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エプロンからエプロン

縫い目とく音が静かに響く部屋ぷつんぷつんと冬の雨の日



引き出しの片隅からエプロンが出てきた。処分したものだとばかり思っていたもの。

とりあえず、で買ったセール品。一回使ったか?水通しをして仕舞い込んだままか?それすらも、もうおぼろげ。そんな感じだから、当然どこも傷んでない。このまま処分するのは申し訳なくて、これまたとりあえずリサイクル用にとカゴへ。小さく切ってまた何かに作り替えればいいかと。

ただ胸の辺りに握り拳程度の大きさの刺繍がある。布として再利用するには、これがちょっと邪魔になる。刺繍の部分を避けると使える布の面積が限定される。となると、このまま刺繍ごと使える道を考えるか?むぅ…。いつもなら、この辺りで、そのうち思いついたら…なんて放置するんだけど、

エプロンで良くね?子供用のなら出来るよね?と、エプロンからエプロンへ。発想も何もあったもんじゃない。笑


昔よく、ちまちまとミシンで何か作っていたのを記憶してるのか、「服とか作ってくれても良いねんで?」なんてことを前に息子に言われたことがあった。いやいや、趣味ってものがあるし、これが着せたい!って思うのは親だから…と、笑って聞き流してた。けど、おままごと用のエプロンぐらいなら良いか。わざわざそのために揃えた物でもないし、あちらにもこちらにも精神的負担が少ない。

ということで、形を考える。

便利な時代になったもので、少し時間を割くだけで作り方が幾らでもわかる。首と腰にゴムの入った幼児用のエプロンを選んだ。サイズ設定も細かくあって、本当に便利な世の中になったもんだ。一昔前なら本を買うか、手芸店でパターンを買うかしかなかったもんな。本当便利な…以下略。

型紙要らずとはあったけど、布を有効に使うためには、布に直書きより一度型紙を起こした方が早い。ま、チラシに線引くだけなんだけど。笑

あとは、必要なモノが家にあるかどうか。

裁縫箱を漁る。必要なのは幅2センチのゴムとバイヤステープ。ゴムは、あるにはあるが長さが足りない。仕方なく1センチ幅のもので代用。あっ!布と同色の糸もない。ええい!茶色の布だから黒糸で行ってしまおう!

今日のテーマは、わざわざ買い揃えない!なんだし。(ま、いつもほぼそうなんだけど。笑)

あとはバイヤステープ。これは残った部分から取れる?いやいや、斜めにバイヤスを取れるほど大きな面積は残らない。じゃあ、買いに行くか?いや…今日のテーマは、わざわざ買い揃えない!だった。

袖ぐりにバイヤスが使われているのを発見。これを解くか!

これまで、こんなに丁寧に布製品を解いたことはなかった。いつも綺麗な部分から必要な分を取るだけで、縫い目を解くなんてことはしない。だって、解いたところで縫い代なんてたかだかしれてるし、針穴は空いてるし、なんなら端が解けてるし…で、結局は使えない。この労力と時間を返せ!と溜息を何度ついたか。


ちまちまと解きアイロンをかけて、無事用尺分のバイヤスをゲット。

ここまで1時間。

縫うのは明日にしようと思いながら…結局もう2時間掛けて(掛かりすぎ)縫い上げる。だって毎回きちんとアイロンかけたもん。(こんなことも滅多にしない。笑)

所々縫い目のガタツキもあるから、売り物にも引けを取らないなんてことは絶対に言えないけど。でもあるよね。たまにこういう商品も。セール品とかさ。笑

なんてことを思いながら、作ってみた と息子にLINEしてみる。


ありがとう!可愛い!

と返信が。


気にいるかどうかは分からないけど、こちらも半日遊ばせて貰ったから良しとしよう。


子供用に何か作るなんて、どれぐらいぶり?30年はやってないかも。笑

わざわざ買い揃えない これでまた何か作れたら楽しいかも。



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