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臀物語

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タイトルをしりとりで繋げる物語、です。 「しりものがたり」と読みます。 第1,第3,第5日曜日に更新予定です。 詳しくはプロフィールに固定してある「臀ペディア」をお読みください。
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2022年2月の記事一覧

コロナ

 日付も回ろうかといういい時間。机の上にはグラスが二つ、そしてその机の下にはたくさんの空き缶。
「はあ、結構酔ったね。」
「まあ、こんだけ飲めばな。」
 積み重なっている空き缶の山を見て、俊作は答えた。
「そろそろ帰ろうかな。」
「いや帰るって……電車あんの?」
「え……?」
 ビックリした表情をする大河。
「もうないと思うけど、一応調べてみるか。」
「あ、自分でやるよ。」
「おお。」
 大河は体

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舞妓

高森を待つ間、雨相はなんとなしに窓の外を眺めていた。
朝の天気予報では晴れだったにも関わらず、夕方前に突然崩れ出した天候は、街の人の心を乱すに十分だった。
雨相を待っているこの喫茶店も例外ではない。先程お会計を済ませたスーツを着た会社員らしき男も、店の軒先でひと呼吸おいてから、覚悟を決めたような顔をうかべ、駅のある方向に向かって走り出した。
全く大変なことだ。忙しなく動く街の人々、それを嘲笑うかの

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勇樹はおもむろに陽介にスマホである写真を見せた。
「これ、見てくれ。」
「なになに?」
陽介が見てみると、そこには、馬に乗ってきます!、というメッセージと、その下に描かれた馬と人参の絵が書かれたメモ用紙の写真が表示されていた。
「えっと、これって多分だけど、お父さんとお母さんからの置き手紙だよね?」
「正解。」
 勇樹は静かにそういった。
「馬に乗ってきますなんて、随分斬新なメッセージだよね。」

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ありがとう

 放課後の学校。部活に行くもの、真っ直ぐ変えるもの、そして何をするでもなく教室に居座る二人。
「この前テレビでね、ありがとうを言わない人に腹が立つ、っていうの見たんだけど、まっつんはどう思う?」
「シチュエーションによるなあ。」
 まあそっか、と言いながら陽介は頷く。
「えっと、なんかそのテレビでやってたのは、店員さんとかそういう人に対してのありがとうだったのよ。」
「なるほど。まあ確かに、絶対あ

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