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上海の芥川龍之介 (スペシャルドラマ NHK)

昨年録画していたのを間違えて消してしまい、がっくりしていた。が、先月再放送されて録画して、やっと見られた。

芥川龍之介が上海に行っていた事を知らなかったので、とても興味深くドラマを見た。ひょろっとしてどこか病的な雰囲気のある松田龍平は、芥川龍之介役にピッタリだった。そしてルールーという青年の美しさに圧倒された。

ドラマの中で描かれていた上海は、とにかく混沌としていた。革命の芽生えが予想されつつも、まだまだ貧富の差が大きく、出口が見えそうで見えない不安に包まれているようだ。新聞社の特派員としてそんな場所でしばらく過ごした日々は、感受性の強い彼の心に少なからず影響を与えたと思う。そのうち『支那游記』も読んでみたい。

漠然とした不安に立ち向かう強さを持てなかった大作家、そんな彼だから今も残る小説を書けたのだろうか。彼について調べていたら、思いがけないことを発見した。私の父と彼の命日が同じなのだ。これも何かの縁なのかと、二人を偲びたい。





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