#1068 年上の部下との関係性の築き方
おはようございます。
仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び、小田木朝子です。
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今週もあっという間に木曜日がやってまいりまして、毎週木曜日恒例のこのチャンネルを一緒に運営するなつさんの質問コーナーをお届けしたいと思います。
いつも「なるほど、そこね」と思うなつさんの質問ですけれども、今日はこんな感じです。
今週のなつさん質問は「自分より経験のある年上の部下との付き合い方」
【最近、水耕栽培している花のつぼみの変化を楽しみにしているなつです。
今日は、年上部下とのコミュニケーションをテーマに取り上げたいと思います。
先日、会った友人が、思いがけずチームでリーダーの役割を担うことになり、年上の部下との関係構築の難しさについて話題に上がりました。
話を深掘りすると、年齢はもちろんですが、現在所属している部門の仕事も、自分のほうが経験が浅く、判断や指示を出す際に、どうしても自分の意見に自信が持てなくなってしまうとのこと。
私も、新入社員時代、自分よりも一回り以上年上の社外パートナーに依頼や指示を出した経験を思い出し、確かに年齢だけでなく、実務経験も相手のほうがある中で、上司として関わる難しさってあるなと感じました。
これから春に向けて、異動や昇進を控えている組織も多いと思いますので、年齢や経験など、メンバーのほうが持っているという状況で、相手と関係を構築する際の実践ポイントについて教えてください。】
なつさん、ありがとうございます。
本題に入る前に、植物の日々の小さな変化って本当に楽しいというか、ワクワクしますよね。私も、こんな寒い冬でも、ちょっとずつ起こっていく変化に、本当に時間を忘れて眺めていられるなと思っています。なつさんがいつも新しいお花を仕入れた時に、画面越しに見せてくれる、あれもおもしろいなと思っています。
本題ですけれども、「年上部下とのコミュニケーション」こんなお題をいただきました。
これは小田木所感をお届けしていきたいと思うんですけれども、こういうケース、例えば、相手に対して自信が持てないとか、その役割に対して自分では力不足を感じるって、決して年上部下とのコミュニケーションだけじゃないと思うんですよね。
そういうケースの全般を取り上げて、私なりに思うところを共有させていただこうと思います。
相手を機能として見ない
大きく三つに分けて、私なりに思うポイントをお伝えできればと思うんですけど、一つは、相手を機能として見ない。
これが前提としてめちゃくちゃ大事だと思います。
「何よ?相手を機能として見るって」と思うかもしれないですけど、ちょっと見方を変えると、属性でとらえる。こんな感じですね。
例えば、年上の部下。
質問の上では便宜上、誰にでも分かるように「年上の部下」と書いてくれていると思うんですけど、でも私たちっていつの間にか、相手を個人として、例えば、「古賀さん」とか「小田木さん」とか、こういうふうに個人としてとらえているはずが、いつの間にか「年上の部下」とか「この役割の人」とか「リーダー」とか「育休者の人」「新人」「課長」とか「社長」「新しく入って来た人」こんな感じで、属性というか、その人に付いたタグで分かりやすくとらえるんですよね。
それの何がいけないのかと思うかもしれないですけど、いつの間にか相手を古賀さんという一人の個人としてとらえるよりも、「年上の部下の人」という機能としての側面のほうが強くなってしまうということが、往々にしてあるなと思います。
そうすると、「こうなんだから、こうあるべきだ」とか「こういう人って、こういう傾向があるよね」とか「こうしなきゃだめなのに」とか、機能としての「べき論」のほうが優先されちゃって、相手を個人、自分と同じ一人の人間としてなかなか見られなくなっていくということがあると思うんですよ。
これは、上司に対してとかがよく起こりやすいですね。
「上司なんだから、もっとこうしてほしい」とか「課長なんだから、こうすべきだ」とか、これは完全に機能優先ですよね。
人間としてとらえずに、機能としての見方のほうが優先されちゃうというのは、自分に対しても働きます。
「上司になったんだから、こう振る舞うべきだ」とか「リーダーなんだから、こういうことができなきゃいけない」こうなってくると苦しいし、べき論とか、「こうしなきゃだめだ」みたいな先入観が優先されちゃう。
なので、相手を機能として見るということを手放すと、私は人と人との関係性というのは、一段前進するなと思います。
じゃあ、どうしたら機能としてとらえずに済むかというと、相手を人として見られるまで、平たく言うと、愛着が持てるまで雑談する。
これは、つい忙しいと優先度が下がりがちなんですけれども、やっぱりめちゃくちゃ大事だと思います。
一人の人間同士として雑談をすると、「ああ、この人にもこういう一面があるんだな」とか「こういう感情を持っているんだな」「そういった背景があるんだな」「こういうふうに考える人なんだな」と、個人としての理解が深まると、相手を人として見られるし、これでようやく相手との関係性を作っていくというスタートラインに立てるんじゃないかなと思います。
