埼玉にも高原はあったんだ! 秩父・奥武蔵グリーンライン縦走サイクリング
実は僕は埼玉県育ち(生まれは東京)なんですが、埼玉に住んでいる間、一度も秩父には行ったことがありませんでした。ちょこちょこ行くようになったのは、就職して都内に住んで、自転車を趣味にしてからのことです。
だって遠いんだよ秩父!大宮から直通の新幹線作ってくれ!
というわけで、今回は初夏の秩父を自転車で走ってきました。
飯能~奥武蔵グリーンライン~秩父 - Ride with GPS
全長70kmほどなのに獲得標高約1900mというコシの強さです。
1.総勢12個の峠を倒して高原へ登ろう
埼玉の首都、池袋駅。
西武線で輪行をするときはこちらの南口を使うのがオススメ。人通りがかなり少ない&スペースが広く取られているので輪行の準備をするのに最適なんですよね。ちょっと特急ホームが遠いのが難点ですが……。
特急で池袋駅から約40分、飯能駅に到着。
ムーミンバレーパークに向かう行列を見送りながら、輪行を解いて走り出します。
国道299号をいったん秩父方面へ。日本一の曼珠沙華の群生地・巾着田あたりで右折、カワセミ街道に入ります。
しばらくはのどかな田舎道。そのうち「鎌北湖」を指す案内標識が出てくるのでそちらへ。この鎌北湖が、秩父の高原地帯を越える林道・奥武蔵グリーンラインのスタート地点なんだそうです。
ちょうど工事中だったらしく、「ダムの水ぜんぶ抜く」状態。湖が干上がって突堤が城塞のようになっているのを横目に、いよいよ本格的な山登り区間へ突入です。
ここから先は峠を12個倒す必要があります。12って。ロックマンのステージ数より多いじゃん。
新緑の木漏れ日が最高に気持ちいい。初夏のサイクリングはこうでなくっちゃね。でも登りはつらい。
木々の間からちょこちょこと関東平野が見渡せます。
天文岩。江戸時代中期の暦算家・千葉歳胤を祀った祠があります。なんでもこの祠にこもって天文学の勉強をしたとか。
そんなこんなで最初の峠、一本杉峠に到着です。「発泡注意」の文字を埼玉で見ることになるとは。
奥武蔵グリーンライン全般に言えることですが、結構な頻度で集落・民家があるんですよね。他の地域の山道とはちょっと違うところだと思います。ここも生活道路なんだなぁ、という感覚。
ずいぶんと山の中に入ってきました。
峠2個め、顔振峠。いくつかのカフェ、お茶屋さんがあるので休憩に最適です。サイクルラックも置かれていて、サイクリストフレンドリー。
見晴らしも良い。
ほとんど間をおかず、3個め傘杉峠。さらに4個め花立松ノ峠。このあたりから山の稜線を縦走していく感じ。
謎の石灯籠。「不動茶屋跡展望所」らしいです。
この近くには関八州見晴台という展望台があるんですが、晴れて空気が澄んでいると都心の高層ビル群まで見渡すことができます。道路からちょっと歩くので今回はパス。
だいぶ辛い感じになってきましたが、山道は手加減してくれません。
飯盛峠。5個めです。こんなに飯盛ったらお腹壊すでしょ……。
6個め檥峠(ぶなとうげ)。キミさっき見たよね?と思ったら違うお名前。
もうお腹いっぱいだわと思いながら漕いでいると、7個めの峠・刈場坂峠に到着しました。標高818m、今回のサイクリングでも最高地点に近い高さです。
方角的には群馬とかそっちの方でしょうか。はるか遠くに山の影が見えるので、たぶん日光があのへんだろうなーと勝手に思っておきます。
でもまだ峠はある。8個め七曲り峠と、9個め大野峠。
記念すべき10個め、高篠峠。なんかキミだけ雰囲気違くない?
