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人っていうのは実に不思議で

こんにちは 初めまして、おちつけ清春と申します。

いきなりですが何の話かも言わずに淡々と書いていくので、読んでいただいた方がそれぞれに

【これは一体何が言いたいのか】だとか

【そもそも何の話なんだ】なんてものに名前でもつけてやってください。

ただ一つ言えることは、この話は僕に起こった本当の話です。


ある平日の昼間に、僕は家の近くの川沿いを散歩していました。

なんでそんな昼間に散歩なんかしていたのかというと、正社員の仕事についていたのですが、うつ病を発症して少しでも散歩をして日光に当たった方が病状にもいいと主治医に言われていて僕の日課には【一日に一回は散歩をする】というそのたった一つだけが、僕の一日の予定でした。

僕は川を眺めながら堤防を歩いていると、シロサギが目にとまりました。

そのシロサギは川の真ん中から岸に向かって並ぶ岩を一つ一つ、少しずつ、一歩一歩進んでいきます。

僕はなんとなくその先が気になって堤防の斜面になったところに座り込んでそれを見ていました。

「あんな鳥でも怯えながら一歩一歩進んで、飛んだ方が早いのになんでだろう?サギだからたくさんの人を騙して……」なんて考えていると耳元でキーンキーンと二回、耳鳴りがしました。

とっさに何かヤバイ!!と、そう感じる音でした。

振り返るとその堤防の向こう側に墓地がありました。

何か気づくと空がひどい曇天に感じて、体はすごくダルくなりました。

周りが何かただならぬ雰囲気で、少し前からこの町の人が妙に少なくなった気がしていたことを思い出しました。

何だか疲れている……とにかく今日はもう早く帰ろう。とアパートに戻りました。

全然落ち着かず、部屋でニュースを見ていても全く話が入ってこなかったり、ただただ焦っていたのを覚えています。冷や汗のような感覚がずっとあるというか、例えて言うならずっと拳銃を突きつけられているような切迫した気分がありました。

とにかくいますぐ何かをしなくてはと、部屋の掃除をしだしました。

押入れを掃除していた時のことです。

カンカン。 音がなります。

「次掃除するのはここだよ」

自分の声が聞こえました。

ラップ音のする通りに自分が動くとかなり効率のいい掃除になったのです。

僕はずっと何か独り言を言っていました。そのピシッと鳴る音に対して返事をしたり、しゃべったりです。

気づくと押入れは綺麗になっていて、あれ?となったのを覚えています。

ただ押入れを掃除した時に出てきた昔のものは机の上に整理されて置かれています。

そこに置いた記憶はなかったです。

その手紙や物を眺めていると、何で仕事ができなくなったんだろうとか、何でこんなに辛い思いしなくちゃならないんだろうとか、はたまた昔の彼女に何でもっとこううまいことやってあげれなかったんだろうというマイナスの感情が一気に噴き出してきてその瞬間自分の意思とは裏腹に何かの叫び声が勝手に自分の口から飛び出して、勝手に自分の体は風呂場に向かいだしました。「いつまでもいつまでもいい加減にしろ!!」みたいな感じのことを叫んだと思います。

自分は眠っているような感じなんですけど体はものすごい速さで掃除しています。こんなに動いてるのになんで疲れないんだ?と不思議に傍観している感覚があります。

お前がやらないから貸してみろと誰かに操られてるような感じでした。

「本当はできるのになんでやらないんだ。そうだ、俺はできるんだ」と口が勝手に動きます。

気づくとボーッと綺麗になった風呂場を眺めている自分がいます。

しかも【全然疲れていない】のです。

そこから音に支配されました。

こっちはカンカンあっちトントン。 バーァン!と大きな音がするとそれを何者かが怒っている、そうじゃない!という注意されたと捉えます。その怒ってるような音がもうその時は怖くて怖くて。

外に出ていいですか?と言って外からベランダを掃除して帰ってくると、玄関がバーン!と閉まりガチャっと鍵がかかりました。

その時は怖すぎて叫びました。

しかし僕は昔からよく聞くしよく見ている人間なのでその時一瞬気づいたのです。確かに僕が見たものは鍵が閉まる方に回ったのですが、すぐに開いている方になったのです。

その時に気付きました。

幻覚だ。

実際その場の本人の判断は身体の反応いわば科学的な方と霊障の類の半々です。どっちもどっちでどっちも信じたり信じていなかったりでさらにパニックになっていきます。

そのあと友達に電話したら先生に一回見てもらったら?と科学的に言われると、そうだよね。多分これそうだよね、薬が合ってないとかだよね、と納得するのですが電話を切ったあとに不思議な現象が起こると霊障のように考えてしまっている自分がいるのです。

あの時あんなことしたからだ、とか今まで自分のした悪いことがすべて思い出されます。

なんども寝ようとしたのですが眠れもしません。

常に何かしなくてはと言う強迫観念があります。

夜中にキッチンの廊下で必死に謝っていました。

そうすると離れて暮らす親や兄弟の声で「だから言っただろう」という攻め立てる類の声が聞こえてきました。

玄関の向こうで姉の声がします。

「あんたはまだ本気じゃないな。死ぬ気になってやったことないだろう。今から本当に本当に全力で走って、誰に止められても殴ったり攻撃しなければ、みんなが会いに来ているから会わせてやろう」と聞こえました。

僕は「自分なりにこんなに頑張ったのに、ふざけんなよ、じゃあやってやるよ」と言いすごい勢いで玄関を開けて走り出しました。

ここは覚えています。本当に全力で走りました。

しかもその家中掃除して寝てもなく、ろくに食べてもない状態で、まさに鬼の形相で川沿いを全力疾走しました。

前も見ていません。ただ怒り全開で全力で走りました。

「もうちょっと、あと少しだよ」と声が聞こえて、けれどさすがに途中で倒れました。

そうしたら何人もの声で「また演技するんか!本当は出来るくせに!みんなまだだよ!こいつはまだ走れるはずだから」と聞こえなんとか立ち上がりフラフラになりながらも走りました。

前も見ずに全力で走っていると、二人がかりくらいで堤防の下に突き落とされました。


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