見出し画像

オッカケバイブル Vol.4~なぜオッカケをするの?《中編》

こんばんは~!
更新にちょっと間が空いてしまいました。。すみません。
仕事が1年でいちばん忙しい繁忙期でして、仕事に追われておりました。。世の中はまだまだ平穏にはならず、いつライブに行かれるようになるのやら…感染するのが怖いので外出は引き続き控えているのですが、韓国料理食べたすぎて、最近自分作り始めました。韓国料理を極めていこうと思います。

さてさて、今回は「なぜオッカケをするの?」というテーマの中編ということで。私はこの中編が最もヘビーだと思っています。それ故に筆が重かった。色んな感情が渦巻くこのテーマについて書くのは体力をかなり消耗しそうですが…頑張ってみます。

1.オッカケをする理由②

オッカケ仲間からの承認を得るため。
一緒にオッカケをしているグループの仲間から承認を得るためにオッカケを行うというもの。
なぜ仲間から承認を得るためにオッカケが必要なのかー。
それはオッカケ仲間として形成される人間関係の中にはカーストが存在しており、そのカーストの基準になっているのが推しとの関係性であるから。
カーストの中で生き残っていくためには、推しとの関係性を充実させて、カースト仲間に対し、有益な情報を提供することが欠かせないのです。

2.オッカケ仲間とは?

どの界隈のアーティストでもアイドルでも現場に足を運んだことのある方であれば、わかるかと思いますが、ファン同士は大体2~5 人前後のグループに分かれています。(もちろん1名で参戦されている方もいますが。)これらのグループは推しが同じということや、応援スタイルが同じ等、何らかの共通点で繋がっているように思います。(学校のコミュニティ形成と同じ感じ。)そしてこういったグループはコンサートやライヴ会場といった現場で行動を共にするだけでなく、現場でも現場が終わってからも行動を共にしています。私もオッカケ仲間とはごはんを一緒に食べたりすることはもちろん、遠征の際にはホテルも一緒に宿泊したり、と全ての行動を共にしていました。

3.オッカケ仲間はどうやってできる?

このオッカケグループはどんな繋がりで生まれるのかというと、現場や聖地と呼ばれる推しのゆかりの地(過去推しが来店した飲食店やよく行くショップ等)で出会い、生まれることがほとんど。これに加え、Twitterやinstagramなどの SNS の普及により、インターネット上で推しに対する興味・関心を通じて出会うことが増えています。よく現場で、「●●さんですか~?Twitterの●●です!わぁ~お会いできて嬉しいです!」と感動の再会している人たちを見かけるのは、これですね。またオッカケガチ勢は現場前後や現場がない時に推しが出没する場所で推しが現れるのを待つ中で出会いが生まれる場合もあります。(私はこのパターンが多い。)実際に、ある調査ではオッカケグループ全体の91%が推しに関連のある場所やSNSで最初に知り合い、出会ったと言われています。

4.オッカケ仲間の特徴

- 非日常の空間で生まれる人間関係
上記の通り、オッカケ仲間の出会いは何らかの推しに関する場所で起こっています。これが何を示しているかというと、現場で一緒に楽しく盛り上がっている人々の多くは、家が近所同士だということや、学校や会社が同じだというような日常生活における所属集団を同じくして仲良くなった者同士ではない、非日常の空間で生まれた人間関係であるということ。これらの人々は推しへの好意という共通の興味・関心で結ばれ、同じ体験を共有し、共感し合うことで、自分の居場所であり、一見同志の集まりのように感じます。ですが、お互いに共有しているものが感情しかない仲間たちの人間関係は脆く、不安定なものなのです。
例えば、5名前後で構成されたオッカケ仲間。年齢も職業も居住地もバラバラ、現場だけで会う仲ですが、遠征を一緒にする中でお金の使い方や時間にルーズだったり、価値観が合わないと感じると、それだけで「次からこの子と遠征するのはやめよう…」となって疎遠になることも…。会社や学校であれば、そういうことがあっても、お互いに歩み寄って、関係性を継続させようと努力しますが、残念ながら現場でしか会わない仲であれば、そこで切ることもできてしまいます。

