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【イベントレポート】WHO AM I? ー何者かを語るイベントー #4 奏でる森のパイオニズム


🎷はじめに

世間ではゴールデンウィークが明け、なんとなく休日気分が抜けきらない頃、ここ小高ではまた一人パイオニア精神を持った人がマイクを握り、小高の民に向けてその魂をむき出しにしてくれました。

ご存知、-何者であるかを語るトークイベント-WHO AM I?の第4回目が開催されました。

過去に開催されたWHO AM I?のイベント記事はコチラ!


今回の登壇者はネクストコモンズラボ南相馬(地域おこし協力隊)として昨年の10月に着任した小野雅也(おの•まさや)さん。
今回のイベントチラシはこちら。森をイメージしたフレッシュなチラシにしてみました。

WHO AM I? #4のイベントチラシ。毎度お馴染みのデザイン。

笑顔が素敵ですね。
カピバラに似ているとのことからかっぴーという愛称で呼ばれているそうです。

さて、そんな小野さんのWHO AM I?ですが今回のタイトルが「奏でる森のパイオニズム」。どういう意味でしょう。

なんでも小野さん、NCL南相馬のラボメンバーとして着任してから「森を探している」と喧伝しているのです。

森を探して果たしてどうするのでしょうか。
たっぷり時間を使ってお話いただきました。

今回、今までと大きく異なるポイントが二つありました。

一つがこの圧倒的な機材の量。(写真下)
OPVでイベントを行うには大げさすぎると言っても過言ではありません(笑)

もう一つがこれらの機材を駆使して、当日にライブ配信をするという点。
WHO AM  I?は回数を経ることに着実にイベントとして進化しています。

大量の機材。

そんな第4回目のイベントは小野さんの配信開始宣言とともに始まりました。


🎷感動できるかどうか

始まってすぐに小野さんは自分の行動の動機は「感動できるかどうか」に集約されている、と言いました。

自分を構成する肩書きは
サックスプレイヤーや世界一周旅行者、地域おこし協力隊、など様々ある中でそれらは全て「感動するための手段」である、と言い切りました。

🎷ブルーフォールで泡ふき

幼き頃、神童だったと語る小野さん。藤井聡太ばりの少年棋士だったそう。
また、地図が立体的に見え、絶対に道に迷わなかったり、人の顔と名前は一度で完全に覚えてしまうという天才ぶりを発揮していたんだとか。

それがある時、お父様に連れられ行った某遊園地のブルーフォールという落下型絶叫マシーンに10回連続で搭乗した際に泡を吹いて倒れ、どうやらそれをきっかけに神童っぷりが減衰してしまったそうです(笑)

神童時代を話す小野さん

🎷サックスプレイヤーとして

小野さんのサックスプレイヤーとしてのルーツは小学校6年生まで遡ります。
当時バラエティ番組のウッチャンナンチャンのウリナリ!!でサックスを演奏していた南原さんの影響を受けてサックスに憧れを抱いた小野さん。

吹奏楽部での活動を経て、学生時代にお付き合いをしていた彼女からの「日本一のサックスプレイヤーになったらいいよ」の一言で日本一を目指し始めます。

高校を卒業後、洗足学園音楽大学の門を叩き、当時の先生に「才能がない」と突きつけられ一度は師事を断られたそうです。
しかし、その後1時間続いた師匠の説教に愛を感じた小野さんは見事に食い下がり師事を許されます。
在学中は4年生になってもドとレを徹底的に繰り返し、基礎の大切さを実感したと話していました。

さながら映画、「セッション」のようなお話でした。

🎷ニューオリンズとの出会い

大学在学中にひょんなことがきっかけで世界的ピアニスト辻井伸行さんのアメリカツアーに同行します。
そのツアーの際に訪れた街、のちに南相馬の地域おこし協力隊の事業で大きなキーワードとなる「ニューオリンズ」との邂逅を果たします。

🎷世界一周(一周目)

大学卒業後、盟友であるヴァイオリニストのNaNaCoさんが世界一周旅行に出かけるという話を耳にして突発的に自分も行かなかればと思った小野さんは世界一周旅行に同行することを決断します。
初めはスポンサーを募ることを考えたそうですが、スポンサーの意向に則った旅では面白くなさそうだと感じ、ストリートライブで身銭を稼ぎながら旅をすることにしたそうです。

世界一周編の冒頭

旅の行程は日本を出発して東南アジア→インド→ヨーロッパ→アメリカと渡って行ったそうです。
初めは4人で出発した世界一周旅行。時には宿代の代わりに演奏したり、夜逃げ同然に怖い人たちから逃げたり、肝炎に罹って骨と皮だけになったり。その中で旅の仲間が帰国を迎え、1人旅になったこともあったそうです。

🎷捉え方の違い

世界一周を経て小野さんがは、同じ景色を見ていても、人によって景色の見え方、感じ方をしてそして全く違う思い出になるということに興味深さを覚えました。
そこから日本人として同じような教育を受けていたとしても、全く異なった人間として成長していく「人」は一体何によって形成されるのか、と哲学的な疑問を抱いたそうです。

🎷世界一周(二周目)

世界一周目から帰った小野さんは、その後ライブハウスを立ち上げようとします。
その際に恩人である音楽事務所の社長さんから「業界を少し知っていた方がいいんじゃないか」との勧められて音楽事務所に1年間限定で勤め始めます。

