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「毒入りチョコレート事件」アントニイ・バークリー

1929年に世に出た作品。
もう少ししたら100年前だ。

まごうことなき古典ミステリー。
だが、古典とはいえ読みづらいということはなかった。
翻訳がよかったのかな?
スラスラ読めた。

内容はこんな感じ。

犯罪研究会という、犯罪について語り合う会があり、そこで各々ある事件について推理をし、それを発表しようということになる。
とりあげるのが、題の通り毒入りチョコレート事件だ。
贈られてきた新製品のチョコレートを試食した夫妻、夫は一命をとりとめるが、妻はなくなってしまう。
この事件の真相に7人の会員が挑む。

読んでいると7人7つの推理のどれもがもっともらしく感じるからすごい。
多重推理ものと言うらしい。

以前何かで書いたが、推理なんて事実のトリミングだ。

例えば100ある事象のうち、この20、この15、この70、などそれぞれに都合の良い事象のみを切り取ると、さまざまな結論を捏造することができるのだ。
それを面白おかしく書くのが推理小説。
なのでまさにザ・推理小説という作品だった。

そして複数の推理のあと、あっと驚く真相を用意するのを忘れない、作者すごいぜ。

古典と侮るなかれだね

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