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「毒猿」大沢在昌

新宿と言えば、夜は犯罪の街、だと思っているから怖くてあんまり夜うろついたことはない。。
池袋は大丈夫なのになぁ
そして、夜で犯罪といえば暴力団、俗にいう”ヤクザ”だ。

新宿を舞台とする物語なので、ヤクザが出てくるのは当然だと思うが、台湾の殺し屋まで出すとは、2作目なのに攻めすぎではないですか?
大沢先生!!

本作はキャリア警察官だったのだが、内部闘争に巻き込まれた結果はぐれ刑事となった鮫島こと”新宿鮫”が活躍する人気シリーズの第2作目だ。

前作は過去のある刑事と警察組織のありよう、そしてある犯罪を必死に追い続ける刑事の様子が描かれた傑作ミステリーだった。
ハードボイルドの傑作だった。

2作目もそんな警察捜査や組織の論理などが描かれるのかと思ったが、なんと本作は台湾の殺し屋にヤクザに台湾の敏腕刑事が出てきて、戦いを繰り広げるアクション小説になっていた。
びっくり。
でも面白い。

鮫島というキャラの立った人物が、荒唐無稽になりそうな物語に、ある程度のリアルを与えている。
また、中国関係の政治問題や日本でも存在する人種差別なども取り上げているので、ただの鉄砲バンバンものよりも深みのある物語にしている。
だから面白く読むことが出来たのだ。
このバランスが上手だなぁと思った。

ただ、この殺し屋”毒猿”の殺しに使う技術が、ネリチャギというテコンドーのかかと落としだというのも少年心をくすぐってくる。
新宿御苑での死闘はハラハラドキドキした。
いまでも新宿御苑を見るとネリチャギを思い出す笑

警察物で政治もからみ、少年心をくすぐる殺し屋が出てきて、内容はもりだくさん。
でも2作目でこれやるか!?と改めて思うね。

最近殺し屋もので面白い作品を見たので、殺し屋ものを紹介しようと思う。
殺し屋もの紹介の第一弾。


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