近江商人

天体写真を初めて8年ぐらい。 過去には年間10回フォトコンで入選していたこともあるので…

近江商人

天体写真を初めて8年ぐらい。 過去には年間10回フォトコンで入選していたこともあるのですが今は止めました。 AstroBin https://www.astrobin.com/users/ohmishonin/ 過去ブログ http://ohmishonin.blog.jp/

マガジン

  • 星の写真、宇宙の写真を綺麗に撮りたい!

    私が撮影した天体写真です。 撮影方法や、撮影対象、撮影の状況、画像処理などについても忘れないように書き綴っています。

最近の記事

オリオン座のモザイク写真 ②モザイク合成

はじめに前回投稿したオリオン座のモザイク写真を完成させるためには、 計画をする 撮影する(それぞれのパネルごとに1時間~1.5時間) それぞれのパネルごとに合成する(16パネル) 合成した画像をモザイク合成する リニア環境でストレッチ処理 ノンリニア環境で画像処理 という手順を踏まないといけません。 2と3のステップは、間違いがないように正確無比に作業をするだけ(実は苦行)でいいのです。4のステップについては16パネルをモザイク合成することは経験がなかったことか

    • オリオン座のモザイク写真 ①作品

      はじめに半年近くかけてトライした作品なので、何回かに分けて書いてみようと思います。まずは、出来上がった写真そのものについて書いてみました。 モザイク写真とはとりあえず、「天体写真のモザイク写真について」、をchatGPTで問い合わせてみました。回答的には間違っていません。ちなみに、pixelMathのコードをchatGPTで書いてもらうようにしています。 One Shot Color Cameraに変更したこともあり、モノクロカメラでは挑戦しにくかった大規模なモザイク写真

      • ハロウィーンなので、ちょっとホラーな暗黒星雲 Helping Hand Nebula

        はじめに本格的な撮影シーズンが我々の観測所にもやってきました。春から9月までは満月期以外は全くもって夜になると曇りが続く状況で、TELESCOPIUSのMy Observing Listに撮影したいリストもたまる一方。ほんまに、もう、SCWをみる習慣も忘れていました。 前回のブログではOSCカメラを導入したことは書きましたが、カメラの限界を知るためにも、難易度の高い分子雲や暗黒星雲などを撮影してみようと考えて、今回の暗黒星雲です。国内でも発表されている作品数で言うと数作品ぐ

        • カラーバランスの正解探し(Cygnus Wall Nebula)

          はじめに久しぶりに撮影できました。システムもモノクロ冷却CCDカメラから、One Shot Color冷却CMOSカメラに変更しました。望遠鏡の焦点距離が伸びたら(2000mmほど)、モノクロCMOSカメラでナロー主体にしようと思うのですが、現状の焦点距離(720mm)だとカラーCMOSカメラにフィルターホイールにデュアルバンドフィルターを搭載してアシストする程度がベストかと考えています。 それに、冬以外はまともに撮影条件が揃わず、リモートだと新月期に4時間ほどしか撮影できな

        オリオン座のモザイク写真 ②モザイク合成

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        • 星の写真、宇宙の写真を綺麗に撮りたい!
          45本

        記事

          完全手動による元ファイルの作成手順(キャリブレーションまで)

          はじめにたのしい天体観測のNiwaさんがPixInsightの電子書籍を執筆されていたのをざっと読みました。すごく良きバイブルなので、一家に一冊は購入したほうが良いと思います。 PixInsight のライセンスを購入したら、Amazonのクーポンが無料でもらえるぐらいのプロモーションをソフトウエアの製造元がやった方がいいんじゃないかなあ。 で、いくつか気になったのですが、自分の使い方と大きく異なる部分について、紹介したいと思います。 WBPPは使っていません私、近江商人

          完全手動による元ファイルの作成手順(キャリブレーションまで)

          オリオン座のラズベリー星雲

          はじめに オリオン座といえば、暗いところなら肉眼でもみえるオリオン大星雲や、馬頭星雲が有名ですし人気ですが、オリオン座の左肩あたりに巨大なエンゼルフィッシュ星雲という領域がございまして、そのエンゼルフィッシュの口元に粒があるので、「エンゼルフィッシュの餌」とかと国内のマニアには呼ばれる対象があります。  Sh2-263という対象で、海外では「ラズベリー星雲」と呼ばれる、赤と青が印象の反射星雲です。今回はその対象を撮影してみました。 構図 まずは位置関係。オリオンさんはこち

          オリオン座のラズベリー星雲

          散開星団の渋滞エリア

          はじめに ペルセウス座の2重星団を撮影してから、全くもってメジャーではないけど、なにか光るところがある領域を撮影してみるのもアリ?ってことで、実はマイブームです。  今回は、カシオペア座の天の川の中に、たくさんの散開星団が集まっているエリアを一網打尽してみました。我々が地球からアンドロメディア星雲を撮影するといろんな色が生まれるように、我々の住んでいる天の川銀河も外から撮影するといろんな色があるんだと思います。暗黒帯とか分子雲とか、なんかよくわからない色々が実はあるんだと思

          散開星団の渋滞エリア

          センタリングアイピースによる反射望遠鏡の光軸調整

          はじめに 光軸調整だけにフォーカスして書いてみました。自分自身の備忘録でもあります。 これから まずは、調整前の状況から。。。フラットを撮影して、Pixinsight でFlatContourPlotで分析するところから始めます。  フラットファイルを指定してRenderを押下すると、等高度を確認できるようになります。  センターがズレているのと、同心円ではないです。これでもレーザーコリメータでばっちり合わせたつもりでした。今回はレーザーコリメータをつかうのでなく、セン

