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グランパの戦争〜従軍写真家が遺した1千枚〜 (ドキュメンタリー NHKスペシャル)

初回放送日:2024年8月16日

オランダに暮らす写真家のマリアンは、家族の“忌まわしい”過去を発見した。マリアンの祖父、ブルース・エルカスが撮影した太平洋戦争の写真だ。激戦地・硫黄島に並べられたアメリカ兵の遺体や頭髪が残ったままさらされた日本兵の頭蓋骨。さらに、占領下にあった進駐兵向け「慰安施設」の内部とみられる、極めて珍しい写真も含まれていた。残された1000枚の写真は、79年の時を超え、私たちに何を問いかけているのか辿る。
(以上 公式サイトより)

従軍カメラマンも1人の兵士である。
写真を撮るのが仕事であっても爆弾や銃弾が避けてくれるわけではなく、それこそ命懸け。戦地のリアルを撮影・現像・記録として遺しておいてくれた事に感謝しかない。
そしてそれを託された方が秘匿することなく、こんな風に世界的に公表してくれたことが、とても有難い。ドキュメンタリー番組として制作・報道したNHKも素晴らしい仕事だ!

番組の最後、マリアンさんは私が思う事そのままを言葉にしてくれた。

「今も世界中で絶えることのない戦争を自分の家族に置き換えて想像できれば、間違いなく大きな意味を持ちます。
平和な場所で暮らす私たちにはただ安住するだけでなく、想像力を駆使し、どうしたらより良い未来を築くことができるのか、考える責任があります。
ありがたいことに、子供たちは戦争を身近に体験していません。
彼らが自分事として戦争を捉えることができるような物語を紡ぎ出せたら、こんなに大切な事はないと思います」

誰もがそう思うだろう。
これまでにも「地獄の黙示録」や「ライフ・イズ・ビューティフル」「火垂るの墓」など、古今東西映画やアニメといった様々な手段で人は戦争を題材として制作し、共有してきた。
にも関わらず、現在もウクライナやガザが戦地となり、戦禍は治っていない。

戦争を扇動するものを放棄し、封じ込めるためにできる事を、ひとりひとりが真剣に考えて実行するにはどうすれば良いのか。問い続ける日々である。

マリアンさんの言葉「トンボは亡くなった人の魂を運んでくる」
日本でも、蝶や蛍など死者の魂については同じように言われる。
国は違えど似た精神性があれば、わかり合えるのではないかと思った。


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