー芸能である「娘義太夫」を追いかけて、「追っかけ連」と呼ばれた青年達に由来すると言われています。「追っかけ連」の青年達は、娘義太夫を寄席から寄席へと追いかけ、時には娘義太夫が乗った人力車をかついで運んでいったり、自宅についていったり、おっかけが高じて娘義太夫と結婚する者までいたらしい。(現代においては夢のような話)

ジャニヲタのバイブル、『ジャニーズおっかけMAP』によると、

現代におけるおっかけの基本は、常識を逸脱しな い範囲で日夜を問わず「待つ」ことであるという。テレビ局やラジオ局、レッスン中のス タジオの外、自宅マンションの入り口や駐車場、最寄りの駅など、アイドルの行く所なら 雨の日も風の日も猛暑の日も待つことがおっかけの使命だ。 ージャニーズ同窓会著 平本淳也監修(1996)『ジャニーズおっかけマップ』鹿砦社

とのこと。

この『ジャニーズおっかけMAP』は1996年頃に発売されている書籍ですが、この時代からこんなことをやっている人がいたんだから、人類ってそう簡単には変わらない。

具体的な行動としては、自分の居住地から遠く離れた場所で行われる芸能活動の鑑賞や芸能活動以外の場所での接触を試みる行動を指します。要するにライヴやコンサートなどに観客として参加すること以外に、移動中やプライベート空間での接触待ちなども含まれている。そのために、ライヴやコンサートのツアーが行われる全ての会場に足を運ぶことや、オッカケ対象となる推しに関する24時間体制の情報収集なども行われます。

さてここまで見てきて、おそらく誰しもが思うこと。


「これってストーカーじゃね?」


確かに。

時にこれらのオッカケ行動が暴徒化し、推しに対してプライバシーや著作権を侵害したり、怪我を負わせたり、尾行や盗聴などのストーカー行為に走るケースも生じています。
今でもあるのかどうかわかりませんが、私がジャニーズを好きだった頃には「ヤラカシ」という存在が問題になっていたと思います。そしてK-POPでは「サセン(사생)」が今も根強く存在しています。
以前Hey!Say!JUMPがこういったオッカケ行動が激化し、ツアーを回れないという自体が発生したのも記憶に新しいですね。


ここからは自論ですが。
オッカケとストーカーの間には明確な違いが存在すると考えています。

それは、推しを追いかける際に用いる情報がオフィシャルに発信するもの、すなわち誰もが得られる情報であるということ。

ストーカーのように、親密な関係から得られる連絡先や住所などのプライベートな情報、あるいは個人的な恨みや恋愛感情から行動するのではなく、マスコミやインターネットなどから得られるオフィシャルな情報からわかる範囲内で、オッカケは行われていると感じています。今やSNSが普及し、オフィシャルの情報以外にもアーティストやアイドル個人が様々な発信をしています。それらの情報をもとに推しが今どこにいるかを割り出し、会いに行く。それがオッカケです。(ルールを守ってるか否かは個人の思想の差アリ)

ただ、さすがに自宅とか最寄り駅とかは怖すぎだし、それはどう頑張ってもオフィシャルな情報では分かり得ない、非常識かつストーカーの領域だと思いますが。(断言)

またこのオッカケの多くは集団で動いています。規模は様々。ライヴやコンサート、イベントが始まる直前直後に会場付近に集まり、情報交換やそのイベントに関する感想を述べ合うことなどから始まり、さらにその前後も一緒に買い物をしたり、食事をしたり、ホテルに一緒に泊まったり しながら、推しのライヴやコンサートのツアー、イベントを一緒に回り、オッカケをします。
最近はSNSで知り合い、顔を知らないながらも仲良くなり、実際にライヴやコンサート、イベント等の現場で対面することで新たなコミュニティが生まれたりもしています。

すなわちオッカケをまとめると、「アイドルやスポーツ選手などの自分が好きな推しを見るために、 自分の時間や労力は惜しまず、推しが現れる場所にどこまでもついていく行為、 並びに行為者を指す。そしてこの行為者は公にされている情報を用いている。」ということだと言えます。

ここまで述べておきながらですが、これが世間的には批判される行為だということは私もよーーーーーくわかっています。だってアイドルやアーティストのオフィシャルサイトに行くと、こうやって書いてあるじゃん?っていう。


それなのに何故この行為・オッカケをしてしまうのか、そこにはいくつかの動機があると思っていますが、それはまた今度。

次回は今やこのオッカケの存在を包括しているのではないかとすら思うほどの市民権を得ている「オタク」という存在について書いていきたいと思います。

では、これにて失礼。



おけい

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