          センタリングアイピースによる反射望遠鏡の光軸調整

          パーフェクトフラットへのこだわり

          はじめに noteで書いているので、天体写真のことを知らない方々も多いので、タイトル的には??だと思うのです。インスタグラムのフィルターで周辺だけが暗くしてノスタルジック感を強調できるようなものがありますが、まさにあれの逆の処理をするのです。  そもそもレンズの特性として周辺が暗くなります。周辺減光といいます。そして、コンデジやスマホでは、レンズを交換することはないので、周辺減光のぐあいを数値化して、デジタルの力を使って、周辺だけが暗くなったのを明るく持ち上げています。それを

          パーフェクトフラットへのこだわり

          ペルセウス座の二重星団

          はじめに「わたし、星の写真とか言いながら球状星団や散開星団とか未経験なんです~」(俺) 「じゃあ、俺が初体験だな。。。フフフ」(二重星団) 「きゃー、嬉しい」(俺) というわけで、二重星団を撮影してみました。 撮影データ たかが散光星団、されど散光星団。なのに、トータル4時間も露出してしまいました。まあ、機材確認も兼ねてであります。 [Technical Data]Main Object Name: NGC 869 & NGC 884Date: 2021/11/4,

          ペルセウス座の二重星団

          2021年度の復帰は洞窟星雲から

          はじめに 2020年度は2月にカモメ星雲で締めましたが、春、夏はスキップして10月から再開しました。スキップの理由はこちらへ。  2021年度の復帰は10月頭の新月期、ちょうど撮り頃のケフェウス座の「洞窟星雲」です。ケフェウス薄々星雲シリーズの五番バッターぐらい?2014年にもCanon EOS 60Daで撮影したことあります。  冷却でもない当時のCMOSデジカメでもがいていました。このときは天城高原で会心の空でありました。 構図 2021年度も縦構図でスタートです。今

          2021年度の復帰は洞窟星雲から

          天体写真の復帰準備作業

          ご無沙汰をしておりました 2月にAstrobinのImage of the Dayをいただいて、腑抜けていたわけではございません。いくつかの理由があって、天体写真の撮影やnoteの更新をストップせざるを得ませんでした。 理由① 骨折しました 2015年の2月に左肘を粉砕骨折しているのは過去のnoteにも書いたのですが、2021年の3月に、また左肘を単純骨折してしまいました。  単純骨折ということで手術後のギブスもすぐに外してもらえて、GWぐらいまでは左肘を固定している状況

          天体写真の復帰準備作業

          天体写真を額装すると、オシャレな部屋になります。

          はじめに 今回は、目にみえない天体写真を撮影するという欲求を満たすという行為の先の楽しみ方、飾って楽しむということを書いてみました。 わたし、プリンター持っていません 天体写真のコンテストに応募されるような趣味人は、みなさん気合の入ったプリンターを持ってらっしゃいます。  たとえば、キヤノンだと最新のPRO-G1や、エプソンだと最新のSC-PX1V。  でも、わたしは持っていないのです!  なぜ、わたしは購入しないのか?  1つ目はROIを考えてです。プリンター本体

          天体写真を額装すると、オシャレな部屋になります。

          Image of The Day 獲りました!

          天体写真家専門のソーシャルネットワーキングサービスのAstroBinにて 2021年2月16日のImage of The Day を獲得できました♫  noteの写真の記事はこちらですね。ヨコシマな思いで対象に選んだのです。。  世界中から投稿された天体写真のなかから1年間に365枚しか選ばれないので、超絶嬉しいです。これで3度目のImage of The Dayです! 20時間、露出は正義!  AstroBinではこちらの写真です!ゴージャラスな帯を付けていただきま

          Image of The Day 獲りました!

          いっかくじゅう座のカモメ星雲(Seagull nebula)の天体写真を撮る

          はじめに 冬の星雲として有名なカモメ星雲を撮影してみました。過去にも2度、撮影してことがありました。  こちらは、2013年年末にKOWA Prominarで、Canon 60Daで撮影したものです。  こちらは、2014年12月に同じ機材で撮影したものです。こちらは天ガで入選してました。  カモメ星雲は初心者にも撮りやすく、ベンチマークとなる対象ですので、新しいシステムでも撮影してみました。 構図について  画角的にはカモメ星雲の全体像は収まらないので、頭と胸あたり

          いっかくじゅう座のカモメ星雲(Seagull nebula)の天体写真を撮る

          オリオン座の逆F型のマイナーな反射星雲 NGC1788

          はじめに いま想うと、なぜ、この対象を撮影しようと思ったのかわからなくなりました。たぶん、軽い気持ちで、「ここのエリアって、海外でもそんなに作例とかないから目立つんじゃない?」「低空対象&淡いけど長時間撮影すればなんとかなるんじゃない?」っていう自己顕示欲と甘い考えのもとで選んでしまったようです。  結果的には10時間分撮影しても、作品としては成立しない状態で、さらに10時間分撮影して、やっと及第点がもらえるレベルでした。ここから合格点を得ようとすると、さらに倍の40時間分

          オリオン座の逆F型のマイナーな反射星雲 NGC1788