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「貴族探偵」麻耶雄嵩

なんだ?
麻耶雄嵩は普通の名探偵が書けないのか?

彼の代表的な名探偵、いや銘探偵である、メルカトル鮎など。
特殊な探偵ばかり描いているイメージ。

本作も変わった探偵が出てくる。
その名も貴族探偵。
短編集である。

やんごとなき位の人で警察にも顔がきき、事件にしゃしゃり出てくる男。
名前も明かされない。
彼は執事やメイド、運転手などを従えて、事件に接するのだ。
で、様々な事件を解決するのだが。。
ここまでの話だと、貴族である意味なんてないと思われるが、そうではないのだ。
なぜなら彼は捜査も推理もしない。
そこは貴族なので、推理だの捜査だのという労働は使用人にやらせるのだと。
前述した執事、メイド、運転手が名探偵の動きをする。

本人は本当に何にもしない、関係者の女性を口説くぐらいしかしない。
あまりに特殊な設定なので、実は最後に貴族探偵が推理をするのかと思ったが、終始働かない。
使用人は自分の道具、だから推理しているのは貴族自身だと言ってもよい、という理屈だそうです。

奇抜だ。
でも、キャラクターの奇抜さのみでごり押ししているわけではない。
ミステリーは練りこまれていて、非常に面白い作品だった。

本作を読んだきっかけは、この続編の「貴族探偵対女探偵」が、評価を受けていてそれを読むのなら、と一作目を読んだのだ。

麻耶雄嵩は特殊な探偵を描くのが好きなのかね。

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