大熊は生きづらい。

 今月は一風変わって、大熊の主義・主張を書いていこうと思います。別に自分で勝手にやっているものなので、どうでもいいかもしれませんが、一応断りをと思いまして。ですのでお話らしいお話ではございませんので、そこだけはご容赦ください。
もちろん、普段書いているものだってどうしても自分の思想(そこまでたいそうな物でもございませんが)に基づいてるわけですが、まあそうはいっても普段は自分が作り上げたキャラに落とし込んでいるわけで、でもこんかいはそういったことゼロの、いわば大熊らしい文章を納めたいと思います。

今回の文章の起源を少しお話しようと思うのですが、自分は今は伝説のつるぎというお笑いトリオで活動しているんですが、それ以前は現・ハンマーと、いんそむにあというコンビで活動しておりました。
その時代は一応大熊がネタをもっていって、二人で叩くという作業をしていたのですが、ネタについては当たり前ですが、試行錯誤しておりました。
ボケツッコミを入れ替えたり、コント漫才に挑戦してみたり、システム風漫才をしてみたりと、もちろん色々挑戦してみました。そしてコンビとして最後の時期に作っていたのが、一旦大熊が言いたいこと、主張をただひたすらに書いてきてそれを漫才に昇華すると言うものでした。
当時はまだ神保町が花鳥風月のシステムで、年明けと同時に月クラスに落ちた僕たちは、「鐘 ‐月‐」なるゴングショー形式のライブに挑戦しておりました。
このライブは制限時間二分のネタを披露するのですが、一分を過ぎた段階からは生きるか死ぬかのサバイバル。鐘の音を聞くことなくネタを披露できればパスするという、ドキドキハラハラなライブでした。
おそらくその時期に挑戦し始めたのがこのタイプのネタで、一応二回は鐘を鳴らさずに走りきることができました。やるやん!
実はこの頃書いていた主張が結構毎週日曜に更新している「臀物語」の方で登場したりするのですが、今回はキャラに落とし込まない、なるべく生の声を聴いていただこう、いえ読んでいただこうと思います。
ということで、おそらく一つ目に書いた「左利きは不利」、こちらを読んでいただければと思います。一応、こういった形式様にいじっておりますので、あしからず。

自分、実はこう見えて左利きなんですよね。まあ文字なのにこう見えてってどういうことって話ですけど、とにかく左利きなんです。
左利きって聞くと皆さん、どう思いますか?
まあ今どき珍しくもないですけど、でもやっぱり絶対数は少ないわけですし、なんかちょっとカッコいいイメージあるじゃないですか。分かりますよ、言いたいことは。
でもね。左利きなんてただただ不便なだけだから!

左利きの人って、どれくらいいるか知ってます?まあ僕もネットで調べただけなんであれなんですけど、何でも一割くらいしかいないらしいんですよ。
ということはですよ、どういうことかわかりますよね?そう、この世のほぼ全てのものは右利き用に作られてるんですよ。そりゃあそうですよね、消費者の九割は右利きなんだから。
僕が何かを開発する側にいたら、そりゃあ僕だってそうしますとも。よりビッグなマーケットに進出したいですからね。
例えば何が右利き用なのって、多分右利きの皆さんから当たり前すぎてわからないと思うんでお話しましょうか。
まあ毎日目にするものだと、駅の改札ですかね。ピッてやる、あれも右側。
確かに言われてみればそうかもって、皆さん頭の中で朝の自分を想像しながら思ったんじゃないですか。そうなんですよ、右側なんですよ。
だからこう、僕たち左利きが改札を通ろうとすると、クロスしないといけなんですよ。ああ恥ずかしい。
いやいやそれなら右手でやればいいじゃんって言う人もいるかもしれないんで言っておきますけど、利き手だから!そんなところで折れたくないから。てかもうそんなこというなら、お前を含め九割の人が我慢すればいいんじゃない?!……なんちゃってね。
まあそうはいってもね、僕だって完全な左利きでは無いですよ。カッコよく言うなら、両利き。そこまで器用でもないんだけどね。 
でもさ、ほぼほぼ左利きなんですよ。右利きの人が左で何かをするよりは、右で何かできる程度のものだから。
言ったら、ワンエイスですよ。分かります?8分の1、クォーターのもう一個上、ひいおじいちゃんが海外の方なのと同じ。
それくらいの割合でしか右利きじゃないから。
ちょっと分かりにくいですかね。わかりました、もう少しわかりやすく言うと、ダーツの体重のかけ方と一緒ですね。
自分の場合、左足に8分の7、右足に8分の1、体重を載せるんですよ。
もちろんあれですよ、僕は左利きだから左足が前に出てるだけであって、大多数を占める右利きの方は僕のフォームを参考にしないでくださいね。もっと言うならダーツのフォームというのは正解なんてなくて、やっていく中で自然と身につくものなんです。
ごめんなさい、話を戻しましょう。

