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転職作法(外資系企業編)


終身雇用の制度が盛んな日本でも、新卒で入社してそのままその企業で生産年齢(15歳ー60歳)を終える人が少なくなっています。

これは国交省のデータからも明らかになっていることですが、そのような事実が、そもそも就労者の「終身雇用」への関心が下がっていることが伺えます。

転職は他人事ではありませんし、自分がいつ早期退職や自主退職を勧告されるかもわかったものではありません。

私は今の企業に新卒で入ったわけではないので、今の企業に所属しつつ、ご縁があればスカウトの話には耳を傾けています。

これは、今の企業に不満があるということではなく、会社に飼いならされることなく対等な関係で就労条件等を交渉するためでもあり、また、自身にもっと合った組織が見つかった時にReadyな状態としておくためでもあります。

前置きが長くなりましたが、国家公務員、地方公務員、日本企業、外資系企業を舞台に転職活動を行うことにより、それぞれの採用形態や求めるもの、人事の考え方に差があることを面白く思っておりました。

今回はその中で外資系企業の内定を数社獲得するまでの過程を紹介します。


1、スカウト方法は他社エージェントが多い

【ご縁の始まり】

現在IT系の企業に勤めていることもあり、やはり転職候補もITメーカーやSaaS、Sierなどが多いのですが、今年に入って内定を得た3社のうち2社がLinkedinを通してのご縁でした。それ以外の会社は別の転職エージェントからのスカウト。

【アプローチ方法】
日本の上場企業からのスカウトでは直接そこの人事担当者(を名乗る人)から連絡が来ることが多いのですが、外資系企業はエージェント(ヘッドハンティング会社)を雇っていることが多いです。今回も社内に常住しているエージェントを通してのスカウトでした。これは外資系企業の人事部門の人間も離職率が日本企業に比べて高いため、エージェントに組織として依頼したほうが継続して人材の発掘が成し遂げられやすいからではないか、とのことです。

2、まずはカフェか電話で面接

【選考フロー】
内定を得た企業はそれぞれ書類選考→面接といった形ではなく、SNSを通じて話したり、エージェントを通じて話したりした後に面接、面接までに書類を送っておいてくださいという、書類審査が形骸化したものが多かったです。

【面接場所】
最初の面接は、面接というより世間話をすることが多いです。
方法は会社近くのカフェであったり、遠方の場合は電話で話すことも多いです。この場合は、現場のマネージャークラスがほとんど。

3、面接の内容と面接官

【面接の内容】
カフェでの面接を終え、その面接をパスすると会社に呼ばれます。
面接の内容は一言で言ってしまえば、「あなたはどれだけ、どんな仕事が、どの時間内にできるか」というものを追求するものです。
日本企業の面接や、公務員試験の面接と比較して一番面白かったのはこの点。
学歴も、性格も特に突っ込むような内容はありませんでした。

【面接官】
企業にもよりますが、面接は通常3回。
現場マネージャー(課長級)→部門責任者(部長級)+人事責任者→事業統括責任者(執行役員)といった感じです。

4、内定から条件交渉まで

【人事】

面接の中でも人事とは話しますが、その時点ではどのくらいの給料をもらっているか、どれだけの給料や待遇を希望するかを重視されます。
内定後は、こちらの希望よりも、相手が自分にどの程度の条件で入社してほしいか、という交渉になります。
この条件を改善してもらいたい場合は、直近半年の成績、昨年度分の源泉徴収及び直近の給与明細、現在の企業で転職先と同じような仕事をした場合の給与予定額の根拠などの提示が求められます。

5、最後に

国家公務員、地方公務員、日本企業、外資系企業の中で、最も個人のプライベートに興味を持っていないのがこの外資系企業の採用でした。
個人的にはこの形態が仕事は仕事に、プライベートはプライベートに集中できるので今の外資系企業も気に入っています。

しかし一方で、「自分個人のことを見てもらえていない」ということで辞めていく新卒さんたちもいます。

次回はそんな個人の性格等にも重きを置く日本企業の転職活動について書きたいと思います。

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