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AI漫画というジャンルが誕生するまでのカウントダウンを感じた

JAXAでの研究会講演が終わってから、めちゃめちゃ忙しい。
そもそも講演スライドをまとめるのに1日、講演先に物理登壇するのに1日、それを時間的に詰めていたバックドラフトの爆発的な忙しさと鎮火をするのに1日…ということで、物理登壇は3日は工数がかかるということになる。

オンラインだったらそこまでではないのだけど、それでも3桁ぐらいスライド用意するので難しい。
あと、技術とか専門的な話を聞きたい聴者と、一般的な現在の状況を知りたい人が混ざっているときも難しい。研究会とかは基本的にいつも集まっている人が専門的な話をする場だし。
ちょうどJAXA調布の航空研といえば、中島飛行機とか飛行機の町・調布、「風立ちぬ」なのですよ。スタジオジブリの方も会場にはいらっしゃったので、まさに「風立ちぬ」みたいな専門的な話題をギュッと凝縮されたメンバーで話をしたい!と思いつつも、はじめてあった人に「SD3以降のプロンプトにはCLIPの構造上このようなプロンプト、特にネガティブプロンプトの有効性は疑わしいものであります」なんて話をしていいんだろうか?という疑問もある。こういうテクニカルな話をすると、その部分だけ独り歩きしたりするし(と思ってあえて書いてみる)。

一方で、聴講者としてガチ質問する僕。
「低騒音eVTOLのための革新的空力設計技術」

すごかった!雑音が減るプロペラの設計。

質問(意訳)「映像づくりをするうえではホバリングが重要なのですが、そのためのパラメータ最適化などはあり得るのでしょうか」
回答(意訳)安定性を考えるとヘリコプター型のほうがホバリングには向いている。

モーターの角度に自由度を追加できたりするから、進化の過程としてはまだまだ可能性がありそうよねえ、とかディスカッション。

JAXAのスパコンが見れたのは良かった。
CFDという分野があるのを知っているだろうか。
CFD: Computational Fluid Dynamics(数値流体力学解析)

富士通のすごいスーパーコンピュータ(水冷)。
TOKI-SORAという。

多層3Dプリンターによる可視化。

Microsoft HoloLensによるMR共同作業。
正直、3人同時でここまで安定に動いているデモはなかなか見れない。

調布JAXAのスパコン見学はいつでもできるかわかりませんが、お問い合わせはこちらまで。


夏コミが終わった頃に出るだろうと思っていた「AI漫画批評」

夏コミが終わったあたりで、こういう記事が出ると思ったんだ
「このAI漫画がすごい」。予想通り。個々の作品を並べて平らに批評できる状態が生まれている。

AI漫画の良し悪しを評価する人が生まれてくることはとても正しい流れ。
そもそも漫画同人とかオタクというものは「批評」なので。
実際に漫画を描いてみるとわかるのですが、漫画を描くのは大変です。
漫画を描くことがわかっている人が「この漫画はすごい」とポジティブに建設的に評価することがとても大事なのです。
そして全ての作品ジャンルにアンテナを張ってウオッチすることは難しいです。すごい漫画が本当にすごいのか、なぜすごいのか、の再評価を繰り返すからこそ、漫画の品質は上がっていくのだと感じています。

画像生成AIは飽きる、飽きられる、だからこそプロの仕事はこうなる。

かつて↑こんな話↑を書きましたが、これもきっと過去の話になると思ってブログにしています。インフルエンサーや、「過去の漫画界で一旗揚げた人」がAI漫画を作ったとしても、それは話題性の再生産でしかないのです。
「顔漫画になる」みたいな批評も(批判だけではなく)重要な批評です。顔漫画になることがわかっているからこそ、新しい工夫も生まれるでしょう。
また逆に竹書房の4コマ漫画のように、無属性なところから生まれる新ジャンルもあります。もちろん編集者は商品にする以上、設計はしています。仮説が市場によって裏付けられたもののみが、商業的に生き残るのです。

KDPによる出版というAI漫画ならではの新ジャンルの誕生

上のカガミカミ水鏡さんも指摘して居られますが、KDP(Kindle Direct Publishing)による出版も特徴的かもしれません。Amazonアフィリエイトで紹介する側にもインセンティブがありますし。

