マツキヨさんと味噌煮込みうどん

ドラッグストアのマツモトキヨシを見かけると、ふと思い出すおっちゃんがいる。

たぶん、6年以上は前のことだと思う。
名古屋で受験した資格試験の帰り道、一緒に受けていた何人かで歩いていたら、なぜか道端で会話が始まった。
どんな風に始まったのかは、ほとんど記憶にない。
たまたま、おっちゃんを含むそこにいた全員が関西人だった。

歩く方向が一緒だったからか、歩きながら話していた気がする。
楽しそうに話すおっちゃんだった。

みんなお昼ごはんを食べていなかった流れで、味噌煮込みうどんをご馳走になった。
今考えると、どんな流れやねんと思う。
マツキヨって呼ばれてんねん、と笑うおっちゃんは、お医者さんだった。

私たちも苗字くらいは名乗った気がするけれど、マツキヨほど覚えやすいものでもないから、たぶん忘れられていると思う。

写真を撮ることも、連絡先を交換することもなく、この記憶だけが残っている。
記念写真くらいは撮っておいてもよかったかもしれない。

拝啓、マツキヨおじさんへ。

お元気ですか。
あなたと話した時間が楽しかったおかげで、記憶の引き出しはドラッグストアのマツモトキヨシを見かけるとたまに開くようになっています。

味噌煮込みうどん、ご一緒させていただきありがとうございました。

話した内容など、細かなことは忘れてしまいましたが、良い時間だったことは確かです。
今もふと思い出すたび、ほんの少し元気をもらえております。

仕事柄大変やもしれませんが、どうかお身体に気をつけてお過ごし下さい。