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NHKスペシャル 原爆 いのちの塔 (ドキュメンタリー)

8/6(火) 午後10:00-午後10:54

公式サイト

原爆投下により壊滅的な被害を受けた広島。その中で、被爆直後から医療活動を続け、負傷者が殺到したのが広島赤十字病院だ。NHKは、「いのちの塔」とも呼ばれた病院で、医療活動の指揮をとり続けた院長・竹内釼が残した手帳を入手した。番組では、竹内資料などをもとに、被爆直後の医療現場の最前線を追体験していく。人類が初めて直面した核兵器の脅威、それに対峙した医療従事者たちの視点から、被爆の実相に迫る。
(以上 公式サイトより)

昨日は広島原爆の日。
朝は黙祷し、夜はこの番組。
再現ドラマと実録を組み合わせ、誰が見ても戦争の愚かさを理解できる秀逸なつくりだった。

ご自身も重傷を負いながら、院長として戦禍の医療現場を率いた竹内釼氏の姿には、賞賛や尊敬の言葉さえ空々しく、他に言葉が見つからない。

広島赤十字病院が名実共に「いのちの塔」である事は、当時も今も変わらない。
それ故に、自死を選んだ若い眼科医の苦しみは、悲しいけれど人間として耐えられなかったのだろうと推測する。
竹内院長も、恐らく眼科医同様に苦悩していたとは思う。しかしそこを乗り越えたのは、原爆投下一年前に書き上げた医学書の存在ゆえではないだろうか。
「戦争は思想・文化・科学改善の父にして、医学・軍陣医学・軍陣外科学進歩の母なり」
時節柄かつての自分の主張が間違いではなかったと思いつつも、その思想が原爆という恐ろしい究極兵器を生み出したこと。その結果に医学は太刀打ちできないという事実に苛まれ、その責任として生きて研究を続けることがせめてもの贖罪になると思ったのかもしれない。

結局アメリカは、自国の兵器を試してみたかっただけなのだ。その実験場所に日本を選び、今も核を傘にオラついているのが心底腹立たしい。

戦争に勝者はいないのだ。

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