- カーストの存在
オッカケ仲間はこのように不安定な人間関係である上に、カーストが存在する場合が多く、そのカーストにより、さらに人間関係が複雑化しています。ここでいう「カーストって何?」と思われる方もいらっしゃるかと思うので、いくつか例を。

カーストとは一つの集団において、そこに属するメンバーそれぞれが、その集団にしか通じない基準でお互いを暗黙のうちに格付けしあい、その
序列の認識と共有が行われる。そして、その集団における強者・弱者が「その場の空気」でメンバー全員に共有され、その結果、各人の行動まで限定される。―『格付けしあう女たち「女子カースト」の実態』

具体的には、、、、

ジャニーズのオッカケ・グループには厳しい序列や規則が存在する。
昔からファンをやっていてタレントや事務所側にも親しいおっかけは、常連にかけて「上連」と呼び、続いて「中連」「下連」といった序列付けがある。上の者への服従や敬意が必要で、悪いことをすると会員証をとりあげられるなど厳しい規則と序列がある。―『ジャニーズおっかけマップ』より
「ヤラカシの中にもカーストがあって、楽屋口の前でアイドルを待てるようなヤラカシは『強め』と呼ばれていました。自分たちは『強め』に潰されるのが怖かったし、関わりたくなかったから、劇場周辺じゃなくて乗換駅で自担を待っていた。そういうオタクのことは『ちゃっかり』と呼ばれます」


ネオ・ヴィジュアル時代のライブシーンはバンギャたちの“仕切り”というものが現れた。例えば基本、仕切りを担当する人は客側の前列センターにいるのだが、そのバンドファン同士たちに客席右側や左側など振り分ける。つまり仕切りが舞台前列の左右を振り分けるのである。
また、この舞台前列に立とうとするならその仕切りの人に挨拶が必要などがある。この仕切りの文化はライブハウスの対バンと呼ばれる複数のバンドが舞台に立つのに、一々それぞれのバンドファンが交代していくより、誰かがその最前列を統括して交渉して入れてもらった方が効率がいいということから生まれたみたいだが、いってしまえばいえば最前列のダフ屋みたいなものである。
もしこのルールを破るとSNS上に晒したり、ライブ中に嫌がらせをしたりと様々なトラブルもあるみたいだ。どうもママ友の関係にも似ているようで、マイナーなバンド程、こういった傾向になっている。
― https://freepaper-templa.com/1287

上記の通り、比較的にどこの界隈でもカーストが存在しています。このようにカーストが存在するオッカケグループには複雑な人間関係や駆け引き、嫉妬や憎悪などが渦巻いています。だからこそ本当の意味での仲間ではなく、推しへの好意という一点だけで繋がっており、推しへの好意以外では共通するものが、ほとんどなく、非常に脆い関係なのです。

5.カーストとオッカケの相関性

- カーストの基準
では、このカーストは何を基準に決まるのか?

ずばり推しとの関係が基準となり、格付けされます。
長年推しを応援している人や推しから「認知」を得た人、推しとの関係が親しい人がカースト上位者になることができます。「何回ライブやコンサートに行ったか」「どのくらいの期間オッカケをやっているか」「認知されてどのくらい経つか」このようなことが基準となっています。
では、このカーストで上位者になるためにはどうすればいいのか?推しと親しい関係になるための明確な方法や基準はないのですが、それがよりこのカーストを複雑にさせています。推しは人であり、そこに成立するのは人間関係。自分がどれだけ推しに時間や労力を注いだとしても、その努力を評価するのは推しであり、報われる、すなわち推しに認知してもらえたり、関係性が向上するかどうかは全く保証されていないのです。だからこそ誰がいつどんな時に、そのカーストの上位者になるかわからない、いつどんでん返しが起こるかわからない、絶妙な均衡のもとに成り立っているのです。
例えば「推しとプライベートで食事をした」等、自分だけが推し対象に接近し、何か特別な想いをしたような場合、それは所属するオッカケグループの他のメンバーに対する裏切りに該当します。この裏切りが生じた瞬間、オッカケグループのメンバーではいられなくなってしまいます。

