オリオン座のモザイク写真 ①作品
はじめに
半年近くかけてトライした作品なので、何回かに分けて書いてみようと思います。まずは、出来上がった写真そのものについて書いてみました。
モザイク写真とは
とりあえず、「天体写真のモザイク写真について」、をchatGPTで問い合わせてみました。回答的には間違っていません。ちなみに、pixelMathのコードをchatGPTで書いてもらうようにしています。
One Shot Color Cameraに変更したこともあり、モノクロカメラでは挑戦しにくかった大規模なモザイク写真を作って、大きく印刷して部屋に飾ってみたいという贅沢なチャレンジを2022年の冬からやっていました。
フレーミング
716mmの反射望遠鏡と2600万画素によるAPS-Cサイズのセンサーをもつカメラによって、4 x 4の16パネルを張り合わせることの計画をしてみました。
それによって、オリオン座の三つ星、馬頭星雲、オリオン大星雲を一網打尽にしようとしています。
ただし、この構図で重大なエラーが発生してしまったことがあり、それは、後に記載をしようと思います。ある配慮が完全に抜けていました。。
いきなり完成した作品
11月ぐらいから撮影を開始して、完成したのが3月末。半年ぐらいかけて撮影と画像処理、追加撮影と画像処理を繰り返して、いったん満足のいく作品が仕上がりました。フレーミング的に、ちょっと窮屈だったなあと反省。。
このエリアの見所は、オリオン大星雲の左右に広がる分子雲。そして三ツ星付近に散らばる反射星雲。ただし、モザイク写真のコンセプトは、
「それぞれのパネルだけでも観賞価値のある写真でること」
です。要するに、画像解像度を縮小して綺麗にみせるような小手先テクニックで美しさを求めるのでなく、拡大しても綺麗にみせることです。SNSやWebでの作品の発表が多くなる中で、横幅2048ピクセルぐらいになるように画像解像度を縮小したら綺麗になるのでなく、A0やB0サイズの大判印刷に耐えれる高解像度で高品質を求めることになります。
最終的な解像度は14,900 x 22,800 pixel、3億4000万画素となりました。それによって、沢山の課題がでて、一つ一つ解決していくことで時間がかかったんです。それぞれのパネルを4分の1に縮小処理してからモザイク合成しちゃえば楽なんですが、それだと大判印刷には耐えれない。
例えば、馬頭星雲だけ切り取ってみた場合。
次に、アルニラム付近を切り取った場合。
部分的に切り取っても、例えばA4印刷にも耐えれる作品クオリティを担保できています。
撮影データ
[Technical Data]
Main Object Name: Orion Mosaic
Date: 2022/11/18 - 2023/02/23
Location: Fujigane Remote Observatry, Yamanashi, Japan
Scope: Astro System Austria 8N + 3“ Wynne Corrector
Focal Length: 716mm
F-Ratios: 3.6
Mount: iOptron CEM60EC
Auto-Guide: ASI120MM, KOWA LM100JC, PHD2
Camera: ASI 2600MC Pro
Exposure:
IDAS LPS-P3: 1x1 300sec x 290, -15C, Gain 100
IDAS LPS-P3: 1x1 300sec x 17, -15C, Gain 0
Imaging SoftWare: Sequence Generator Pro
Processing: Astro Pixel Processor, PixInsight, Photoshop
トータルで25時間ぐらい、この冬、オリオン座に向けていました。オリオン座は低緯度にあるために、長く撮影できて4時間程度。結局、10夜以上費やしています。
さいごに
今回は作品について書いてみたのですが、次は画像処理について書いてみようと思っています。
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