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ドクダミクッキング

丁度1ヶ月前の今頃、我が愛しきドクダミは斯くの如く可憐な花を咲かせており、まさしく旬を迎えていたのでありました。
ドクダミは花が咲く頃が一番藥効が有る様です。

花附きのドクダミ

然るに収穫します。
今や専用の花壇になってしまった「ドクダミ畑」で愛情を持って放置した結果、今年も良いドクダミが育ちました。

根っこごと丸洗いして天日で干します

そしていつもの様にドクダミのお茶っ葉を作ります。
實は花の附いたドクダミのお茶は市販品を賈おうとすると、それなりに高価な様です。

でも、ウチのは全部タダです。
タダでこんな良い物が作れるのですから、こんな旨い話はありません。
甘くてクリーミィな獨逸國の飴玉の様に、こんな素晴らしいドクダミが生えてくるウチの花壇はきっと、特別な存在なのだと感じました。

我が愛しきドクダミ|くつろぎぶた|note

…去年も同じ様な事をしておりました。

数日間干して乾燥させたドクダミ

雨とカビにさえ氣を附ければ放っておいても出來ます。
あとはこれを鋏で細かくすれば出來上がりです。
ウチのドクダミは花から根っこまで入っているので榮養満点なのです。

ドクダミの一番茶

いつも乍ら獨特の風味のある良い味わいです。


…と、ここ迄が前置きです。
今回はそんなドクダミを料理してみようと思います。

…お茶っ葉にしてもまだまだ大量に生えているものですから………。

ドクダミの根と葉

然るに収穫します。
料理に使う部位は根っこと葉っぱです。
それぞれ入念に水洗いします。
根っこは水に浸して灰汁を抜きます。

丹念に茹でます

根っこは湯がいて和え物にします。
文献によるとドクダミの根っこは飢饉の際に食されていたそうで、地下茎はでんぷん質が豊富な様です。

實際に引き抜いてみると長い物では40~50糎もの長さがありました。
もう少し育てて(放置して)いればきっと、もっと太くなったかもしれません。
途中で千切れてしまわない様に注意深く根を掘り返しておりました。
いやはや地上部の可愛さと裏腹に、この草の生命力の秘訣はこの根にあるのかもしれません。

衣を附けて油で揚げて…

葉っぱは天ぷらにします。
これも文献によると比較的ポピュラーな食べ方だそうです。
ドクダミ特有のあの臭氣とエグ味は熱を加える事で無くなるんだそうです。
出來た天ぷらには塩を一振り致します。

完成

今日のおかずはドクダミ尽くしです。
こう云う献立には酒が附き物ですが、今回はそれは厳に控えておきました。
何故ならドクダミは高カリウム食品なので、ここに酒が加わったら腎臓に大変な負荷がかゝるからなのであります。

熱を加えているのでカリウムも大半が失われたと思いますが、折角なので今回は酒の代わりにこちらを出しました。

自家製梅シロップソーダ

これまた手作りの梅シロップを炭酸で割って曹達にして呑みます。
このシロップも去年大量に作ったものでして、なかなか減りません。
夏の暑い時期はこのクエン酸たっぷりの曹達水がとても旨いのです。

この夏はこれで乗り切る!|くつろぎぶた|note

參考迄に去年の様子です。


さて、氣になるドクダミの味の方ですが…

まず根っこの和え物は歯触りが硬く食感は劣りますが不思議な甘味があり、それなりに美味しかったです。
やはりでんぷん由來の甘さと思われますが、硬いのさえ氣にならなければ結構イケます。
もう少し根を肥やせられゝばもっと食感が良くなるかもしれません。

そして天ぷらの方はかなり旨く、次々に食べてしまいました。
以前自家栽培の紫蘇で作った天ぷらと同じくパリパリの食感でサクサクと小氣味の良い音を立てておりました。
ただ、これも旨い乍らもドクダミ特有の癖のある風味がするものですので好みは別れそうです。


…と、斯くは自宅で手輕に、しかもタダで出來る藥膳料理でございましたが、こう云う物は藥効の作用もあり、あまり大量に食べ過ぎないと云う事が大事な様です。
一寸した量をおかずにするだけで頗る健康的な献立になるかと存じます。

ただ、これは専用の花壇で育てられたドクダミですから安心して食べておりましたが路地にある物は控えた方が良いかと存じます…。

一度根附けば放っておいても澤山生えてきます。
そんなドクダミを雑草と思わず、ありがたい藥草と思う事に致します。
それこそ今年もかの「レナウン娘」の様に…

ワンサカ、ワンサ♪ワンサカ、ワンサ♪
いぇ~い♪いぇ~い♪いぇいぇ~い♪

…と云う訳です。(若い人は知らないだろうな……)

〽ウチの花壇に夏が來りゃ、いぇいぇいぇいぇいいぇい♪イイわぁ…!

日陰で地味なドクダミさん。
いつも大変お世話になっております…。

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