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「銀河英雄伝説」田中芳樹

SF小説、特に日本SFを紹介したかった。
で、思い出したのが本作、というか本シリーズだった。

田中芳樹には学生時代はまった。
竜の四兄弟の話「創竜伝」、漫画にもなっている「アルスラーン戦記」、「マヴァール年代記」「タイタニア」「七都市物語」、そして中国もの。
図書館で借りて、読んで読んで読みまくった。

一部の作品で共通して出てくるのが、戦術がぶつかり合う戦争シーンだ。

戦術ものの老舗は三国志だと思う。
人によっては武将の強さ、かっこよさが魅力なのだと主張するだろう。
自分は違う、三国にいる軍師たちの戦術のぶつかり合いこそが三国志の魅力だ。

本シリーズは三国志を凌駕する戦術のぶつかり合い。
田中芳樹の最高傑作だ。

帝国にいるラインハルト、同盟にいるヤン。
2大国家の長年に渡る戦争、その膠着状態が二人の天才によって崩れていく。
壮大なスペースオペラ。

夢に向かってまっすぐで、高潔な人柄であるラインハルト。
どこかのんびりした雰囲気だが戦術の天才で、かつ自由とういものに対して確固たる信念をもつヤン。
そして二人を取り巻く部下や家族たち。
みんなキャラクターが素晴らしく、一人一人に興味が出てくる。
その死に嘆き、その信念に熱くなれる。

戦術シーンもすごい、たくみな戦略で開戦前から有利に進めるラインハルト、それにより不利になった戦況を奇術のような戦術で覆すヤン。
戦術をテーマにした作品は多々あるが、このシリーズに勝てる作品はない!!

また、ヤンの信念も良い。
そのセリフが良い。

「国家の存亡なと、個人の自由と権利に比べたらたいしたことはない」

「政治家が賄賂をもらうのは政治の腐敗じゃない。それを正せないのが政治の腐敗なのだ」

などなど。

戦記もので宇宙もので、ヒューマンドラマで、政治もので、時に青春もの。
何度も言うが、最高傑作だよ~

創元社で文庫が出ていた。
欲しい!!買ってまた読みたい!!!

銀河の歴史がまた1ページ


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