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【意見】「いい加減」でいいじゃん

人間というものは何でもきちんと決めて生きているわけではなく「なんとなく」生きているということが多いと思います 今時も「合目的性」が前に出ている人を「意識高い系」などと揶揄したりもします しかし筆者は「いい加減」は本来「好い加減」と書くので適当にゆるゆると生きていくのがストレスも少なく人間らしい生き方であると思っています 

現在の教育制度では「一人一人みんな違う」「個性の尊重」ということで「人と違うところはどこか?」を追求させるような指導をしています そこで運動が得意なことをアイデンティティにしようとすると「順位付けはいけない」「みな均等で」ということで競争否定の教育をされます これではアイデンティティの持ちようがありません

頭が良いことは今でもアイデンティティになり得ますが 学校教育における「成績が良い」はいかに先生の言うことをよく聞いて従ったか(漢字の書き順とか算数の計算の順序とか)であって 自分で創意工夫して問題を解いたかではありません 結果として「正解がある問題で間違えないようにする」が最高学府トップ校の入学条件になったりします

実は普通の人間は特に追及している目標も無く これと言って耽溺している趣味もなく 誇るべき特技も無いものだと思います しかしそういうことを表に出すと「夢が無い」「やる気が無い」「個性が無い」と言われてしまうので「みなと同じ」で集団に埋没することを志向するようになります これは「個性化教育が個性を殺す」という逆効果だと思います

中学校までは「普通教育」なので地域の公立校になんとなく進学して通学することが許されますが 高等学校からは学校を選んで進学しなければなりません その場合「なぜその学校に行きたいか?」を問われることになります 普通はそんなことは考えておらず「今の成績で入れるところに入る」「ちょっと努力して外聞が悪くないところに入る」「親の言うことを聞いて塾等で頑張ってそれなりのところへ入る」のどれかでしょう

親御さんが「なるべく上の学歴を」という考えは「可能性を担保したい」ということだと思いますが 大学へ行っても結局やりたいことは見つかっらなかったりします 結果として「入れてくれるところへ入る」方式で就職をしたりして職業とのマッチングが上手く行かず早期離職したりします

近年では高学歴と言えどそれだけでは就職できないことがあります ちょっと面白い記事があったのでご紹介しましょう
https://avalon-consulting.jp/20s-media/kogakureki-syusyoku/
また最近子供に人気の職業ゲームクリエーターを目指しても「院卒」でないと採用しない会社もありますから昭和の「学歴社会」の感覚では通用しないのが現代です

また真面目な人間ほど「自分探し」に嵌ってしまい海外に行ってみたり「自己啓発セミナー」に嵌ってみたりします 本当の自分というのは自分の内側にあるのではなく他者との関係の中にあるということを理解するまで苦労することになります これは先述の就活でもそうですが 周囲(上下左右)と楽にやり取りできるかが大事になりますので「自分しか見ない」人間は当たり前に社会適応できません

人間関係について考えると昔から規則通りにしか行動できない人を「四角四面」「お堅い人」「融通が利かない」などと表現しあまり褒めてはいません人間関係をスムースにこなすコツは「ガタ」「緩み」「臨機応変」な心が必要になります これは逆にいうと「本質を外さないものの見方」が必要ということで「ブレてはいけない部分」がわかるということです

これこそ「良い加減」ということで老若男女を問わず「本質を捉える」こととある意味「本質以外は臨機応変に」というコミュニケーションの取り方をしていくことが「定型」が崩れてしまい混乱に陥っている現代社会で我々が心掛ける生き方だと思います

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