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「ノックの音が」星新一

以前、星新一の「ほら男爵現代の冒険」の紹介を書いた。
ショートショートの星新一、めずらしく中編だったのでご紹介した。

星新一の作品は、基本的には特にテーマは統一されておらず、いろいろな話が収録されている。
どれも面白くて、時間を忘れる感じ。

そんな星新一、いろいろな作品を読んだが、まれに同じテーマを選ぶショートショート集がある。
それが本作「ノックの音が」と「声の網」だった。

「声の網」は電話がテーマの作品。
電話がらみの不思議な話、ホラーな話など様々な話が描かれる。
実は、電話網を管理するコンピューターが物語の本筋にいて、AI等がフューチャーされる現代を先取りしたような作品だった。
こちらもぜひ読んで欲しい。

本作「ノックの音が」も一貫したテーマが存在する。
ドアをノックする音から物語が始まるというものだ。
内容は同様に様々で、犯罪もの・SFもの・ホラーものと様々。

星新一はいつもの短編集ももちろんすごいのだが、同じようなシチュエーションでこれだけ多種多様な作品を書けるなんて。。神様レベルだよ。
しかも、ノックの音がからはじまるということは基本室内、限られた空間で繰り広げられるので、まるで劇の脚本を読んでいる気にもなる。
この「ノックの音が」を演劇にするっていうのもいいと思うんだけど、誰かやらないかな?
絶対面白いはず。

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