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大掃除という怪物-2020-

先日ぎっくり腰になった。

先延ばしで延ばしに延ばした大掃除中にグキッと。

最新家電で掃除は完璧の完全武装と確信していた2020年だが、今年もまた大掃除という特大の怪物に膝をつきそうである。

こんなことなら普段から少しずつ綺麗にしておけばよかった。

毎年そんなことを思いながら年末の掃除に追いかけられている。


掃除に振り回されるなんてごめんだ。掃除を制するのはこの私なのだ。

便利な最新家電でチャッチャと掃除を済ませて他の時間を作る。

家は綺麗になるし、自分の時間もできる。

これぞ現代。これぞ令和。

掃除機はコードレスにしたし、床の水拭きはもう随分前から水拭きクイックルのお世話になっている。

今年はお掃除ロボットを導入してついに掃除機の回数を減らした。

最高に余裕。掃除なんて楽勝なのだ。


しかし、どんなにアイテムを最新で便利なものにしても起動させるのは他でもない自分であることに最近まざまざと気づかされている。

コードが無くなって身軽になった掃除機も充電台から持ち出して入ボタンを押さないと吸えないし、水拭きクイックルは水拭きシートを出してクイックルワイパーに付け替えないといけない。

お掃除ロボットはスタートボタンを押さないと動かないし、お掃除ロボットに掃除してもらうためにちょっとした物は結局自分でどかしておかないといけない。

よく考えれば当たり前だ。よく考えなくても当たり前である。


面倒だ!!

この面倒さに呑み込まれると家の中は一気に埃まみれになる。

最新機器は常にスタンバイ状態で黙ったまま。

たまに動かすけどマメでは決してなかった。

こんな私はコンビニが家の前にできたらいいのになと思っていてもいざ目の前にできると今度は家から出るのが面倒だと思ってしまうだろう。

どんなにモノが便利になっても結局は使う人ありきだし、使う人の意識の問題でもある。


最新家電ですっかり掃除を制したと思い上がっていた私は、ぎっくり腰というダメ押しで日々の怠慢を目の前に叩きつけられてしまった。

階段の隅の細かなチリ、洗面所の床に少しずつこびりついた曇り、お掃除ロボットのフィルターの埃。

まさにチリも積れば山となる。チリだけに。やかましいわ。

つまるところ掃除はできてるようでできていないし、しているようでしていなかった。

サポーターでがっちり巻かれた腰をさすりながら年末までの日数を数えている。



完全武装で支配したつもりが、今年もやはり掃除という怪物が私を振り回す。

普段から掃除してるし大掃除なんて楽勝。

とんだ思い上がりが命取りになった。

こちらが大掃除をのぞく時、大掃除もまたこちらをのぞいているのだった。



まだ車とレンジフードの掃除が終わってない。

年末まで1週間を切った。

あーどうしよう。


おばた



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