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生きている、死んでいく

こんにちは。

割とぐうたらした昨日。夜ご飯を作るのはパスしよう!と決めてテレビを長めに見たり、本を読んだり、遊んだり。ダラダラのんびり。お腹すいた子どもたちと食材探検をする。冷凍チキンライスにそれぞれ息子たちが自作した目玉焼きをON。あり合わせも自分で決めれば子どもたちは食べる。

私はサッポロ塩ラーメンを食べようと作っていた。そんな時間に。

ニコニコ次男と話しながらチキンライスを頬張っていたはずの長男が急に大粒の涙をポロポロ流しながら来た。

おぉ?どうした?どうした?

あと2分でインスタントラーメンできちゃうんだけどな???←そこじゃない。

お母さんが死んじゃうのが寂しい

1人になるのが怖い

僕は誰にも死んでほしくない

僕はサンタさんに死なない薬を4つ頼む

あと70年もしたらお父さんもお母さんも死んでしまう

なんで死んじゃうの

どうして死なない薬はないの

生きててよ

僕を1人にしないでよ

堰を切ったように
ドドドドっと激流の滝のように話された

私は不謹慎だなと思いながら嬉しかった
息子に顔を見られないようにした、多分笑顔だった

ああこの日が来たのかと
そんな話ができる君が

生きてる

私は立ち尽くす息子の前に立膝で座り目線を合わせながら話を聴いた

息子の話をうんうん、と聴きながら

私にできる返事はあるのだろうか?と思いながら話を聴いた

頭の片隅で、哲学対話の仲間が浮かんだ
志帆さん、隣にいてほしいよ、って思った

でもキッチンには私と長男しかいなかった
次男は気にせずチキンライスを食べている

現実を生きてる

長男をそっと抱きしめて
そうかそうか、お母さん、お父さん死んじゃうの怖いね、不安だね、よしよし、と背中を撫でた

私は専門知識ないけれど
長男は首の後ろの下の肩甲骨の間を撫でると落ち着く

学校で嫌なことあったのかな?とか
私の接し方がキツかったのかな?とか
何か本を読んだのかな?とか
きっかけは気になったけど

長男が今に至った理由
私の聞き方一つで私個人の決めつけが入ってしまうから

私の前提が入らないように問いかけた

こんなに一気に話してきたことあったかな?ってぐらい話してくれた

1ヶ月前からずっと大切な人の死に対して考えていること
急に悲しくなること
1人が怖いこと
1人でもできることを増やそうと頑張っていること
お母さんもお父さんも弟もずっと一緒にいたいこと
ずっとずっと生きててほしいこと

ああこの子はもう大丈夫だなあと思いながら聞いた

生まれてきて、死んでいくことを理解しようとし始めた

その恐ろしさと闘い始めた

それは私も全く同じことを考えて不安に思って自分の両親に訴えて泣いたのだ
ちょうど君の年齢の頃ぐらいに
お母さんも死ぬの寂しいし、怖いよ、と伝えた1人になりたくないって思ってたよ

私もあなたとおんなじ気持ちを持ってるよ

そう伝えた上で
お母さんが今思っていることを話すね

お母さんはいつか死んでしまう
それは変えられない
だから今たくさん生きて、たくさんお話をしましょう

学校に行っている時、お母さんに会えない時、私がそばに居なくても、あなたが私を思い浮かべてくれたら、わたしはあなたの心と頭の中に生き続けています

だから死んでも生きてるの、わかるかな?

生まれてきて、死んでくれた、っていつかわかる日があなたにも来る

怖かったね、話してくれてありがとう、と伝えた

そうしたら長男はわぁぁぁぁっ!と泣いて

食べかけのご飯を食べに戻った
あ、戻った(笑)って思いながら、私は鍋で待っていたラーメンを食べた

なんとラーメンは伸びていなかった

↑そこじゃない。

ほんの数分の対話

濃かった

実はお父さんには1週間前に話している、とポツリと言われる

夫よ!なぜこういう大事なことを共有しないかな!?(怒)

と少し思ったけれど

夫の思考回路ではこの件は大したことない、と言うと語弊があるな。誰もが通る自然な道の内容なんだよね、うん、大袈裟にしなくていい。

今は寝室が別なので一緒に寝たい!とリクエストをもらって一緒に寝る約束をした

次男は『死んじゃうけど死なないから大丈夫。みんな一緒に天国に行けるよね?』って話してくれて、なんだかそれも真理だな、と思う
だから今日は一緒にお風呂入ろう!おっぱい触らないから!と誘われる**
うん?そこはそろそろ卒業しようか?7歳児よ

次男は私と入浴し
長男は帰宅してきた夫と入浴した

話をさらにしていたら
長男は日本昔ばなしを最近どんどん読み込んでいるらしい

私が死ぬのも生きるのも怖くなった話がある

八百比丘尼、だ

長男が泣いてきたのも、その話を読んだからだった

でも長男は自分の死ではなくて家族の死を恐れた

死は体験できないので、その恐怖は想像力が発動しない限りわからない

だから息子は心の成長を遂げたんだな、と感じた

息子たちはまだ身近な人の死を知らない

私が死の恐怖を両親に訴えた時、父は動揺して『さるかに合戦』を読んだり、毎晩ジャンケンをして私を笑わせようとした

母は当時ひとりっ子の私に(妹は翌年我が家へ来た)『何があっても1人で生きていけるように生活の仕方をきちんと身につけなさい』と言った

その後に私は遠縁の親戚を亡くして遺骨を拾った

父が病気で入院した
母が切迫流産で入院した

あの時の恐怖は忘れない

両親がいない、下校してもいない
死んでしまう、お見舞いに交互に通った

病院のあの独特の匂い、リノリウムの床

薄暗い廊下

両親に買ってもらったぬいぐるみを抱きしめてバスと電車を乗り継いで行った

あの匂いがすると、私は今でも泣きそうになる

父の手術は成功した、本当にどうなることかと思ったけど生きてる

母は妹を連れて帰ってきて、私はお姉ちゃんになった

10歳の夏の話

話がズレた、戻そう

まだ不安そうな顔をする長男に何か安堵できることを渡せないかな?とGoogleに頼ってみる

NHKの子ども科学電話相談室の悩みがヒットした

ああこの夏に息子たちとデビューしようと思ってまだ一度も聞けていなかった

なんとこのタイミングで聞けますか!

長男とイヤホンを片方ずつ分けて聞く(恋人か)

ゆっくりゆっくり長男が落ち着いていくのがわかった

良かった

明日は、学校には教室までついてきて欲しい、と頼まれた
僕、担任の先生ともこの話がしたい、と

どうなるかわからないけれど、今日ついていきます

もう25年近い愛読書。ボロボロ。
折り紙の折り方も工作も全部この本で覚えたんだと思い出した。

この本は亡き叔母からの贈り物。入学お祝いだったはず。父の姉。よく話す人だったなぁ。

息子と印象に残ったお話の意見交換をして寝ました。
私の怖かった悲しいお話は『雉も鳴かずば撃たれぬものを』調べたらいわれは多説模様。

長男と話しながら、10歳の私が34歳の私に会いに来たって思ったよ。
あの時、たくさん泣いて考えて、同級生に笑われて、親にいなされて、少しずつ肝心な事は相談しなくなった私は自分を生きる事のやり直しを今している。

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