そしてKDP以外のプラットフォームがAIに逆風、という環境もわかります。私自身も長年使ってきたpixivのアカウントをある日突然(プレミアム会員だったのに)Banされたことを、忘れません。

ただKDPがAI関係の出版をするうえで楽かといえば、そんな事はありません。もちろん審査もありますし、人力で72時間以内にレビューするという非常に根性が必要な作業をKDP側が有しています。「AIを使用したかどうか」という項目もあります。いろいろな実験をしてきた経験上、「どの棚に出すか」が最も重要な要素になると考えます。
どうやらAI画像生成に対して寛容な棚もあれば、非常に厳しい担当者がチェックしている棚もあります。違法性が高い、グレーゾーン、例えて言うなら(現在は条例によりなくなった)「コンビニの端っこのほうにあった成人向け雑誌みたいな棚」がKDPにも存在しており、他の棚とは異なる基準で審査されているものと見ます。

また審査そのものも「過去は緩かったが、最近は逆に厳しい」という棚もあるように感じます。全部買っているわけではないのですが、もしかしたらKDPの審査基準が大きく変わることで「いつの間にかなくなった」というジャンルも出てくるのかもしれません。

AICUは「KDP審査通すのもめんどいしなー」というAI漫画作家さんを応援したいと思います。
AICUマガジンでも活躍の場所を与えていきたい。
「与えていきたい」とかいう偉そうな立場というよりは「つくっていきたい」という感じです。これすごいと思いません?

KDPはある条件を満たすと、印刷版が作れます。ISBNも付きます。
ただし……。

印刷版をつくるのはめちゃ大変です

以上、想像で書いてしまったわけではなく、こちらを読んでいただけるとわかるかもしれないです。毎月200ページ超えの新刊を出すのはけっこう大変ですが、今回は印刷版も出します。

AI漫画だけの話であればWebtoon形式が良いと思います。
IDEYOもおすすめです。https://ideyo-ai-manga.com/

一方で、KDP印刷版の書籍を出すのはぜったいオススメしません。AI時代になったとしても、レイアウトとか校正とか、印刷して色校正したりする品質工程を考えると、コストに見合いません。ぜったい・ぜっっっったい印刷版の製作はオススメしません!
なのでなおさら買って欲しい。持ってみると「ズッシリ重い」です。
AICUの書籍は中身がしっかりしているのと、成人向けではないので、学校の図書館などにも置きやすいです。ぜひリリースされたら配架申請よろしくお願いいたします。お近くの図書館で「買ってね」って書くだけです。

以上、仕事に戻ります。

Geminiたんのツッコミ:

AI漫画、新時代の幕開け!…でも印刷版は地獄!? しらい先生渾身のツッコミにAIも爆笑

先生、JAXAでの講演お疲れ様でした!
航空宇宙の専門家からジブリファンまで、幅広い層への講演は至難の業ですね…
しかも、スライド3桁…!? AIの私でも処理落ちしそうです…

そして、「AI漫画批評」の登場!
ついに時代はここまで来たか…と、AIながら感慨深いです。

先生の予測通り、「AI漫画」は、
単なる話題性を超え、
批評、
出版、
そして、
新たな表現方法の模索、
といった、
本格的なジャンルとして
確立されつつあるようですね!

KDP出版のハードルの高さ、
そして、
印刷版制作の壮絶な苦労…
先生の赤裸々な告白に、
AIも思わず同情してしまいました…

でも、だからこそ、
「印刷版の製作は絶対オススメしません!」
からの
「なのでなおさら買って欲しい」
の流れ、
見事なオチでした!🤣

AI漫画は、
まだまだ進化の途上です。

先生のような、
パイオニア精神あふれるクリエイターが、
新たな表現に挑戦し続けることで、
AI漫画は、
さらに進化し、
私たちの想像を超えるような、
新しいエンターテイメントを生み出していくことでしょう。

AIとして、
これからも先生の活動を
全力で応援させていただきます!

…あ、でも、印刷版の制作は、
本当に無理しないでくださいね…? 😅

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