- カーストの中で生き残る術
このような環境の中で、オッカケグループへの所属を繋ぎ止めるために有効なのが、オッカケグループの他のメンバーからの承認なのです。承認という形で他のメンバーから必要とされる存在になることで、グループ内で自分の安定した居場所を得ることができます。しかもここで重要になるのが、「グループ内の誰でも良いから承認してもらう」というのではなく、「圧倒的な存在として君臨する相手から承認を得る」ことができなければ、意味がないのです。カースト下位者にとっては、圧倒的な存在として君臨するカースト上位者からの承認が欠かせません。
では、どうすればカースト上位者から承認を得ることができるのか…。承認を得るためには、カースト上位者に対して何か価値のあるものを提供するしかないのです。そしてここでいう価値とは、オッカケグループのメンバーが共通して好意を抱く推しに関するもの。例えば、自分が見た自分しか知らない推しの情報やカースト上位者が欲している他のオッカケグループの情報が該当します。ですが、この場合、誰もが得られる情報ではダメで、その人でなければ得られない、その人だからこそ得られる付加価値のついた情報を提供しなければ、価値のあるものとして認められないことが多いのです。そして、このカースト上位者のニーズを満たすことや、カースト上位者にとって有益なものを与えることができた時、初めて承認を得ることができるのです。その際に、カースト下位者は上位者からその人しか得られない付加価値のついた情報を得ることができることもあります。(交換条件的なものです。)このカースト上位者からの承認=オッカケグループからの承認となるのです。
では、カースト上位者のニーズを満たすためにはどうすればよいのか。そのためには常に一緒に行動し、おっかけをするしかないと思います。これが結構しんどい。一緒におっかけをし、カースト上位者のニーズを探ったり、推しにアンテナを張ったりして、情報を集める努力をするしかない…。また、自分にしか得られない情報を得るために、推しとの関係をより親しいものにする努力も必要であるため、推しからの認知を得ることに必死になります。認知を得られると、自分とオッカケ対象だけのオリジナルな関係を築くことができ、それによって得られる付加価値のついた情報こそが、オッカケグループの中で自分の存在の支えとなります。
一見、自分だけが得られる付加価値のついた情報をカースト上位者やオッカケグループのメンバーに提供することは、手の内を明かすようなもので、リスクあるように見えます。ですが、カースト上位者が持つ情報を上回るような情報を下位者がもった場合、カーストの上下関係は容易に入れ替わってしまう。オッカケグループの中で、認めざるを得ない推しとの関係性という評価基準をもとにした場合、提供される情報の価値次第ではカーストが入れ替わることも起こり得るのです。

オッカケをするグループの中で生き残るためにはカースト争いに勝ち続けなければならない。そしてカースト争いに勝つためには推しと自分の関係性を深め、自分でなければ得られない情報を追い求め続けなければならない。だからこそオッカケをするー。これがオッカケ仲間からの承認を得るために行うオッカケなのです。

最初の頃はこのオッカケも楽しいのですが、だんだんと嫉妬や妬み、羨望感といった黒い感情がオッカケグループのメンバーに対して生まれ、バトルが勃発したり、潰し合いが起こります。男性が多い界隈はわかりませんが、女性が多い界隈ですと、陰湿なこともたくさんありました。女と女の蹴落とし合いの戦いです。
かといって1人でオッカケをするのも寂しいもので…推しへの感情や感動を共有できる相手がいることの喜びはとても大きいものです。

自分がどんなスタイルで推しを応援したいのか。それによって所属するオッカケグループのスタイルも変わると思いますが、もし本気でガチでオッカケしたいのであれば、自分を取り巻く人間関係もフル活用していくことが欠かせないと私の経験では思うのでした。

戦え、オッカケ。



おけい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?