自分の場合はですね、小学校に入る前に親に矯正されたんで文字は右手で書くんですよ。だからなんですかね、よく考えてみるとスマホも右手で操作ですよ。
でもなぜか、絵は左で描くんですよね。なんでなんですかね。でもあれですよ、芸術家は左利きが多いとか言ったりもしますけど、僕は絵は下手ですよ。
中学の時とか成績表4でしたからね……10段階評価で。
もちろん今でも左手で文字は書けます。そう言うとね、すごい!、って言われるんですけど、どっちが利き手とか関係なしに字が汚いんで、書いたところで、あぁ、ってなるんですよ。
だからね、お子さんを右利きに矯正しようかと考えてる親御さん、そんなことよりもまずは綺麗な字を書く練習を積ませましょう。
漢検の勉強頑張ってるけど、そこがなかなかネックだったりするからね。
で、その上でもし矯正できるなら、文字を書くのは右手にしてあげた方がいいかも。
いやあんだけいっておいてそうなんのかい、7ってなるかもしれませんが、結局ね。
左だと何が辛いって、書道が辛いんですよ。まあ僕は漢検のために勉強しているので言えますが、別に書道に限らず漢字が難しい。左で書こうとすると内側に払わないといけないからね。
もう文字すら左利きをディスってくるんですよ。
だから僕みたいに親に右利きに矯正された方はね、感謝しましょう。右利きの人より親孝行しましょう。まあ一番の親孝行は芸人なんてやらないことかもしれませんが。

あと左利きって、結構イメージ先行なところが多いと思うんですよね。血液型とかと一緒、大した根拠もないのに。
まず、左利きは賢いって言うけど、そんなことない。もちろん賢い左利きの人もいるけど、賢いやつは利き手で決まらないから!
もし仮に本当にそうならよ、左利きの人だけがのし上がっていくはずですよね。まあ左利きの人だけは言い過ぎかもしれませんが、出世した先には左利きの人ばっかりになるはずじゃないですか。
そしたら、もしそうなったとしたら、世の中のありとあらゆるものが左利き用に作られてるはずなんですよ。でもさっき言ったことを思い出してください。この世の中のものは右利き用です!
はいはい、なるほどね、左利きの人は大多数を占める右利きの人のためになんでも作っちゃう献身的な人が多いのか。
そんなわけないでしょ!自分たちが生きやすい世界にしたいでしょ!

ここまでさんざん個人的な話をしてますが、もっと個人的な話しますね。
僕、昔から運動が苦手なんですよ。走るのも遅いし、球技も苦手。特異な種目なんてただの一つもありません。なのにね、左利きっていうとサウスポーじゃん!、っていう人がいるんですよ。
サウスポーは一流の人に使う言葉だから!俺の左利きは、サウスポーじゃなくて左利き!ボールを左手で投げたからって、そんな風に煽らないでください!

他にも困ることっていっぱいありますよ。
例えば学校とかで、手を挙げて!、って言われる時。やっぱりついつい左手上げちゃうんですよね。周りは大して何とも思ってないかもしれないですけど、やっぱり自分だけ違うってのは恥ずかしいぜ?
僕は芸術的センスも運動能力も低くて運動部とかはいったことないけど、でも文房具とかスポーツ用品とかも困るよね。結局どこでも買えるものが使えなかったりしますから。それなりに値も張るかもしれませんし。
まあ今は多様性の時代ですから、割と左利き用のものも簡単に手に入りますけど、それでも入手難易度はやや高いのは事実です。

ああもう一つ言わせて。これまた日常で困るのがね、飲食店の席順なんですよ。これはなんとなくわかる方もいらっしゃるんじゃないですか。
今はソーシャルディスタンスのご時世ですからいいですけど、普通のお店はやっぱり辛いんです。特にラーメン屋さんとかね。
ラーメン好きだからよく食べに行くんだけど、隣の席の人と当たっちゃうのよ。これが困るんですよ。
先輩とかとご飯行く時もね、僕左利きなんで、って気を使って端に座る。やっぱり先輩相手ですから、そこは気を使いますよ。
その結果、大人数の飲み会だったりするとあんまり話に入れない。気づいたらね、対面の人とばっかり話してる。こんな悲しいことあります?
この際だから言っておきますけど、僕コンビ時代はなんでだよ、って相方にツッコんだりできるように左側に立ってたんですからね。本当、ここだけの話にしてくださいy?
結局のところ、パッと出るのが左なんですよね。
でもそんな左利きにも一つだけいいことがありまして、左利きの有名人を見ると妙な親近感がわくんですよ。出身校が一緒、みたいなワクワク感が結構な頻度で味わえます。
だから僕もね、左利きのみんなにワクワクして貰えるような、そんな芸人を目指しますよ。

 こんな御話でございました。たまにはこういう毛色が違うものもいいですね。
 他にもこんな主張のストックはありますので、またどこかで出せたらなと、そう思います。
 どうも、ありがとうございました。

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