約束の1年が経とうとしたとき、「もうしばらく働かないか」との誘いに、職場の居心地の良さを感じていた小野さんは「このままでは流されてしまう!」と思い、ありもしないエチオピアとパリの予定をでっちあげ海外で仕事があるという体で音楽事務所を後にします。

そしてありもしない海外の仕事のために半ば事故的に世界二周目の旅へと出発したのでした。

大芝居を打った世界二周目

世界旅行一周目とは異なり、どうでも良くなっちゃってた、と話す小野さん。
オーストラリアのフードコートで食べ残しを食したり、野宿したりと、一周目以上の鋼の精神を披露してくれました。

その中で、エチオピアの小さな村で出会った少女と世界一周旅行中に偶然アメリカで再会し、世界の狭さを感じたと言います。
当時、ストリートライブで身銭を稼いでいた貧乏旅行の最中だったので、その少女に対して何も援助することができなかったことが悔しかったそうです。

どこでも食べて寝れる男、小野さん

🎷ライブハウス立ち上げ、そしてコロナ禍へ

帰国後、サックスプレイヤーとしての人生はやり切ったと感じた小野さんは次世代のミュージシャンのための居場所を作ろうとライブハウスの立ち上げに着手します。
ライブハウスにはまだ「香水」でブレイクする前の瑛人さんも出演していたことがあったそうです。

また、その後様々な出会いを通して洋菓子屋のフランチャイズ店のオーナーや、バレエ・ミュージカルスクールの副代表になったりと活躍の場を広げていきます。

しかしながら、ライブハウスの運営は当初描いていた通りには行かず、30組のアーティストによるシェアオーナー制に舵を切るも、そんな時にあのコロナ禍がやってきてしまいます。

その日暮らしで気ままにストリートミュージシャンをやって旅をしていた時よりもこの頃の方がはるかにキツかったと小野さんは語っていました。

コロナ禍がキツかったと話す小野さん

🎷鬱、そして南相馬へ

全てのやる気を失った小野さん。ライブハウスも閉店し、洋菓子のFC店の権利も譲ってしまいます。
一旦全てに対してリセット期間を設けていた時期に、たまたまネクストコモンズラボ南相馬の存在を知り、パイオニアヴィレッジ4周年のトークイベントをオンラインで視聴し、「ここだ!」と直感的に感じたそうです。

ポスト資本主義や起業家が集まる小高に可能性を感じた小野さんはライブハウスでできなかったことをここなら実現できるんじゃないかと思い至りました。その時、昔訪れたニューオリンズの街が脳裏を過ぎったそうです。

誰が演奏しているのかではなく、街そのものにお客さんが来る
個人にもコミュニティにも依存しないニューオリンズのような場所を作れないか、と思い至ってここ、南相馬にやってきたそうです。

ニューオリンズの街について知りたい方は以下の記事をご参考ください。

小野さん曰く、「山や森であるかが重要なのではなく、この場所で実現したいものを作るなら森だと近所迷惑にならなさそう。」とのこと。
森じゃなくてもいいんかい!」と全員が心の中でツッコみ、会場はこの日一番の笑いに包まれました。

そんな小野さんの今後の行動指針は「南相馬で感動する」。
そのためにきっと面白いものを創り上げてくれるだろうと会場の誰もが思ったことでしょう。

🎷第二部:OPVスタッフ久留飛とのトークセッション

第二部のトークセッションの様子

約65分に及ぶ小野さんのトークは笑いあり、感動ありの盛りだくさんな内容でした。
そんな濃厚な65分をさらに掘り下げるべく対談形式でのトークが行われました。

対談相手の久留飛はとにかく共感するポイントが多かったと話します。
その中で、世界一周の様子を掘り下げたり、神童時代の話を広げてみたり、終始ラジオ番組のような雰囲気で第二部は進行していきました。

もう一度ブルーフォールに10回乗って泡を吹けば神童に戻るのでは?と言った仮説も飛び出し、盛り上がりの中、幕を閉じました。

こちらの様子はぜひ、記事の最後のリンクからアーカイブ動画に飛んでお聞きくださいませ!

🎷WHO IS HE?

今回は過去最大の音響設備で行われました。
というのも、これらは全て小野さんの私物で、この土地でミュージシャンとしての経歴を活かしたイベントを行なって行きたいそうです。
音響さんとしても活動できるほど機材を持つ小野さん。
イベントを考案中の皆さん、音響家をお探しであればぜひ彼に相談してみていかがでしょうか。

そんな小野さんがOPVで企画しているイベントが近々行われます。
小野さんと世界一周旅行を一緒に回ったNaNaCoさんがOPVにやってきてヴァイオリン演奏を披露してくれます。
また小野さんと同じ洗足学園音楽大学卒でプロサックスプレイヤーの橋本恭佑さんも出演します。(※注!小野さんは演奏しません)

ぜひお越しくださいませ!

●お問い合わせはこちら↓
masayaono47@gmail.com

●チケットのお申し込みはこちら↓

🎷イベントアーカイブ

今回は初のライブ配信も行ったのでイベントアーカイブとしてYouTubeで閲覧が可能です。
見逃した方、参加できなかった方、こちらからご覧ください!!

※第二部が機材の関係で画面が止まっており、音声のみになってしまっています。ご了承ください。

🎷最後に

WHO AM I?-何者であるかを語るトークイベント-では次の登壇者を募集しています!
是非、あなたの情熱を、魂をむき出しにして地域にぶつけてみてください!!
お待ちしています。

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