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【OPV Members!】#3 佇まいはまるでマスター。OWBの名アシスト門馬裕さん

「地域の100の課題から100のビジネスを創出する。」
原発の避難指示解除準備区域だった小高の再生を見据え、
2014年に株式会社小高ワーカーズベースは創業されました。
「地域の課題は起業のチャンス」という考え方のもと、食堂、仮設商店運営、ガラスアクセサリー工房をはじめ、多角的な事業展開がなされてきました。
さらに「再生」に止まらずに自由な発想で新しく街を創造すべく、起業型の地域おこし協力隊Next Commons Lab南相馬の展開や、宿泊できるコワーキングスペース「小高パイオニアヴィレッジ」のオープンなど、多くのエネルギーに溢れる人々のコミュニティが育っています。
フロンティアを駆ける人々がどんなビジョンを持って活動しているのでしょうか?
一人一人にインタビューしてみました。

Pioneer's Profile

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門馬裕(もんま ゆう)
1987年生まれ 南相馬市小高区出身。
地元高校卒業後、東京の大学へ。
卒業後は製造業で働き、その後1社を経て2015年9月、仮設商業施設「東町エンガワ商店」運営参画と共に小高ワーカーズベースにジョイン。

好きなもの:
音楽。中学高校は吹奏楽部で、今でも毎年母校の定期演奏会にてOBバンドで出演しているそうです。
座右の銘:
「楽しそうにしてれば、地球の重力なんてなくなる」
伊坂幸太郎『重力ピエロ』のお気に入りの一節。重力を変えられない現実でも、それを楽しんでしまおうというメッセージだそうです。

Q:南相馬で門馬さんは、何をされていますか?

小高ワーカーズベースにて、中心市街原町にあるコワーキングスペース「Naru」の管理/運営をしています。
南相馬市から運営委託を受けた事業として、市とのやりとりや、そこで開催するイベント/講座のコーディネートをしています。

Q:きっかけはなんですか?

いずれは地元で暮らしたい、という思いからです。
震災前にも地元に戻っていたのですが、震災を機に会社の移転に伴い一時期は山梨県にいました。
その当時は仕事で手一杯だったのですが、戻りたい気持ちは変わりませんでした。

2015年に、避難指示解除に従い仮設商業施設「東町エンガワ商店」の開設予定と、運営スタッフを募集している事を知り、応募しました。

開設当時はまだ避難指示区域で小高区に住民がいない状況ではありましたが、避難指示が解除された際に住民の方が地域に戻るかどうかの判断には、この商業施設は重要になるし、そこで役立ちたいという思いがありました。

Q3:背景にある思いはなんですか?

「どれだけ必死に目の前の事をやれるか」という思いを持っています。

当時、地元の小高は人がいなくなり、南相馬市全体も人が減ってしまいました。
それに対し、どうにかしたいという思いを常に抱いてます。

東町エンガワ商店従事の時はコンビニもなく、地元で生活するという意味で、町の買い物を一手に担っていました。
自分自身も、町全体も期待値が高かったと憶えています。

その期待に100%応えることは、大変ではありました。
普通、商品を仕入れをしたらこちらに届きますよね。
僕らは小高から毎日隣の原町まで自分たちで車を飛ばして取りに行き、陳列まで自分たちでやっていました。

100%の期待に答えられないジレンマを感じながらも、それでも目の前のことを必死にやる。

地元の高校とコラボし、授業の一環で生徒と一緒に商品陳列の改善に取り組んだり、彼ら彼女らが電車待ちの際に居場所にしてくれるなど、少しずつ成果にも繋がりました。

現在はコワーキングスペースの運営を中心業務にしていますが、その時の経験を活かしつつ模索し、一歩ずつ前進しています。

私は「ゆとり」のパイオニアです!

名前も余裕の「裕」ですし、ゆとり教育を受けてきた年代としてこの言葉を選んでみました。(笑)
基本的にはもくもくと作業するのがスキなのですが、チームとして活動するのも好きなんです。
チームにおいてはゴールを決めるよりは、アシストしたり調整したり、バランサーのような役割が合っているかもしれません。
そうして、周りにもゆとりを与えられたらいいですね。

最後に一言!

色んな人に頼られ、「地域のマスター」のような存在となれるようにみなさんを見守っています。
これからもこの地域に居続けるので、引き続きよろしくおねがいします!

編集後記

いつも落ち着きがあり、静かな佇まいの門馬さんにインタビューする前は、どんな人なんだろう、とちょっとドキドキ。
けど、話をきいていくと今でも母校の舞台で毎年サックスを吹いてたり、ジョインする時にエピソードを聞くと内側に熱いモノを持っていたり、なんだかまだまだいろんなギャップがありそうでとっても気になりました。
中心市街地原町のコワーキングスペースにお立ち寄りの際は、ぜひ声をかけてみてください。
バーのマスターのように、あなたに気づきをくれるかも。
(野口 福太郎)

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