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【朗読日記】青空文庫 小酒井不木『玉振時計の秘密』についてと朗読所感

下手くそな素人朗読で、青空文庫にある小酒井不木氏の『玉振時計の秘密』を読んでみました。
自分としては9こめの朗読になります。

今回のMy朗読モード

実は”訳文”にうんざりして、ちょっと日本語作品を読んでみたくなり、自分が読むついでに読み上げた――というものです。
「読み方」は、”クイズの出題”のような読み方になっていると思います。

後述しますが”物語感”の低い作品のため、変な”声変え”をせずにすみました。結局のところ、読み方は作品内容に影響されるようです……。

(補足)作家名について

「小酒井不木」の読みについては二通りあるようですが、本作についての青空文庫の情報には次のようにあります。

作家名読み:こざかい ふぼく
ローマ字表記:Kosakai, Fuboku

つまりはひらがな表記とローマ字表記で”読み”が違うのです……w。

しかしながらその一方で、小酒井不木氏については もぐらもち氏 が詳しく、その彼は「検証の結果、『こさかいふぼく』が妥当との結論を導き出している。」と記されているので「こさかいふぼく」と読んでいます。

動画はこちら

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特には何もないです。

シリーズの概要についての所感

本作は名付けて(?)<少年科学探偵塚原俊夫シリーズ>。
シャーロック・ホームズを模したような設定で、小酒井不木氏の少年少女向け探偵小説といったところです。
ホームズ役は賢いけれどちょっと意地悪な少年・塚原俊夫君、ワトスン役は彼の守護者にして、心の暖かなその兄――。
”How”――「どうやって」「どのように」がメインになっており、”物語”の要素は低い内容のように感じます。
つまりは少年少女向けといえども、ワクワクしたり、感涙したりということはあまりなさそう。
そうした点では江戸川乱歩氏や山本周五郎氏の少年少女向け探偵小説の方がはるかに”物語”とよべるものになっています。
ですので、このシリーズは”サクッ”と読む(聴く)ような話といった印象でありました(おっと語調がうつってしまった!)。”物語”の情緒を味わうようなものではないかな……。

(今回の)お話の概要と感想

本作『玉振時計の秘密』は、いわゆる”倒叙ミステリー”でした。
刑事コロンボで有名な、最初から犯人がわかっている……という例のアレです。
まぁまぁ楽しめるお話かなと思います。(実はもう一作読んだのですが、そちらはあまり面白くなく、結構退屈でした。)
この『玉振時計の秘密』では、「犯人のやらかした(というかやらなかった)”手抜かり”は何だったのか?」というのがお話の主題になっているのですが、これについては、個人的には「なるほど!」ではなく、「へぇ~、そういうもんなんだ」というので終わってしまいました。
知識不足ですね……w。

おわり

付録、事件メモ

「犯人の”手抜かり”とは何だったのか?」

犯人:小野龍太郎
被害者:佐久間
動機:金銭問題
凶器:ピストル

殺害方法と殺害場所:
 夜、被害者一人しかいない時間に被害者宅を訪れ、応接室にて殺害する。
 ゴム手袋をはめて、ピストルでどすんっ!
 
アリバイ工作:
 殺害現場にある玉振時計を壊して、殺害時刻を偽装する。
 ↓
 壊れた時計の針を午後7時50分(殺害時刻)から 9時半にすすめる

アリバイ:
 午後9時から11時まで学生時代の友人たちと懇親会

死体の発見:
 午後10時、外に出ていたお手伝いさんが戻り、会合にでかけて留守のはずの支配人の応接室に明かりがついていることを不審に思って応接室をみてみた結果、死体発見に至る。

容疑確定のために証明すべきこと:

 1.犯人が被害者宅を訪れたことの証明
 2.時計の針を動かして殺害時刻をごまかしたことの証明

青空文庫【作品情報】

青空文庫「図書カード:No.48069」の作品です。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000262/card48069.html
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作品名:玉振時計の秘密
著者名:小酒井不木
初出 :「少年倶楽部 一四巻七号」1927(昭和2)年7月
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底本:小酒井不木探偵小説選 〔論創ミステリ叢書8〕
出版社:論創社
初版発行日:2004(平成16)年7月25日
入力使用版:2004(平成16)年7月25日初版第1刷
校正使用版:2004(平成16)年7月25日初版第1刷
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入力者名:川山隆
校正者名:門田裕志
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TEXTファイル作成日:2010-08-12 (修正日:2011-04-30)
XHTMLファイル作成日:2010-08-12 (修正日:2011-04-30)

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