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「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス

本屋に行ったら、新訳版が出ていた。
読んだのは大学生時代だったと思う。
地元の図書館で借りて読んだのだ。

調べてみたら、日本でも何度かドラマ化されているそうだ。
この名作がきちんとドラマになっているかどうかはともかくとして、この素晴らしい作品を知るきっかけを振りまいてくれたことは多大な功績だ!!
と言うぐらい良い話だった。

題名にある”アルジャーノン”はネズミの名前だ。

あらすじ。
知的障害のある主人公の青年、素直でいつもニコニコしている。
叔父さんのやっているパン屋に勤めていて、それなりに仲間たちとはうまくやっている。
そんな彼が障がい者向けの学習教室に行った際、どこぞの研究機関から提案され手術を受けることになる。
知的障害が治る手術だ。
同じ時期に実験で同じ手術を受けたネズミがいる。
そのネズミの名前が”アルジャーノン”だ。

主人公は徐々に賢くなって、最終的にはかなりの頭脳の持ち主になる。
それまで純朴な心で眺めていた世界が一変する。
かまってくれていた仲間たちは自分をバカにしていて、効率の悪い仕事ばかりしている頭の悪い連中ばかり、いつか主人公は増長し、人を見下すようになる。
そんな時、先に手術を受けたアルジャーノンの知能がどんどん落ちてしまう。
この手術には欠陥があり、結局もとに戻ってしまうのだ。
結局ただのネズミになってしまったアルジャーノンは死んでしまう。
これから来る絶望をなんとか回避する為に、試行錯誤する主人公。。。
あまりにもせつない物語だ。

フィクションとは言え、その切なさに涙したのを覚えている。

SF小説の傑作だ。

ダニエル・キイスといえば、多重人格者を取材した「24人のビリー・ミリガン」が有名だが、代表作は本作だと思う。

新版がどれほど読みやすくなっているか知らないが、多くの人に読んで欲しいと思う。

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