すぐそばの案内看板に書いてあったんですが、このあたりの峠道は軒並み越生(おごせ)の方向に向かっているそうです。その昔、このあたりの経済の中心地が越生だった証拠だとか。
11個め、白石峠。
もう良いでしょ!もう!とか口に出しながら走っていると、ついに奥武蔵グリーンラインの終着点・定峰峠に到着しました。これで12個、全ての峠をクリアしたことになります。よくやった俺。まだこのあと登るけど。
2.イニシャルDの聖地・定峰峠と言えば鬼うどん!
実はこの定峰峠、頭文字Dの聖地というか走り屋の聖地のような場所ということもあり、この日もツーリングのバイクが大量に停まっていました。
そろそろお昼だったので、定峰峠近くのジェラテリアHANAさんでピザとジェラートでも食べようかと思ったんですが、なんとそちらへの道が工事で封鎖されてしまっていてあえなく断念……ダブルジェラートが食べたかった……。
それじゃあ、ということで訪れたのが「手打ち・定峰峠の鬼うどん」さん。定峰峠からルート沿いに少し下ったところにあるから脚にも優しい。ちゃんとサイクルラックも置かれています。
きんぴらからみ鬼うどん、1200円也。細身なのにコシが強くて美味い。
実は埼玉ってうどんの生産量が全国2位で、特に西の方はうどん文化圏なんですよね。なんとなく山梨や長野のほうとうとも繋がりを感じます。
お腹いっぱいになったら、県道11号を北へと下っていきます。せっかく稼いだ標高をみるみる消費。つらい。
藤の花、見頃です。
途中でテントの群れと呼び込みを見かけてなんだろうなーと思ったら、地元自治体?の方がサイクリスト向けのアンケートをとっていました。なんでもこのエリアにサイクリスト向けの施設を作る検討をしているのだとか。
将来便利なスポットができるといいなあと思いつつ、アンケートに回答しておきました。個人的にはサイクリスト向けと言わずとも、ちょっと休憩に立ち寄れるカフェとかがほしい。
3.秩父高原牧場と天空のポピー畑
そして最後の目的地、秩父高原牧場へ。これまでにない斜度で一気に登らされます。
そろそろ頂上かな、というあたりで車の大行列…。どうやら高原牧場行きの車列のようです。混むとは聞いていたけれど、ここまでとは。自転車でよかった。
埼玉にも高原があったんだ!ここが埼玉の軽井沢だ!という気分。
景色を堪能したら、お目当ての牛乳とソフトクリームを……!と思ったらまさかの売り切れ。悲しすぎる。
かわりに焼きおにぎりをもぐもぐ。うん、美味しいんだけどね。ほら、牧場に来たからにはあるじゃん?そういうの。
悲しみに暮れていても仕方ないので、秩父方面に下っていきます。視界が開けている超快走路です。
ひときわ開けたこのエリア、「天空のポピー畑」として有名で、毎年6月上旬ごろに一面の真っ赤なポピーが咲き誇っています。
シーズンの土日は渋滞で大混雑らしいので、行くならなんとかして平日に来たいですね……。
4.温泉も楽しめる西武秩父駅で都内へスピード帰宅
坂を下りきったら、そのまま秩父駅方面へ。実はこの近くの新木鉱泉さんは立ち寄り湯営業をしていてここで汗を流すのが好きなんですが、こんなご時世なのでスルー。
遠くに武甲山が。石灰採掘で切り出された独特の山体です。
棚田。ちょうど田んぼに水が入っていました。秩父の隠れた見どころスポットだと思います。
日も傾いてきたところで、西武秩父駅に到着しました!お疲れさまでした。駅前に祭の湯という有名な立ち寄り温泉があるんですが、こんなご時世なので以下略。
秩父の豆腐屋の豆乳ソフトと、わらじカツバーガー。ひたすら登ってきた体に染みわたる美味しさでした。
西武秩父駅から特急ちちぶに乗車。池袋まで1本乗換なしの1時間20分で帰ることができます。
埼玉・秩父をあじわい尽くす奥武蔵グリーンロード。都内近郊で楽しみながらヒルクライムをしたい人におすすめです。
定峰峠からそのまま秩父市街へ下ってしまうとか、小川町の駅から秩父高原牧場を目指すとかすると、登りも短くなってイージーだと思います。
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