【相手と同じ側面を見ながら会話する必要はない】

娘はポケモンが好きだ。
毎日、一定時間、ポケモン大図鑑2冊(上下巻)を見るほどの熱の入れようである。

一方、僕はまったくポケモンに興味はない。
僕が「ポケモンGO」に夢中になり過ぎて、交通事故を起こす確率は、オスである僕が妊娠する確率より低いと断言できる。

娘と2人でいる時、ポケモンの話題になる時がある。

ポケモン大好きな5歳児と、ピカチュウの名前すら覚えるのが面倒くさくて電気ネズミと呼ぶ44歳児との会話がどのように展開されるのか、想像できるだろうか?

そもそも、僕はポケモンに関して無知であり、覚える気すらないので、娘と同じ土俵で話すことはできない。

ただ、僕は、「娘がなぜそこまでポケモンにゾッコンなのか?」という点には、大いに興味がある。

だから、娘を質問攻めにする。

「このポケモンのどこが好きなの?」
「このポケモンは何タイプ?」
「このポケモンの進化形は何?」

そうやって、娘がポケモンのどこに惹かれているのか、情報を統合して考察する。さながら取調室の刑事になった気分だ。

娘は僕の質問に嬉々として答え、その専門知識を得意げに披露する。

このように、話題の中心軸に興味がある人間と、まったく興味のない人間が会話を成立させ、大いに盛り上がるという現象が起こる。

娘は、ポケモンそのものを観ているのに対し、僕は、ポケモンを通して娘を観ている。

相手と同じ側面を観る必要はない。

「この人とは趣味が合わないから。」
「この人とは価値観が違う。」

そうやって踵を返す前に、ちょっと待ってみよう。

会話の切り口は、360°あるのだから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?