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【ゲーム制作2年目振り返り】規模が大きめのゲーム制作を通じて掴んだこと

皆様どうも!都内のゲーム会社でプランナーとして働いている オタケサンと申します。

実は 2023/3/12 は個人でのゲーム制作を始めて2周年となる日です!
1年目のときは自己紹介も兼ね、制作したゲーム『SPACE STORESHIP』についてNoteを書きました。
2年目は制作中のゲーム『魔界堕ちのラズリエル』を作る中で、1年目と比べ様々なことを経験できたため、備忘録として振り返り記事を書いてみようと思います。


■ ゲーム制作って…難しい!

▼ 小さめのゲーム制作は慣れてきた!

冒頭でも書いたように普段はゲーム会社でプランナーとして働いており、ソーシャルゲームのイベント企画・仕様作成・制作管理を行っています。
ゲーム内イベントのような比較的小さめの遊びをつくる経験は積むことができている…と思っています。

思えば、個人制作1作目の『SPACE STORESHIP』も小規模ゲームでした。
行動後の状態を逆算することが楽しいゲーム」というコンセプトと「見た目や役割が一瞬でガラッと変化するオブジェクトが登場する」という仕組みが決まれば、あとはアイデアを膨ませることでゲームにすることができました。


▼ 大きめのゲーム制作が孕む難しさ

ですが、大きめのゲームを作り切るという経験は仕事ではなかなかできないもので…。
SPACE STORESHIP』と比べやや規模が大きい『魔界堕ちのラズリエル』の制作は、想定していた以上に難航しながら進むことになりました。

コンセプトを決め、それを達成するための仕組みを作り、仕組みを基にアイデアを膨らませる…。この過程は小規模な制作とそう変わらないと思います。

ですが、単純に実装するものが多く時間がかかるため、その間に制作者自身がゲームに慣れてしまいます。巷によく聞く「これ面白いのか…?」という状態ですね。
こうなると、面白くしようとして別の仕組みを追加したくなる。すると仕組みを追加したことで細かい部分を調整することになる。そしてその作業の間にまたゲームに慣れてしまい「これ面白いのか…?」となる。
いわば「足し算のゲームデザイン」を延々と繰り返してしまう状態になってしまいます。

ああでもないこうでもないと、細かい部分の検討に時間をかけすぎてしまい、気付くと制作期間のわりに完成に近づいていない!
そして制作が長期化しすぎるとモチベーションが消失し、最悪頓挫してしまう…)

規模の大きいゲーム制作にはこういった難しさがあるということを、ラズリエルの制作を通じて実感することができました。


■ 制作のコツのようなものを掴めてきた

上記で挙げた「足し算のゲームデザイン」を延々と繰り返してしまう状態にならないために、この1年を通じて感じた制作のコツのようなものを書いていきます。


▼ 企画段階でゲームの全体像を決めておく!

制作の長期化を防ぐための方法。

例えばあなたがマリオのようなステージクリア型のアクションゲームを作りたい場合、一通りキャラクターのアクションを作った後、次にやることはステージの数を決めることかと思います。

…あたりまえだろ!と思われるかもしれませんが、ラズリエルの企画段階ではこれができていませんでした。
強力な悪魔カードを使うと天使が闇堕ちするリスクが高まる」というコアの仕組みだけ決めたものの、塔の階層をどれだけ作るかについては、「できるだけ多く作ろう、100階くらい作れるといいな~」程度に当時は考えていました。

正直なところ、決めておいたステージの数は後で変更しても良いでしょう。(個人開発なら決定権の自由度もあるし)
制作を進めている間に「こんなにステージいらんな」や「やりたいことに対してステージが足りない!」となった時、見積もりとのズレを修正すればよいと思います。

大事なのは、全体像を決めることで必要なリソースの見積もりを出せるようになることだと思います。
これをやらないとゴールの見えないマラソンを走ることになります。途中で頓挫する可能性も高まるため、体力お化けでもない限りは避けた方が無難だと思います。


▼ 作ったものを実際にプレイしてもらう!

「これ面白いのか…?」を防ぐための方法。

自分以外の誰かにプレイしてもらって面白さを確かめましょう。
そのためには展示イベントへの出展が適していると思います。

遊んでくれた方の反応を直接見る、アンケートに寄せられたご意見を読む、といった経験は、やりたいことをどれだけ実現できているか、またはどれだけ伝わっているかを確認する良い機会になると思います。
1年目の振り返りNoteで書いた「ユーザーとの双方向なコミュニケーション」によってゲームをブラッシュアップする方法は、今のところこの方法が適していると感じています。)

個人制作2年目は、東京ゲームダンジョン、東京ゲームダンジョン2、デジゲー博、gamescom2022(委託展示)と、ゲームの展示イベントにたくさん参加することができました。

「面白い!」という反応があれば万々歳ですし、「イマイチ!」という反応があればその理由を検討するきっかけになります。
その際は、「足し算」で解決しようとするのではなく、要素を削ったり並べ替えたりする方法で解決できないか検討することが大事だと思います。

『魔界堕ちのラズリエル』でも展示でいただいた反応を通じて、コアの仕組みを少しずつ変更しています。
その内容をNoteに書いたりもしていますので、もしご興味があればどうぞ。
いただいた意見をもとにゲームデザインを練り直す【若手プランナーのインディーゲーム制作 in 1月】


▼ ダメ出しの悪魔を自覚する

細部のこだわりに時間をかけすぎないようにする方法。(というか考え方。)

自分のつくったものにダメ出しをして、早い段階で細部にこだわるのは避けましょう。

例えば、敵を30体用意しようとなったときに、「1体目のHPは10…、いや11にしよう」と決めたものの、後日「テストプレイだと弱すぎた、HPは14にしようかな…」といったように、ひとつ決めるために延々とダメ出しを続けてしまうと、30体決めるためには莫大な時間がかかってしまいます。
それに、どうせ最後に改めて調整することになると思います。)

ひとつひとつ理想に近づけることを良しとしてしまいがちですが、それでは完成しないので、作るものを決めたら作り切ることを目標にするのが制作のコツかと思っています。

DONE IS BETTER THAN PERFECT. 」の精神を持つ。この1年を通じて変化した考えのひとつです。



ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
1年が経つのは早いと感じつつも、様々なことを経験できた2年目だったと思います。

ともかく今現在は「魔界堕ちのラズリエル」を完成させることを目標に開発を進めています。

↑ 気になった方はストアも覗いてみてくださいね!

月並みですが、いいねやフォローいただけるととても嬉しいです。
今後ともオタケサンをよろしくお願いいたします。
それでは。


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