これがポイント一つ目ですね。
思い込みで決め付けない
二つ目は、思い込みで決め付けない。
ピンときた方、ありがとうございます。
これはちょうど今週の月曜日の放送ですよね。
『#1065 想像で勝手に”1人相撲を取らない”ために』このテーマに関心のある方は、ぜひ月曜日の放送をセットで聴いていただければと思うんですけど、思い込みで決め付けないというのは、「相手は〇〇と思っているに違いない」こういう決めつけを一人で勝手にしないこと、これに尽きると思います。
例えば、「相手は〇〇と思っているに違いない」〇〇とは何かというと、「経験がないのに、リーダーになりやがって」と思っているに違いないとか、「自分より知らないくせに」ときっと考えているとか、はっきりしない指示を出してくると思っちゃっているに違いない、このような思い込みは何かというと、これは全部自分でそう考えちゃってることなんですよね。
自分が気にしていること、自分でそう考えちゃってること、だから、相手がそう思っているように感じてしまうというメカニズムが、ここにあるなと思います。
なので、相手はそんなことを思っていないにもかかわらず、そんな相手の一言やひと振りがそう見えてしまう。
こうなると、どこまでも一人相撲を取り続けてしまいますので、思い込みで決め付けない。
これはやっぱりこういうシーンでも大事だなと思います。
まずは「思い込みかもしれないな」「これ、私が決めつけちゃっているな」と気づくということが、そこから抜ける一歩ですよね。
相手を信頼して開示する
最後の三つ目のポイントは、相手を信頼して開示する。
一番最初に、自分が相手を機能として見ているという話をしましたけれども、これは実は、自分が相手を機能として見ていたように、相手も自分を機能として見ちゃってることがあるんですよね。
「リーダーなんだから、もっとこうすべきじゃないの?」こう感じちゃうことは誰しもあるかもしれないですけど、それはその相手を機能として見ちゃってる時に沸き起こってくる感情なんですよね。
それを越えるのは、相手に愛着が持てるレベルまで話をすることだとお伝えしましたけれども、同じです。
相手を信頼して、自分から開示してみる。
これしかないなって思っています。
例えば、「経験がないから、すごく迷うし、自信がない」これを言えたら、本当に楽になります。
だから「教えてほしい」とか「経験のあるあなたに力を貸してほしい」「私も役割を引き受けた以上、いいリーダーになりたいと思っている。役割を担ってチームのみんなに貢献したいと思っている」こういった本心を相手を信頼して開示していく。
これが私は何よりも大事だと思っています。
不安に思っていることや、自信がないことや、力を貸してほしいと思っていることも含めて開示していくことで、相手にとっての自分が「リーダーになった人」ではなくて、「一生懸命に奮闘している古賀さん」とか「自分を信頼してくれている小田木さん」みたいな感じの、人間になっていくんだと思います。
人間としてきちんと相手とつながっていく
ということで、何が言いたいかというと、役割とか機能で相手を動かそうとするのではなくて、人間としてきちんと相手とつながっていく、相手と人間としてつながれるようにきちんと開示をしていく、これがすごく大事だと、私は自分自身のいろんな失敗経験も含めて思っております。
「えー、難しいな」と思うかもしれないですけど、これができたほうが、ものすごく楽に生きられます。
相手も自分も機能として見て、「その機能を満たせなきゃ」と言ってどんどん追い詰め合っていくよりも、本当に健やかにヘルシーに、それでいてきちんと集中すべきことに集中してお互いに力を発揮できるというのは、私はこういう関係性じゃないかなと思っておりますので、「でもなー、相手はきっとこういう感情を持っていると思うんだけどな」と思うところを、いったん「決めつけてはいけないよ」と自分によしよしをして、「ちょっと思い切って相手と関わってみようかな」そんなふうに思えるといいんじゃないかなと思います。
分厚い鎧を脱いでいきましょう。
これはテクニックじゃないと思います。
スタンスと行動。
ぜひみんなで小さく試していきましょう。
ということで、なつさん、今週も質問をありがとうございます。
なつさんの先輩のことも、心から応援しています。
それでは、次のチャプターで「先週一番放送とコメントありがとう」のコーナーをお届けしたいと思います。
先週の一番放送は、「完璧なリーダー像に囚われないヒント」
続きはぜひVoicyでお聴きください。
小田木朝子プロフィール
「仕事が好きだし、楽しいと言い合える女性が増えることが喜び」小田木朝子(おだぎともこ)です。
このチャンネルは両立女性のためのオンラインスクール“スクラ”から出産後の変化を柔軟に乗り越え、仕事がもっと楽しくなる“知恵とヒント”を平日の毎朝配信しています。2回の育休を経て、現在人材育成・組織開発を行う株式会社NOKIOOの役員をしています。
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