お店をみんなが応援しやすい環境へ
小さなお店を応援しようと、散歩がてら空いている時間に商店街の小売店や飲食店のテイクアウトなどを利用している。このとき気になるのが現金払いとノーマスク。。。
お店の方はいろいろ大変な状況と思うものの、キャッシュレス対応とマスク着用をして頂けると顧客としては安心して買いやすい。
キャッシュレス対応は既存顧客や新規顧客の買いやすさにもなり、何よりお店のスタッフの新型コロナウィルス感染リスクを低減することにもなるだろう。
キャッシュレス・ポイント還元事業はまもなく終了してしまうが、こういう機会をぜひ逃さないでほしい。
キャッシュレス対応をしていないお店はこういうことを知らないケースもなくはないが、どちらかというと、”そんな話は聞いたけれど結局やらなかった”というケースが多いのではないだろうか。
その理由として、古くから営業しているお店の場合、馴染みのご高齢のお客様が現金払いを好むことや、新しい機器類を苦手とする年輩の社員・パートさんへの配慮もあったと思う。
さらに決済端末への投資や決済業者に支払う手数料、仕入のために売上金を早期回収する必要性、クレジットカードやQRコードなど決済手段のわかりにくさ等々、いろんな事情があっただろう。
しかし、今回のコロナで現金のやり取りを好まない顧客もスタッフも増えているだろうし、今のIT機器は昔に比べ操作が簡単になっている。その他の理由についても工夫の余地、再考の余地があると思う。
2020年9月から2021年3月までの期間、総務省において、マイナンバーカードを活用した消費活性化策(マイナポイント事業)が予定されている。
多過ぎてわかりにくい決済用QRコードも統一する動きが出ている(2020年度 総務省 統一QR「JPQR」普及事業)。
マイナポイント事業に伴い、経済産業省は中小・小規模事業者のキャッシュレス決済端末等の導入を支援するとされている。
お店の経営者からすれば、”いまはコロナで資金繰りに追われ、それどころではない”だろうが、先を見据えた対応をしていかないと、急場凌ぎだけではウィズコロナ、アフターコロナは乗り切れないと思うのである。
マスクについてはひとつの事例を紹介したい。
ある年輩の飲食店の経営者がノーマスクで金融機関を訪ね、融資窓口の若い銀行員から次のように言われ、マスクを渡されたらしい。
「融資よりマスクの方が重要です。銀行はその人間の生活習慣がきちんとなされているかを見ます。マスクしてください」
この経営者の方は品薄でマスクが買えなかったのかもしれない。コロナの対応に追われ、買いに行く暇もなかったのかもしれない。それだとしても、布マスクでも、なければバンダナを巻いてでも良かったと思う。友達や近所の人に頼んで不織布マスクを1枚貰って行っても良かったかもしれない。
顧客や従業員への配慮がある、経営意識の高い経営者と相手にわかってもらう意味でも、マスク着用で衛生意識の高さから取引金融機関にアピールして欲しかった。
マスクもキャッシュレス対応も経営意識の高さに通じてくる。顧客も金融機関もそういうところを見ている。
今は確かに苦しい。急場を凌ぐ対応も必要だ。ただ、その先を意識しているか否かはこれからますます重要になってくるだろう。
その意識や姿勢は顧客や取引金融機関などお店を応援したいと思っている人にも響くと思う。
大変な状況とは思うものの、ぜひ、経営者の方にはお店をみんなが応援しやすい環境を創って頂きたい。一人の応援者としてそう思っている。
歩く好奇心。ビジネス、起業、キャリアのコンサルタントが綴る雑感と臍曲がり視点の異論。