2021年度の復帰は洞窟星雲から
はじめに
2020年度は2月にカモメ星雲で締めましたが、春、夏はスキップして10月から再開しました。スキップの理由はこちらへ。
2021年度の復帰は10月頭の新月期、ちょうど撮り頃のケフェウス座の「洞窟星雲」です。ケフェウス薄々星雲シリーズの五番バッターぐらい?2014年にもCanon EOS 60Daで撮影したことあります。
冷却でもない当時のCMOSデジカメでもがいていました。このときは天城高原で会心の空でありました。
構図
2021年度も縦構図でスタートです。今年ももう一年、縦構図で頑張ります!縦ならおいしい部分は洞窟星雲本体位なのでほぼほぼ中心にね!
撮影データ
10月の頭に撮影したのですが、いろいろあって、最終処理は後回しにしていました。。。最終的に処理に利用したのは合計505分、8時間半となります。
[Technical Data]
Main Object Name: Cave Nebula (Sh2-155)
Date: 2021/10/2, 2021/10/3
Location: Fujigane Remote Observatry, Yamanashi, Japan
Scope: Astro System Austria 8N + 3“ Wynne Corrector
Focal Length: 730mm
F-Ratios: 3.6
Mount: iOptron CEM60EC
Auto-Guide: ASI120MM, KOWA LM100JC, PHD2 2.6.10
Camera: Moravian G3-16200
Filter:
Astrodon LRGB Gen2 E-Series Tru-Balance Filters
Exposure:
L: 1x1 600sec x 27 -20C
R: 2x2 300sec x 15 -20C
G: 2x2 300sec x 16 -20C
B: 2x2 300sec x 16 -20C
Imaging SoftWare: Sequence Generator Pro
Processing: PixInsight 1.8.8, Photoshop 22.2
仕上がり画像
淡さではA級でした。洞窟本体というよりも、洞窟の周辺に漂う分子雲的な感じを上手く表現するには完璧なフラットが必要だと思います。
右上が被っているような気もするのですが、ここは修正せずそのままにしております。
前回の記事で書いたように、バックフォーカスが最適化された接続アダプターに変更したこともあり、周辺の輝星の光条がすっきりしていますし、星像も改善されています。
オートフォーカス時のFWMH(平均の星の大きさ)も0.1~0.2ほど改善しています。
画像処理
処理フローはいつものフローです。。
詳細は以下の通りです。自分的にはいつものやつですが、淡い対象を強調していることもあり、露出時間を稼いだとしてもノイズはひどいので、Photoshop上でのゴリゴリな処理は控えました。
Pixinsight vs Photoshop
画像処理のツール(ソフトウエア)について、Photoshop派とかPixinsight派とか色々いらっしゃるのですが、私はこだわりなく使うタイプだと思っています。
画像処理が上手くいくようになったときには、CCDStack → ステライメージ → Photoshopという流れでしたが、現在はPixinsight → Photoshopです。
Pixinsightだけで最終アウトプットまで仕上げることもできますが、Pixinsightの得意なのはデータ処理であり、視覚的処理や直感的処理についてはPhotoshopの方がツールとして自分は向いていると考えています。
これは宗派の違いのようなものですので正解はないです。
ただし、いつも気をつけているのは、Pixinsight でなるべく処理すること。Pixinsightでカラーバランスを大幅に修正をしたなどが発生した場合には、めんどくさがらずにPixinsightの処理途中のファイルに戻って、HistogramTransformation等でPhotoshopの状態に近づけるようにします。
下の画像は正に、5回以上Pixinsightに戻って、最終的にPixinsightで出力した画像で、ここからPhotoshopで仕上げています。
当然、フラットが合っていないとかは無論、論外ですので、PhotoshopのDBEでなんとかするとかせず、必ずフラット、フラットダーク、バイアスまで疑って、コンポジットから再処理していきます。今回10月頭に撮影していたのに、画像処理に1ヶ月半かかったのはそのためです。
さいごに
さすがに8ヶ月ほど画像処理をやっていないと、全部忘れてしまいますね。。ちょっと反省。。。
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