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今週から始まる「検体の採取と評価」とは?

次回から「検体の採取と評価」をテーマに、取り扱いの多い4種類の検体(血液、痰、尿、膿汁)について学んでいきます。
「検体の採取と評価って何のこと?」とか、「それは看護師さんや検査室の仕事でしょ?」、「そもそも薬剤師に関係があるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、もちろん抗菌薬適正使用(AS: Antimicrobial Stewardship)には欠かせないものです!!というか、すごく大事です。適切に採取された検体から分離された微生物であれば治療の対象となる可能性が高くなりますが、不適切に採取された検体(例えば、抗菌薬投与後など)では治療対象の微生物が絞り込みにくくなります。このように、ASには適切なタイミングでの検体提出、適切な検査、適切な結果解釈が必須です。

では、これらの”適切”とは何でしょうか?

薬剤師は、法律上、患者から直接検体採取ができません。そのため、直接検体採取の場面に立ち会う機会が多くなく、適切な検体と言われてもピンとこないのではないかと思います。抗菌薬の追加・変更を考える際、返ってきた検査結果を眺めながら、みなさんはどこに注目していますか?菌名だけを見るのではなく、まずは「その検体は正しく採取されたものか?」、「保存条件は適切なのか?」、「信頼できる結果なのか?」、「痰の質の評価や尿の菌量はどのようにして作られたものなのか?」など、”適切”な検体・検査なのかを立ち止まって考える必要があります。次週からの動画で、それぞれの検体採取の方法やその評価のポイントを押さえましょう。実際の臨床では、カルテから得られる情報だけでは評価が難しいことも多いので、ぜひ、微生物検査技師さんと直接ディスカッションする機会を作りましょう!微生物技師さんとの信頼関係は、ASに大きく役に立ちますよ!

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大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)人材育成部門 Mail:foster@cider.osaka-u.ac.jp


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